悪童日記 [DVD]

監督 : ヤーノシュ・サース 
出演 : アンドラーシュ・ジェーマント  ラースロー・ジェーマント  ピロシュカ・モルナール  ウルリッヒ・トムセン  ウルリッヒ・マテス  ギョングベール・ボグナル 
  • アルバトロス
3.66
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4532318409191

感想・レビュー・書評

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  • 二次大戦末期、双子の兄弟は両親と離れ、母方の祖母の家に疎開する。
    村人から魔女と呼ばれる祖母から重労働を強いられる2人だったが、肉体的、精神的な訓練をしながら、たくましく生き抜いていく。

    双子が逞しいだけでなく、残酷でもあるのは戦争をしている大人たちを見ているからだろう。
    無表情に視線を向けてくる双子に、観客を含め大人たちは心の内を見透かされている気がして怖いです。

  • 兄弟にとって生きていくとは…
    戦争で最早、人は人でなく、家族も倫理も宗教も全てをないがしろにしてしまっていた。そんな世の中には、ずるくて汚くて自分だけが良かれと動物のように生きている大人たちが蠢いていた。半ば親に捨てられた兄弟は、父の言いつけを守り、聖書を読み、教養を身につけ、子供が生き残るための術を市井から学んだ。より純粋に真っ当で利口な大人になるために自分たちを律して生きていた兄弟は、父母や聖職者、警察、軍人など指導者や為政者たちの言動と行動の違いに気づいてしまう。
    一卵性の双子の美少年たちのあの眼差しにはうっとりしてしまう美しさが潜んでいた。悲しみと憂いと憤りを湛えるあんな目で見つめられたら声が出なくなってしまうかもしれない。双子とは不思議な存在だ。各々が自分であり分身であるような…最後は思わぬ展開だった。大事な分身を手放してしまうなんて及びもつかない展開に数年後、大人になった彼らの再会を空想した。
    とても切ない悲しさがあるけれど逞しさにうち惚れるような潔さを感じるいい作品だった。

  • 第二次世界大戦末期の1944年8月14日。双子の兄弟(アンドラーシュ・ジェーマント、ラースロー・ジェーマント)は母親に連れられ、村人から“魔女”と呼ばれる祖母(ピロシュカ・モルナール)が暮らす国境に近い田舎へ疎開する。
    母親と別れた兄弟に与えられた仕事は、薪割りと水汲み、そして鶏や豚への餌やり。祖母の家の敷地には川があり、その先は外国だった。
    やがて仲良くなった隣家の少女と一緒に、町の酒場で寸劇などをして小銭を稼ぎ始める。また、森の中では兵士の遺体を発見し、そこから武器を盗む。
    その一方で、母親が自分たちに送ってくれた物資を祖母が隠していたことを知る。
    いつまでも迎えに来ない母親を忘れるため、精神を鍛える訓練で母の手紙と写真を焼き、残酷さに慣れる訓練として虫や魚などの生き物を殺す。
    兵士の遺体から奪った手榴弾を司祭館のストーブに投げ入れた兄弟は、女中に大火傷を負わせたことから警察に連行され、拷問を受ける。
    2人を助けたのは、祖母の家の離れに住む外国人将校だった。
    戦争が終わったとの噂を耳にして、祖母と一緒に収容所を見に行くが、そこには何も残っていなかった。
    そして、外国語を話す軍隊がやって来る。その戦車に乗せてもらった隣の女の子は、死体になって帰ってきた。死にたいと言う女の子の母親の求めに応じて、家に火を点ける兄弟。
    やがて、赤ん坊を抱いた母親が車でやって来るが、空から落ちてきた爆弾で赤ん坊とともに命を落とす。2人の遺体を埋めていた祖母が、発作を起こして倒れる。
    そこへ、兵士として戦っていた父親(ウルリッヒ・マテス)が現れ、墓地に埋葬するために母の遺体を掘り起こすが、その際に赤ん坊の存在を知る。
    そして祖母が亡くなる。言われた通りに祖母の遺体を清め、母親の隣に埋めた兄弟は翌朝、逮捕を逃れるために逃亡を図る父親を国境の鉄条網へと案内する。
    だがそれは、2人にとって“別れ”という最後の訓練でもあった。
    アゴタ・クリストフの世界的ベストセラー小説を映画化。
    原作と同じく抑制された演出で描かれる過酷な状況をサバイバルする双子の兄弟の生きざま、道徳も倫理が通用しない過酷な状況、魔女のようなおばあちゃんなどのキャラクター、理不尽な状況でサバイバルするための様々な過酷な訓練のハードボイルドな描写が組合わさって、凄みのある傑作人間ドラマ映画に仕上がっています。

  • 全編が重苦しくて辛辣な衝撃作。ストーリーに引き込まれるわけでもなく、映像に目を奪われるわけでもないのに、一瞬たりとも目が離せない緊張感が持続する。原作は有名だけれども未読。これを見て、次はぜひ読んでみようと思った。
    辺鄙な田舎へ疎開させられた双子の兄弟が綴る、戦時下の日常日記。強くなるための訓練。負けないための訓練。求めていたものは与えられず、世界に溢れた欺瞞を目にしながら、彼らは本能的に生存していくことを選ぶ。ずっと2人で1つで生きてきた双子の彼らだったが、やがて親族が全滅した時、彼らは1つの選択をする。
    双子の兄弟の飢えた目が印象的。ふてぶてしいおばあちゃんの表情が印象的。
    慕ってくれていたはずの我が子に家族であることを拒絶された母親と父親の末路は、とても他人事とは思えなくて息苦しかった。

  • 「悪童日記」観る。ちゃんと双子を起用している。丁寧に作られているが、原作の凄みには一歩及ばず。例えば祖母の家、庭が綺麗すぎると思う。原作は「悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の嘘」と3部作。2,1,3の順で好きだ。大人になって完徹で読んだ本は「悪童日記」だけ。ぜひ原作を読んで!

    「悪童日記」原題は"Le Grand Cahier"大きな日記。これを「悪童日記」と訳した?人に拍手を送りたい。

  • 小説をきっちり把握してないのに
    映画ものすごく楽しみにしてた

    そして期待を裏切らなかった
    今のところ今年入ってから観たものの中では
    だんとつですき

    続編があるなら本当に楽しみ

  • 大好きなアゴタ・クリストフ原作の悪童日記の映画化。これ、第二弾、第三弾があるならすごく気になる。どう映像化するのか…

  • 原作を読んだ印象よりもずっとずっと双子の残酷さが減っていた。性的描写もぼかされていた。
    原作を読んでいるときはあまりの双子の残酷さ無敵さに、もうやめて…こいつら化け物だよ…と思いましたが、映画では時代に翻弄される可哀想な少年たちに見えた。
    普通になっちゃって、ちょっと残念かな。でも、暴力的で性的描写も多い原作に寄せた映像化が難しいのはよくわかる。
    この映画は全三冊の原作のうち一冊目です。続きが気になる。

  • シアターキノにて鑑賞。字幕版。
    原作を2/3ほど読んだ状態で観てきました。
    かなり原作に忠実に、淡々と繋がっていくエピソード。
    原作感想で粗方書いてしまったので言葉はみつからない感じです。
    ただ原作では痩せている設定のおばあさんをあの方が演じた点はとても素晴らしかった。

  • “双子”という存在の魅力にはじめて触れた作品の映像化、ということで期待を込めて視聴。
    あの不透明な底知れなさや現実と非現実の曖昧な不気味さは薄れてしまったけど、独立した映画としては面白かったです。

    日記に描かれた双子を示すイラストが、紙にインクが転写されたものだったのが個人的には一番とても印象的でした。
    鏡に映った像がまったく同じではなく、左右反転した関係にあるように、彼ら双子のありかたも同じなようで実は鏡像関係であったのかな…と、ラストじんわりと思いました。

  • 原作を読むか映画を観るかで悩み映画を選択。
    テーマ的に重いものだと思ったがそのとおり。
    しかし淡々とした描写で進むのでそこまでやられることがなかった。
    観ている最中に感じたことは作中で固有名詞がでてくる登場人物があまりにも少ないことだ。
    そこにとてもセンスを感じた。原作がそうなのだろうが。。
    原作は浦沢直樹のモンスターの原案になっているというが確かに。親をも超越して成長する二人にはとても恐怖があると思う。

  • 原作がとても好きなので、映画化と聞いて大きな期待と不安を持っていた。
    あいにく行ける範囲で上映がなかったので、DVDを待ってようやく見られたのだけど。
    上映前はちらほらとやはり期待や不安の声を聞いていたのに、上映後に評判を聞かなかった理由が、見てよくわかった。
    とても丁寧に作られていると思う。
    キャストも良いし、演出も全く手を抜いていない。
    原作への敬愛に満ちている。
    けれど…そこまでなんだなー…。
    原作を超える部分はない。
    一部分でも超えるところがあれば、他は原作に届かなくてもいいと思うのだけど、原作の傘の内で綺麗にまとまってしまった感じ。
    残り二部は製作するのかなー…?

    あと、主人公の双子役が少々年齢が上過ぎるように私は思ったのだけど、どうなんだろう。
    あれだけ美しい双子を見つけるのは大変だとは思うけど…。

  • 原作がずっと気になりながらも、きっと読むことはないだろうなと思っていたので、せめて映画で観てみることにした。双子が徐々に魔女と呼ばれる祖母と心を通わせる過程がいい。

  • LE GRAND CAHIER
    2013年 ドイツ+ハンガリー 111分
    監督:ヤーノシュ・サース
    原作:アゴタ・クリストフ『悪童日記』
    出演:アンドラーシュ・ジェーマント/ラースロー・ジェーマント/ピロシュカ・モルナール
    http://akudou-movie.com/

    映画を見る前に原作を三部作とも再読して準備万端で臨みました。映画自体の評判は原作ファンからもそんなに悪くなかったと思うのだけれど、うむむ、少し複雑。映画としては悪くない、けれど、やはり三部作全体で壮大な叙述トリックのようだった原作と比較してしまうと、最終的に受ける印象は随分違うかも。

    映画はトリックなどない、あくまで現実。「ぼくら」はきちんと双子(二人)の姿をとって観客の前に姿を現すし、かなり一生懸命見分けようとすれば、一般的な双子がそうであるように、瓜二つだけれど微妙に個性が違うことも感じさせられてしまう。

    しかし原作至上主義的な幻想を捨てれば、ある時代の、戦争を背景にした少年たちの生き様を印象的に描き出した映画としてはなかなかの良作でした。映画化を了承した作者が、映画の完成を待たずに2011年に亡くなってしまったのは残念でしたね。きっと完成品見たかっただろうなあ。

    ミーハーに見た目の話から入ると、とりあえず双子は可愛かった!美少年だった!(そしてなぜか妙に10代の頃の錦戸亮に似ている・笑)たぶん14~15歳くらいなので、物語の冒頭ではちょっと大きいかな?と思うのだけれど、数年経過してからのラストではちょうど良いくらいでした。

    兎っ子もちょっと大きかったかな(17~18歳に見えたけど自分のイメージでは双子と同じか小さいくらいだった)ゆえに、彼女の死にざまの悲劇性は少し薄れてしまった気がする。おばあちゃんは、一番原作イメージ通りの怪演でした。一般的には目の中に入れても痛くないほど可愛いはずの孫を、こうまで邪険に扱えるものかと思いつつも、最終的に結構双子と通じ合ってるところとか。司祭館の女中さんはすっごく美人でナイスバデーだったのだけれど、あっという間に退場されてしまったのが勿体なかったです。

    双子が日記をしるすノートが、お父さんからもらったものになっていたのは映画の改悪かなと思いましたが(そのノートを最後に譲り合い、結果国境を越えるほうが持っていくのも)、原作未読の観客に双子の突飛な行動を理解させるべく理由づけエピソードが付け加えられるのは映画として仕方なかったかも。あと寒さや苦痛や空腹には耐える訓練をしていた双子が、互いから引き離されることだけは耐えられない、という事実に気づき、離別の訓練を始めるあたりは、映画オリジナルエピソードとしてアリだったのかなと思います(別々に眠ったり、わざと喧嘩したり)。

    映像は全体的に彩度ひかえめでとても美しく、日記がコラージュ風になっていたりという独特の処理も面白かったです。三部作ではなく、あくまで「悪童日記」のみを事実と捉えての映画化としては、トータルで悪くなかったと思います。

  • アップリンクで鑑賞。生き抜くために「悪童」になった双子の話。ジェーマント兄弟の演技が素晴らしかった。そして何よりいいのが二人のあの目。終始、誰にも心を見透かされまいとするような鋭い眼光を放っていた。ハンガリーの田園風景が、鳴り止まない不穏な音楽によってより閉鎖的な空間になっている。離ればなれになるのが一番つらいと考える双子が、寄り添って生きる姿に心が打たれる。続編希望!

  • いやー恐ろしい映画だった。コワイやつがたくさんでできたが、ダントツにコワイやつらは狼に育てられたような野獣のような……


  • やだーかわいー、て感じの少年の話なんでこれはもうそういう趣味の人にはたまらないのではないか、と勝手に想像するわけだが、これが、やだーかわいー、て感じの少女の話で、おっさんがそういう趣味でたまらない、とか言ったら大変なことになりそうだから、これはきっと問題発言なのだろう。
    とかなんとか、割とシリアスというか、いい感じに話をもってこうとする展開なんだけど、何気に、人が簡単に死に過ぎ、そしておっぱいぽろり、という、バブル期の火サスかよ、てな流れなわけで。
    まぁでもやっぱり男の子がかわいいっていうのが
    基本線なので、それを眺めて、男色もありだろうか、などと妄想するのが吉。

  • 2012年10月に原作本を読んで、こう書いた。
     @
    大傑作。10年近く積読にしていたことを反省する。
    訳者が解説している通り、いろいろな読み方ができる。
    感情を排した双子のハードボイルドともいえるし、
    戦争下で抑圧される少年の話でもあるし、
    大人たちの滑稽や醜さを見つめる寓話でもあるし、
    不条理に対する人々の反応の群像やケースでもある。
    しかし一番心惹かれるのは、徹底的に感情を表さない文体。
    双子はいろいろな出来事(性や暴力に関するものが多い)を見つめるが、事実しかその日記に書き記さない。
    この文体が、感情を持たないサイボーグのような印象を与えるし、
    時々(アクションによって)垣間見える双子の感情に胸打たれる。
    双子は彼ら独特の「●●の練習」によって逞しく生き延びるが、
    やがて戦争は進み周囲の人間たちが悲劇に見舞われる。
    双子はどんな気持ちでその死を見ていたのか……。
    思うだけでぞっとする。
     @
    その後映画「グッドナイト・マミー」や服部まゆみ「シメール」や(ゲームボーイアドバンス「マザー3」や)から連想してきた、いわば【双子ものの泉】のような存在として君臨し続けている小説。
    の、映画を見た。
    個人的には双子はもっと幼いイメージでいたが、実際に映像で彼らの【眉をしかめ嫌悪を浮かべた顔】を見てしまうと、イメージは容易に塗り替えられた。
    序盤、双子がくっついて寝て、眼醒め眼を開くのだが、頬を寄せ合っているせいでひとつの顔にも見える、そこだけでもう、作り手の人わかってるー、と癖を共有できたような喜びを抱いてしまう。
    基本的には原作と同じ筋。
    映像になって連想したのは、
    ・「白いリボン」……打擲による教育。戦前のヨーロッパあるいはカトリック的な抑圧教育について。
    ・お祖母さんは、マツコ・デラックスそっくり。
    ・原作では舞台はあえてぼやかされていたが、映画の将校ははっきりとナチス。ジャン=ピエール・ジュネ常連のドミニク・ピノンっぽい。
    ・父母との幸せな記憶があるからこそ、終盤の展開はつらい。
    原作は3部作。「ふたりの証拠」「第三の嘘」にも手を出す頃合いかもしれない。

  • ドイツ映画
    暗かった お婆ちゃんの口の悪さにビビった

  • こんなパッケージなのか?
    ごちゃごちゃで残念

  • 日記がコラージュで表現されているところが、よかった。
    原作の雰囲気は壊されていなかった…!
    また観たい。

  • 期待度上げすぎたのかイマイチピンとくるものがなくて。

  • ヨーロッパ映画特有の静かな雰囲気でした。
    原作が有名らしいですが、映画はもう一息というところ。

  • 2015/6/20 悪童日記というから もっと残虐な事を仕出かす双子の兄弟と思いきや…戦争の中にあって 酷い環境の中で逞しく生きていく 双子の兄弟だった。しかし、怖い感覚の映画でした。
    双子の整った顔で 瞳が物言う この、よく出来た2人をよく探したもんだなぁと感心した。ラストは
    とても 悲しい終わり方 余韻を残し どーなるんだろうと その後の経過を知りたくなるような 終わり方だった。親も親だなぁと思う部分は 子供達が理解して 怖かった お婆さんの元で逞しくなってゆくのは環境に慣れていくという形で 賢い子供達 2人だから頑張れた部分あったんだろうけど…最後の別れが虚しい感覚残る映画でした。

  • 原作が好きで公開時に観たくて観たくてしょうがなかった映画。
    でも映画館で観なくて正解だったかも。
    でも1度観れば十分と言うには語弊がある。原作がすごすぎるから。あれを超えるのはきっと無理なんじゃないかな。
    おしいと思う。静かでとてもいい映画。そういうわけで星3つ。

  • 双子の男の子の顔つきが本当に変わっていって、最後のシーンは鳥肌がたつくらい鋭くて強い顔になっていたことに唸らされた、、小説は読んでいないのだけど、小説を元に作られたという浦沢直樹のモンスターも大好き

  • トレーラーのできが良く、不気味さがあると予想していたのだが、実際にみてみると、思ったよりスカスカで、期待はずれだった。「悪童」であるなら、単に放火したり、地雷死させたオヤジの背中の上を歩くとかだけでなく、もっと残虐のかぎりをつくして欲しかった(直接描かないにしても)。

    ばあちゃんが、なぜ「魔女」と呼ばれるのか最後まで分からなかった。





    【ストーリー】
    第二次世界大戦末期の1944年8月14日。双子の兄弟(アンドラーシュ・ジェーマント、ラースロー・ジェーマント)は母親に連れられ、村人から“魔女”と呼ばれる祖母(ピロシュカ・モルナール)が暮らす国境に近い田舎へ疎開する。母親と別れた兄弟に与えられた仕事は、薪割りと水汲み、そして鶏や豚への餌やり。祖母の家の敷地には川があり、その先は外国だった。やがて仲良くなった隣家の少女と一緒に、町の酒場で寸劇などをして小銭を稼ぎ始める。また、森の中では兵士の遺体を発見し、そこから武器を盗む。その一方で、母親が自分たちに送ってくれた物資を祖母が隠していたことを知る。いつまでも迎えに来ない母親を忘れるため、精神を鍛える訓練で母の手紙と写真を焼き、残酷さに慣れる訓練として虫や魚などの生き物を殺す。兵士の遺体から奪った手榴弾を司祭館のストーブに投げ入れた兄弟は、女中に大火傷を負わせたことから警察に連行され、拷問を受ける。2人を助けたのは、祖母の家の離れに住む外国人将校だった。戦争が終わったとの噂を耳にして、祖母と一緒に収容所を見に行くが、そこには何も残っていなかった。そして、外国語を話す軍隊がやって来る。その戦車に乗せてもらった隣の女の子は、死体になって帰ってきた。死にたいと言う女の子の母親の求めに応じて、家に火を点ける兄弟。やがて、赤ん坊を抱いた母親が車でやって来るが、空から落ちてきた爆弾で赤ん坊とともに命を落とす。2人の遺体を埋めていた祖母が、発作を起こして倒れる。そこへ、兵士として戦っていた父親(ウルリッヒ・マテス)が現れ、墓地に埋葬するために母の遺体を掘り起こすが、その際に赤ん坊の存在を知る。そして祖母が亡くなる。言われた通りに祖母の遺体を清め、母親の隣に埋めた兄弟は翌朝、逮捕を逃れるために逃亡を図る父親を国境の鉄条網へと案内する。だがそれは、2人にとって“別れ”という最後の訓練でもあった。

    第二次世界大戦末期、疎開先の過酷な生活の中で大人たちの残虐性を目の当たりにした双子の兄弟が、次第に暴力を学びながら、逞しく生き抜いてゆく姿を描く。

    世界中に衝撃を与えたアゴタ・クリストフのベストセラー小説の映画化。主演は本作がデビューとなる双子の兄弟、アンドラーシュ・ジェーマントとラースロー・ジェーマント。

  • 映画館にて。

    http://akudou-movie.com

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