日本人の英語 (岩波新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 日本語からの直訳だとついついやってしまう関係副詞の多用など、
    (Therefore, 〜)
    見事に指摘されていてタメになった。ネイティブと話す機会が無い場合、この様なネイティブが書いた日本人向けの英語の本が役に立つと思う。

  • 日本人の書いた英語の気持ち悪いところを教えてくれる本。


    とりあえずそれっぽく英語を使えればよい場合は読まなくていい本。でも、どういう表現が適切か知りたい人は読むとおもしろい。


    一般的に英語の勉強は文法の学習と単語、イディオムの記憶がメインで、そこから先はあまりやらない人が多い。多読、多聴でネイティブ表現に多少慣れても、前置詞の違いからくる語感の違いなどはなかなか習得しにくいと思う。それこそアメリカで暮らして、毎日言葉に注意しながら、ネイティブのフォローをもらいながらじゃないと。。


    個人的には、前置詞のイメージが一番おもしろかった。いつも謎だったので、そういうイメージがあるというのが知れるだけで随分うれしかった。結構昔の本だから、今の世の中だと少しイメージが変わってきていることもあるかもしれないが、こういうのをイメージしながら自然に会話したい。

  • 日本人にありがちな英語の誤りを、ネイティブの感覚をベースに解き明かす。aとかtheとかの使い方から始まって、さまざまな論点を取り上げる。なるほど、日本語とはこういうところの感覚が違うのね、と参考になるが、そうは言ってもマスターできる気はしない。
    27

  • あぁ、こういうニュアンスで使うのか!という表現がとても多く解説されている。日本語がわかるネイティブスピーカーによって書かれているので、「この英語の不自然さは、日本語で表すとこんな感じ。」という例示が非常に分かりやすい。

    我々日本人が英語を書くときは、幼い頃からバイリンガルでも無い限り、やはり思考は日本語で行って、どこかで英語に訳すというプロセスが脳内で行われているように思う。ある程度決まったフレーズや表現は書けるけども、文章が複雑になればなるほどそういう傾向がある。

    日本人が弱い冠詞(a/the)は名詞のアクセサリーではなく、冠詞が後に続く名詞の意味的カテゴリーを先行して決めているのだ、というの解説に始まり、前置詞のニュアンスや時制の使い方などが、分かりやすい例と、日本人の思考回路が故に間違いやすい部分が指摘されていて、「なるほど、だからこれはおかしいのか。」と納得することが多々あった。

    とくに、関係代名詞や先行詞の解説は論文を書く上で大変参考になる。例えば日本語を直訳して考えてしまった場合、先行詞が遠くなってしまうことがある。
    The lyrics of that song were written on a word processor, whose appeal mainly depends on clever rhyming and puns.
    先行詞は The lyrics で、whoseにかかっているが、遠すぎて読者にはわかりにくい。そこで、
    A word processor was used to write that song's lyrics, whose appeal would seem to lie mainly in their clever rhyming and puns.
    と書き換えることで、そういった問題を避けることができる。

    また、意味的にはあっているが、大人っぽい表現か、稚拙な表現か、といった対比も扱われていて、英語を書くという際に中級のもう一段階上を目指している私のような人間にはぜひとも知っておきたい内容がカバーされている。
    たとえば、
    The student were asked (中略) the first stage of the lesson. After then, they were questioned about the content of the sentences. という表現を
    The students were asked (中略) the first stage of the lesson, following which they were questioned about the content of the sentences. という表現でつなぐことで「アダルトな」表現になるという。この感覚はネイティブにしかわからないものなので、非常に勉強になる。

    このように、ネイティブスピーカーの感覚と、日本語を本質的に理解していることによる日本人特有の間違いの指摘の両方を含んでいるので、非常にためになる。しいて言うなら、いわゆる英語の勉強をある程度やってきて、実務でつかっているけども自分の英語の伸びに限界を感じているような人にしっくり来る本かもしれない。今の自分がそういう状態だと思っているので。

    著者は、日本語を勉強するときに読みまくって書きまくった挙句、「日本語が嫌い」と日本語で叫んでしまったという。そこまでして本質的に原語というのは会得されるのだろう。

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