アクト・オブ・キリング オリジナル全長版 2枚組(本編1枚+特典ディスク) 日本語字幕付き [DVD]

監督 : ジョシュア・オッペンハイマー  クリスティーヌ・シン 
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988021143486

感想・レビュー・書評

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  • 記録映画的な作品。扱われているのは、9月30日事件で、1965年9月30日にインドネシアで発生した軍事クーデターのこと。斬新な撮影手法は、役者を使わず実際の殺人実行犯がその手口をカメラに向かって彼ら自身に語らせる。まるで、「人を殺せば殺人となるが、戦争の旗印で殺せば英雄となる」という作品冒頭の言葉を裏付けるかのように。
    概要:
    クーデターを起こした国軍部隊は権力奪取に失敗しているので、正しくは「クーデター未遂事件」とするべきであるが、一般に未遂事件後のスハルト陸軍少将による首謀者・共産党勢力の掃討作戦に関連する一連の事象全体を指して「9月30日事件」と総称している。
    事件の背景として、国軍と共産党の権力闘争、スカルノ大統領の経済政策の失敗にともなう国内の混乱、マレーシアとの対立により国際連合脱退まで至った、国際政治におけるインドネシアの孤立などがあった。この事件を契機として、東南アジア最大の共産党であったインドネシア共産党は壊滅し、スカルノは失脚した。
    9月30日事件の詳細な経緯については、スハルト政権崩壊後の今日においても、未だ多くの謎に包まれている。インドネシア共産党と近い軍人を使って反共的な将軍らを排除しようとしたスカルノと、インドネシア共産党と親密であった中国共産党の双方が関与していたという説。スカルノの排除を狙うスハルトが仕掛けたカウンター・クーデターであるという説。スカルノの左傾化と中華人民共和国への急接近を警戒したアメリカ合衆国の中央情報局が背後にいたという説など、さまざまな陰謀説が主張されているが、いずれも推測の域を出ていない。
    スカルノは1970年に死亡し、スハルトが2008年1月27日に死亡したため、本人の口から事の真相を聴くことは不可能となり、また事件後の「共産主義者狩り」に動員された人々の多くが被害者側からの報復を恐れて口を閉ざしていることも、事件の全貌を解明することを難しくしていると言える。しかし近年、9・30事件をテーマとした映画が制作され、インドネシアでも上映されたことをきっかけに、事件の真相究明を求める動きが広がっている。
    9月30日事件はスカルノとスハルト、両者の力関係を完全に逆転させた。スカルノ大統領から治安秩序回復の全権委任を得たスハルトの主導のもと、クーデター首謀者とされたウントゥン大統領親衛隊隊長の拘束が行われ、また事件に関与したとして、インドネシア共産党のジャカルタの施設が10月8日に市民の手で焼きはらわれ、中国語教育や文化活動も同時に禁止された。
    さらにその後インドネシア共産党書記長のアイディットをはじめとする共産主義者約50万、特に40万人の華僑に対する集団虐殺が起きた。「20世紀最大の虐殺の一つ」とも言われ、50万人前後とも、最大推計では300万人とも言われるその数は、今日でも正確には把握されていないが、こうした共産主義者を中心とした残虐な大虐殺は、事件直後の1965年10月から1966年3月ごろまでスマトラ、ジャワ、バリで続いたと見られる。インドネシアの国民的作家プラムディヤ・アナンタ・トゥールもこのとき拘束され、以後長い獄中生活を強いられることになった。
    このように共産主義勢力を物理的に破壊していく過程で大きな役割を果たしたのは国軍の他、「共産主義者狩り」に動員された青年団、イスラーム団体およびならず者集団であった。
    一方のスカルノは「国父」としての地位は保ったものの、全ての役職をはく奪され自宅に事実上の軟禁状態におかれ、さらにデヴィ夫人たちと多くの家族が国外に政治亡命、離散するという失意の状況におかれたまま、1970年6月21日にジャカルタで死去した。(ウィキペディア)

    『アクト・オブ・キリング』(原題:The Act of Killing)は、2012年制作のイギリス・デンマーク・ノルウェーのドキュメンタリー映画。

    概要:
    1965年、時のインドネシア大統領・スカルノが陸軍のスハルト少将のクーデターにより失脚、その後、右派勢力による「インドネシア共産党員狩り」と称した大虐殺が行われ、100万人以上が殺害されたといわれている、9月30日事件を追った作品。
    当時、虐殺に関わった者たちを取材し、彼らにその時の行動をカメラの前で演じさせて再現するという手法をとった異色のドキュメンタリー映画である。
    なお、製作に関わった多くの現地スタッフは、事件がインドネシア国内では未だにタブーであり、名前を明かすことが様々な危険を伴うとの理由から、「ANONYMOUS(匿名)」としてクレジットされている。
    スカルノの第三夫人であったデヴィ・スカルノは本作を高く評価し、監督のジョシュア・オッペンハイマーに「9月30日事件の真実を明らかにし、夫の汚名をそそいでくれた」と感謝の意を表している。
    2014年には姉妹編『ルック・オブ・サイレンス』が公開された。(ウィキペディア)

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