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- / ISBN・EAN: 4988001771678
感想・レビュー・書評
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自身の経営するプラスチック工場の業績が好調で、新しく建てた家もすっかり気に入った様子のアルペル夫妻。しかしその息子のジェラールは、そんな両親の様子も、新しい家も気に入らない。そんなジェラールが好きなのは、母の弟であるユロ叔父さんと遊ぶこと。しかし両親は、仕事もせずふらふらしている叔父さんが、息子と仲がいいことが気に入らないようで……。
ジャンル的にはコメディ映画なのですが、笑わせてやろう、という気概よりかは、どこか気の抜けた笑いを感じるところが多く、こっちもまったり見れた気がします。
話の起伏はほとんどなく、叔父さんとその周りの人の日常を描いているといった感じ。そのため序盤は退屈に感じるところもあったのですが、映画の空気感に慣れてくると、映画を見終えてしまうのが寂しく感じてしまいました。
叔父さんは映画内ではほとんどしゃべりません。それでも動きと、場面全体の絵面だけで可笑しさを演出するのはすごい! なんとなくチャップリンの映画を連想させます。
個人的に気に入っているのは、アルペル夫妻がホームパーティーを開く場面。そこに叔父さんも参加するのですが、踏み石と間違えて、池に浮いている葉を思いっきり踏んで靴をびしょ濡れにしたり、
水道管に穴をあけてしまい、水が間欠泉みたいに吹きだそうとするのを、足で抑えてごまかそうとしたり……。
ここで、叔父さんの動きだけにスポットを当てるのではなく、カメラを引いて、周りの人が叔父さんの動きに気づいていない、つまり叔父さんだけが右往左往している姿が映るのですが、それが余計にクスリとさせられます。
同じことは映画全体にも言えて、終始カメラが引き気味で全体を映すように撮っているので、場面ごとの絵面の面白さが伝わってくるのです。
決して大笑いするコメディではないのですが、所々でクスリとさせられる、監督のセンスの良さを感じる映画だったと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示