「育休世代」のジレンマ~女性活用はなぜ失敗するのか?~ (光文社新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 長い。

  • 『意欲の冷却』という言葉に着目し、
    長らく時間をかけて、読破。
    長い長い論文を読んでいるような感覚。
    じっくり自分に当てはめながら
    考えつつ読んでいくので…
    何ヶ月もかけて、ようやく読めた。
    結論、自分がどうして行きたいか。
    否定するわけでなく、子供を寮に入れて…
    執行役員になる方が居るなんて驚きだった。
    そこまで熱意をかけられる仕事に出会いたい!

  • 女性が働く上での様々なジレンマが色んな人の実体験に基づき書かれている。
    マミートラックやぶら下がりなど、正直自分は絶対になりたくないし、反面教師にしたいと思った。
    筆者曰く管理職に自分がなってしまうのが一番手っ取り早いとのことで、苦労は確実に多いけど一理あるなとは思った。やはりマネジメントかプレーヤーどちらかを極める道が生き残る上で肝要だと感じる。
    将来子供が出来たとしてもキャリアは大切にしたいし、歳をとった時にも生き生き働ける環境を作るためにも今できることを頑張りたい。

  • 客観性から心の叫びを映し出す書物。本書は、2010年代に育休を取得した女性たちを対象に、彼女たちが抱える仕事と家庭の間の葛藤について論じている。もとは修士論文であり、それを筆者自らが加筆修正して書籍化したものだ。出版されたのは2014年なのに、女性たちが心に抱える苦しみや怒りは、10年経った今でもさほど変わらない。そのことは、今まさに育休世代となる私自身が自信を持って断言できる。本書執筆の動機は苛立ちだったという筆者へ、私たちの悲痛な叫びを代弁してくださったことを心から感謝したい。

  • 自分自身がいざ産育休取得の立場となり、これまで全く経験したことのない不安やもやもやを感じるようになったので、この本を読んでみた。所属する会社も、女性活躍やダイバーシティを謳っているけど、ケア責任を負う、負わないの観点で考えると、圧倒的に負わない立場の管理職が多いということに改めて気付かされた。本書の最後の方にも書いていたが、男並とは違う、でもやりがいを捨てない女性の働き方がもっと増えていくよう、企業でのパイオニアになっていきたいと感じた。それに至るには戦いや葛藤も多いんだろうなあと、正直今から目に見える。

  • 興味深く読んだ。

    筆者も認めているように、調査対象が15人の女性というのは、やはり、少ないと思う。

    ただ。その「15人」の育った環境、就職で優先したこと、育児と仕事の両立…といった、それぞれが抱える問題は、よく伝わってきた。

    本書に出てくる“バリキャリ”女性が、出産を機に「限界」を感じ仕事を辞める(辞めざるを得ない)という状況。

    仕事を続けるのか、結婚したら家庭に入るのか、どちらを選ぶのは、個人の選択の自由。

    しかし、仕事を続けたいのに続けられない状況を減らしたい・減らさざるを得ないという、消極的理由による現状は打開するべきだとも思う。

    個人的には、本書の後半が参考になった。

    「共働き世帯で2週間ほどお互いの分業役割を交代」など。“兼業主婦(夫)のインターンシップ制度”ともいうべきでしょうか。

    調査対象が少ないことと、大手企業で「総合職・結婚・出産」というある意味恵まれた女性が主な調査対象だったことが少し引っかかる。

    また、少し情緒的な部分もあるのも気になった。

    しかし、副題の「女性活用はなぜ失敗するのか?」という筆者の問いかけは重要だ。

    問いかけに終わるのではなく、女性が活躍できる(その
    定義は難しいが)社会は必要だろう。

  • 出産後、育休を取得することがある程度主流になってきた今、育休から復帰した後に仕事と育児の間でジレンマに陥っている女性たち。仕事をバリバリやってきて、やるつもりだったのに、うまくいかない、辞めてしまう、ワーママたちも、ワーママの周りの職場も、どちらも不幸になりそうなのは、どうしてなのか。それを研究した論文を本にしたもの。育休を経て、仕事を続けている人、転職した人、専業主婦になった人と15人の女性にインタビューした内容をベースに論が展開されており、その言葉一つひとつに、これ私だっけ?と思うくらいに共感。自分だけじゃない、ジレンマを抱えて、そしていろんな悔しさを抱えて悶々としている女性は多いのだということを確認できるだけでも個人的には十分価値があると思うのですが、それだけにとどまらず、ではどうすれば育児中の女性もモチベーションを下げずに働き続けられるのか、働ける職場とそうではない職場の違いは何なのかも解かれているので、ここはひとつワーママではない人にこそ読んでほしいところ。
    惜しむらくは、やはりベースが論文なのでいささか読みにくいのは否めない点。誰にでもとにかく読んでみて!と気軽に薦めるにはちょっとハードルが高い。

    ついでに何点か気になったところをメモ的に。
    ・女性が働き続けられるかどうかに影響するとして夫選びについても言及されているのだけれど、夫選びは20代で結婚した人と、30代の婚活世代ではかなり選び方に差があると思う。この本では早めに結婚した人にフォーカスしていたけれど、婚活が始まると、ただ「好きだから結婚しました」とは色々違ってくるよね…。
    ・自分の親に頼るかどうかについて、これも今回は親に頼っていない人をフォーカスしていたけれど、遠いから頼れないのと、頼るつもりがないから近くに住んでないというのとの関係性というか、そのあたりも気になるところ…。まぁ、近くても頼りたくないという人もいるので複雑ではあるものの、うちの保育園で周りを見ると、おばあちゃん出現率高いよなぁと思ったりもして。もちろんそこに頼ることが前提では社会としてマズイんだけど、無視できない要因ではあるよなぁとか。

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著者プロフィール

ジャーナリスト、東京大学大学院博士課程

「2019年 『なぜ共働きも専業もしんどいのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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