女ことばと日本語 (岩波新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • すごく乱暴に要約すると、女言葉は女性自身が発していた言葉ではなく、明治から戦時中にかけて政治的に作られたということになる。確かにそういう側面はあるかもしれないが、読んでいて、納得しきれなかった。最大の理由は、文章上の女言葉が、実際に口頭でも使われているかというところだと思う。書き言葉と話し言葉は、今でもずいぶん違っていて、それは女性だけではなく、男性も違うと思う。明治時代の文章として残っているからと言って、その時代に使われていたのかは推測でしかない。もう一つの理由は、女言葉についての評価が一貫していないことだと思う。書生言葉を使う女性は堕落していて、女言葉を使う女性が上品という説が披露された少し後に、女言葉は堕落しているという説明が入る。もちろん、時間経過によるものとは思うけれど、結論ありきで例を探してきているように見えてしまう。女言葉という視点からではなく、江戸時代から戦時中まで、日本という国は女性をどう扱ってきたかを説明する本として読んだ方がいいように思う。

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著者プロフィール

関東学院大学教授

「2021年 『「自分らしさ」と日本語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村桃子の作品

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