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感想・レビュー・書評
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中学生になる息子に読ませてみようかと思って再読。まあ、以前に読んだ時も思ったし、きっと何度読んでも思うんだろうけど、破天荒な生き方。ただ、これを羨ましい気持ちで見てしまうのは、どこか自分で枠を作ってしまっている、ボーダーの向こう側に行こうとしていないからなんだろうなと。正直、語られる本や文化などの内容が、息子には少し背伸びな内容かと思うけど、まだ短い人生とは言え、その半分以上を海外で育ってきた彼なりに、何かを感じたり考えたりするきっかけになるかもな。よし、読ませてみよう。
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同い歳の作者がどのように生きてきたのか、興味深く読んだ。そして海外に興味を持っている娘に誕生日プレゼントとして渡した。
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お子さん3人を全員、東大理Ⅲに入れた「佐藤ママ」が話題だが、ご本人のテレビ出演での話を聞いてみれば、どういう人生を設計するかの一つの冷静かつ現実的な選択だった。努力できる範囲の選択はを自分でコントロールしようとするその価値観は、学ぶべきところがあると思った。◆翻って、この本の著者、ヤマザキマリさんは、お母さんの敷いてくれたレールが「大自然と旅、そして書物が、娘を育むための大事な要素」というもの。「世間の壁や経済的困難に直面することになっても惑わされない意志が身につくよう育てよう、まずは世界の、地球の広さを教えてあげよう、というのが教育方針だった」。世界をめぐる旅と、その折々に読み影響を受けた本で、著者の半生を振り返る一冊。◆著者はもちろん、映画化もされた漫画 『テルマエ・ロマエ』 の作者。彼女がなぜあの漫画を生み出すことができたのかも、この本を読めば、なるほどと思わされる。イタリア、温泉、漫画、のどれもが、彼女の人生を形づくっていたのだ。◆各章には、人生のエピソードとともに、必ず「本」が紹介される。したがって、ヤマザキさんの経験に驚いたり、感心したりするだけでなく、説得力のある読書案内として読むこともできる。彼女の語る人生への深い考察は、この本を、表紙の楽しげなデザインよりもずっと重みのあるものにしている。(K)
紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2016年2月号掲載 -
『単純に地球があって、太陽があって、この環境の中で生きていける生命体として、私たちは命を授かったのだから、まず「生きてりゃいいんだよ」これが基本。
生きてていいから、生まれてきたんですよ。』
ヤマザキマリさんは漫画も他の著者も見たことがなく初見。
この本で本当に大好きになってしまった。
心が洗浄される宝物箱のような本。
私もこんな素敵な感性の人になりたい。
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筆者はイタリアを始め、さまざまな国で生活や旅をしており、色々な人と出会い、たくさんの本を読み、とても激しい人生を送ってきた。
死を思うほどのどん底まで落ちた辛い時期もあったが、それを乗り越え、「月がきれい」と日常や自然の美しさを幸せに感じられるほどの喜びを手に入れた。
最後の章の文章がとても心をうった。この文章は何度も読み返した。
『だから思うのですが、みんな、持っている地図のサイズを変えてみたらいいと思うんです。基本にする尺度を変える。
自分が暮らしている町でもなく、国でもなく、自分が生きているこの地球、この地球で生きているありとあらゆる生き物、そういうすべてを含んだ宇宙、そこまで地図を広げていったら、ものの考え方や見え方も変わるんじゃないか。
単純に地球があって、太陽があって、この環境の中でいける生命体として、私たちは命を授かったのだから、まず「生きてりゃいいんだよ」。これが基本。
生きてていいから、生まれてきたんですよ。
それなのに、なぜ生きていくのかとか、仕事がどうとか、人間関係がどうだとか、私にいわせれば、そんなものは、あとからなすりつけたハナクソみたいなものです。』 -
14歳の一人旅のエピソードが印象的。守られていた世界を出て、誰にも頼れない状況でこそ、人は自分で考えて行動するし逞しくなる。私自身、これまでの海外一人旅で感じたこと、経験したことが今の自分をつくっていると実感する。日本にいると均一的な価値観に気づかぬうちに流されてしまっているところがあるから、ヤマザキマリさんの『地球規模で生きる』ことを時々思い出したい。
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ヤマザキマリさんもハウサーだったのか。遠い異国で、まったく違った生活をしていても、同時代。