悪童日記 [DVD]

監督 : ヤーノシュ・サース 
出演 : アンドラーシュ・ジェーマント  ラースロー・ジェーマント  ピロシュカ・モルナール  ウルリッヒ・トムセン  ウルリッヒ・マテス  ギョングベール・ボグナル 
  • アルバトロス
3.66
  • (18)
  • (43)
  • (42)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 235
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4532318409191

感想・レビュー・書評

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  • 原作を読むか映画を観るかで悩み映画を選択。
    テーマ的に重いものだと思ったがそのとおり。
    しかし淡々とした描写で進むのでそこまでやられることがなかった。
    観ている最中に感じたことは作中で固有名詞がでてくる登場人物があまりにも少ないことだ。
    そこにとてもセンスを感じた。原作がそうなのだろうが。。
    原作は浦沢直樹のモンスターの原案になっているというが確かに。親をも超越して成長する二人にはとても恐怖があると思う。

  • 原作がとても好きなので、映画化と聞いて大きな期待と不安を持っていた。
    あいにく行ける範囲で上映がなかったので、DVDを待ってようやく見られたのだけど。
    上映前はちらほらとやはり期待や不安の声を聞いていたのに、上映後に評判を聞かなかった理由が、見てよくわかった。
    とても丁寧に作られていると思う。
    キャストも良いし、演出も全く手を抜いていない。
    原作への敬愛に満ちている。
    けれど…そこまでなんだなー…。
    原作を超える部分はない。
    一部分でも超えるところがあれば、他は原作に届かなくてもいいと思うのだけど、原作の傘の内で綺麗にまとまってしまった感じ。
    残り二部は製作するのかなー…?

    あと、主人公の双子役が少々年齢が上過ぎるように私は思ったのだけど、どうなんだろう。
    あれだけ美しい双子を見つけるのは大変だとは思うけど…。

  • 原作がずっと気になりながらも、きっと読むことはないだろうなと思っていたので、せめて映画で観てみることにした。双子が徐々に魔女と呼ばれる祖母と心を通わせる過程がいい。

  • LE GRAND CAHIER
    2013年 ドイツ+ハンガリー 111分
    監督:ヤーノシュ・サース
    原作:アゴタ・クリストフ『悪童日記』
    出演:アンドラーシュ・ジェーマント/ラースロー・ジェーマント/ピロシュカ・モルナール
    http://akudou-movie.com/

    映画を見る前に原作を三部作とも再読して準備万端で臨みました。映画自体の評判は原作ファンからもそんなに悪くなかったと思うのだけれど、うむむ、少し複雑。映画としては悪くない、けれど、やはり三部作全体で壮大な叙述トリックのようだった原作と比較してしまうと、最終的に受ける印象は随分違うかも。

    映画はトリックなどない、あくまで現実。「ぼくら」はきちんと双子(二人)の姿をとって観客の前に姿を現すし、かなり一生懸命見分けようとすれば、一般的な双子がそうであるように、瓜二つだけれど微妙に個性が違うことも感じさせられてしまう。

    しかし原作至上主義的な幻想を捨てれば、ある時代の、戦争を背景にした少年たちの生き様を印象的に描き出した映画としてはなかなかの良作でした。映画化を了承した作者が、映画の完成を待たずに2011年に亡くなってしまったのは残念でしたね。きっと完成品見たかっただろうなあ。

    ミーハーに見た目の話から入ると、とりあえず双子は可愛かった!美少年だった!(そしてなぜか妙に10代の頃の錦戸亮に似ている・笑)たぶん14~15歳くらいなので、物語の冒頭ではちょっと大きいかな?と思うのだけれど、数年経過してからのラストではちょうど良いくらいでした。

    兎っ子もちょっと大きかったかな(17~18歳に見えたけど自分のイメージでは双子と同じか小さいくらいだった)ゆえに、彼女の死にざまの悲劇性は少し薄れてしまった気がする。おばあちゃんは、一番原作イメージ通りの怪演でした。一般的には目の中に入れても痛くないほど可愛いはずの孫を、こうまで邪険に扱えるものかと思いつつも、最終的に結構双子と通じ合ってるところとか。司祭館の女中さんはすっごく美人でナイスバデーだったのだけれど、あっという間に退場されてしまったのが勿体なかったです。

    双子が日記をしるすノートが、お父さんからもらったものになっていたのは映画の改悪かなと思いましたが(そのノートを最後に譲り合い、結果国境を越えるほうが持っていくのも)、原作未読の観客に双子の突飛な行動を理解させるべく理由づけエピソードが付け加えられるのは映画として仕方なかったかも。あと寒さや苦痛や空腹には耐える訓練をしていた双子が、互いから引き離されることだけは耐えられない、という事実に気づき、離別の訓練を始めるあたりは、映画オリジナルエピソードとしてアリだったのかなと思います(別々に眠ったり、わざと喧嘩したり)。

    映像は全体的に彩度ひかえめでとても美しく、日記がコラージュ風になっていたりという独特の処理も面白かったです。三部作ではなく、あくまで「悪童日記」のみを事実と捉えての映画化としては、トータルで悪くなかったと思います。

  • アップリンクで鑑賞。生き抜くために「悪童」になった双子の話。ジェーマント兄弟の演技が素晴らしかった。そして何よりいいのが二人のあの目。終始、誰にも心を見透かされまいとするような鋭い眼光を放っていた。ハンガリーの田園風景が、鳴り止まない不穏な音楽によってより閉鎖的な空間になっている。離ればなれになるのが一番つらいと考える双子が、寄り添って生きる姿に心が打たれる。続編希望!

  • いやー恐ろしい映画だった。コワイやつがたくさんでできたが、ダントツにコワイやつらは狼に育てられたような野獣のような……


  • やだーかわいー、て感じの少年の話なんでこれはもうそういう趣味の人にはたまらないのではないか、と勝手に想像するわけだが、これが、やだーかわいー、て感じの少女の話で、おっさんがそういう趣味でたまらない、とか言ったら大変なことになりそうだから、これはきっと問題発言なのだろう。
    とかなんとか、割とシリアスというか、いい感じに話をもってこうとする展開なんだけど、何気に、人が簡単に死に過ぎ、そしておっぱいぽろり、という、バブル期の火サスかよ、てな流れなわけで。
    まぁでもやっぱり男の子がかわいいっていうのが
    基本線なので、それを眺めて、男色もありだろうか、などと妄想するのが吉。

  • 2012年10月に原作本を読んで、こう書いた。
     @
    大傑作。10年近く積読にしていたことを反省する。
    訳者が解説している通り、いろいろな読み方ができる。
    感情を排した双子のハードボイルドともいえるし、
    戦争下で抑圧される少年の話でもあるし、
    大人たちの滑稽や醜さを見つめる寓話でもあるし、
    不条理に対する人々の反応の群像やケースでもある。
    しかし一番心惹かれるのは、徹底的に感情を表さない文体。
    双子はいろいろな出来事(性や暴力に関するものが多い)を見つめるが、事実しかその日記に書き記さない。
    この文体が、感情を持たないサイボーグのような印象を与えるし、
    時々(アクションによって)垣間見える双子の感情に胸打たれる。
    双子は彼ら独特の「●●の練習」によって逞しく生き延びるが、
    やがて戦争は進み周囲の人間たちが悲劇に見舞われる。
    双子はどんな気持ちでその死を見ていたのか……。
    思うだけでぞっとする。
     @
    その後映画「グッドナイト・マミー」や服部まゆみ「シメール」や(ゲームボーイアドバンス「マザー3」や)から連想してきた、いわば【双子ものの泉】のような存在として君臨し続けている小説。
    の、映画を見た。
    個人的には双子はもっと幼いイメージでいたが、実際に映像で彼らの【眉をしかめ嫌悪を浮かべた顔】を見てしまうと、イメージは容易に塗り替えられた。
    序盤、双子がくっついて寝て、眼醒め眼を開くのだが、頬を寄せ合っているせいでひとつの顔にも見える、そこだけでもう、作り手の人わかってるー、と癖を共有できたような喜びを抱いてしまう。
    基本的には原作と同じ筋。
    映像になって連想したのは、
    ・「白いリボン」……打擲による教育。戦前のヨーロッパあるいはカトリック的な抑圧教育について。
    ・お祖母さんは、マツコ・デラックスそっくり。
    ・原作では舞台はあえてぼやかされていたが、映画の将校ははっきりとナチス。ジャン=ピエール・ジュネ常連のドミニク・ピノンっぽい。
    ・父母との幸せな記憶があるからこそ、終盤の展開はつらい。
    原作は3部作。「ふたりの証拠」「第三の嘘」にも手を出す頃合いかもしれない。

  • ドイツ映画
    暗かった お婆ちゃんの口の悪さにビビった

  • こんなパッケージなのか?
    ごちゃごちゃで残念

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