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感想・レビュー・書評
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ガルシィィィィン!!!どんな業を背負わされたらこんな話を書けるんだ!最初から最後まで絶望しかねーじゃねーか!と叫びたくなる短編集。収録されている短編は、「赤い花」「四日間」「アッタレーア・プリンケプス」「めぐりあい」「信号」「ナジェジュダ・ニコラーエヴナ」の計6編。
ロシアにおける精神病院小説の先駆けと言える表題作「赤い花」も好きだし、「四日間」の戦場を追体験しているかと思う程のリアリティには脱帽するし(横たわる瀕死の主人公が眼前に捉える巨大な草や虫、そして土の香り。まさに同じ状況を生きながらえた筆者の実体験をなぞる事ができる)、「アッターレア・プリンケプス」の短い寓話の結末も痛切で印象深いし、「信号」で貫き通される正義には納得感しかないし、何よりロシア文学っぽさ満載の「ナジェジュダ・ニコラーエヴナ」で締められている点が最高の高。
この作者はあまりにも純真で、正し過ぎたんだろうなぁ。彼の求める世界と現実にはあまりにも乖離があり過ぎる。それを分かっていながら、せめて自分が筆を持つ小説世界では夢を見れば良かったのに、そこでも結局リアルを追求したのは何故だったのだろう。夢に逃げれば心を壊す事もなかっただろうにな。「信号」だけ他と少し毛色が違うけど、そこでも結局最後まで悪の根は絶やされないままだしな…。もっと楽な生き方もあったと思うんだ。痛ましい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ガルシン、という作家は全く知らなかった
好きになる人はたまらなく好きになる、と解説にあった
短編集なのだが、とてつもなく長かった orz
そう感じたということは、全く気が合わない作家なんだろう
最後の「ナジェジュダ・ニコラーエヴナ」まで行ったとき、「やれやれ、これで最後か」と思ったのだが、Kindleの%を見て、それが47%だった時の絶望感たるや……
それでも期待をかけてみたのだが、話がさっぱり分からず、ただただ苦痛だった -
二葉亭四迷の翻訳が素晴らしいのか、まったく文体がノイズにならずに、一気呵成に読んでしまう。特に四日間。戦争や生と死の際という極限状況を、神という超越よりも人間の心身そのものの苦しみのほうに主眼に置いて描写している。
そこが、非常にリアリズムがあっていい。