日清・日露戦争をどう見るか 近代日本と朝鮮半島・中国 (NHK出版新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • アジア・太平洋戦争を日本が戦わなければならなかった理由が、どうも腑に落ちない。「なぜ戦ったのか」を知ろうと思って本を探すと、だいたいが「なぜ勝てない戦いを戦ったのか」という主題の本ばっかりで、紛争の解決方法として戦争を選んだ理由が霞んでしまう。これはアジア・太平洋戦争の始まる前、日清・日露戦争の頃まで遡らないとわからないのではないかと思って、そういう本を探しはじめた。

    著者は日清戦争、日露戦争とも、朝鮮半島の利権を争った戦争であり、第一次、第二次朝鮮戦争と呼ぶべきではないかと提案する(ちなみに第三次朝鮮戦争がぼくらの知っている朝鮮戦争だ)。当時の中国大陸が欧米列強の勢力範囲として色分けされてたうちに、大日本帝国の勢力範囲もプロットされている。当時力をつけつつあった大日本帝国が、欧米帝国主義のマネをして、大陸に植民地を築こうとして戦った戦争、ということでよいのだろうか?

    読みやすい本なんだけれど、当時の事情があまり飲み込めないうちにあっさり戦争が始まってしまって、いまいち食い足りない。それでもパースペクティブみたいなものはできたから、もう少しこの時代を読み込んでみようかな。
    司馬遼太郎の「坂の上の雲」はどうしよう。

  • ・7/9 読了.確かにひとつの見方だと思うし後々明らかになった文献による新解釈も含まれてて勉強になる.この前に読了した「本当は怖ろしい韓国の歴史」と合わせて両方の面から日本の近代戦の事情を解釈していかないとだめだと実感.できれば中国の立場からの、またロシアの事情からの面の解釈も必要.およそ国家の意図に一面しか無いというのは今も昔もどこの国でもありえないという前提を忘れてはいけないと思う.

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著者プロフィール

1939年生まれ。歴史学者・経済学者。専門は近現代日本経済史。東京大学名誉教授。

「2022年 『学問と裁判』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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