天使の蝶 (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

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  • イタリアで出版されたのが1966年だが、古さを感じさせない短編集。確かにいくつかの発明品については、現在の技術に似ていたりもするけれど、それで面白さを損なうことはない。著者はアウシュビッツの生還者であり、経験をもとにした作品も書いているとのことだが、この本の中では、時々、ドイツやムッソリーニへの批判が顔を出すけれど、全体的には軽快なSF。15編中6編は、NATCA社の営業マン、シンプソン氏が登場する作品。星新一作品のエヌ氏のような存在な気がする。スマートなSF短編が好きな人におすすめの一冊。

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著者プロフィール

1919年、イタリア・トリーノ生まれ。トリーノ大学で化学を専攻。43年イタリアがドイツ軍に占領された際、レジスタンス活動に参加。同年12月に捕えられ、アウシュヴィッツ強制収容所に抑留。生還後、化学工場に勤めながら作家活動を行い、イタリア文学を代表する作家となる。その円熟の極みに達した87年、投身自殺を遂げた。

「2017年 『周期律 新装版 元素追想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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