ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ 日本人が知らない100の疑問 (SB新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 世界史と地理に立脚した現代ニュースの解説本

  • 良書と思う。

    「本書は 、一般の方々が国際ニュ ースを見て 、疑問に思うであろう 1 0 0のポイントを取り上げ 」「世界史とからめて」「国際ニュ ースの 『本質 』を読み解く」為のヒントを提供する。
    例えば、「なぜ、ドイツ経済だけが好調か?」というポイントについては、ユーロ安による輸出の増加といった卑近な事象を挙げるのではなく、「プロテスタントは 、寄付金集めに熱心なカトリック教会を否定し 、勤労や蓄財を罪と見なさない 」と、その答えをルターの宗教改革まで求める。一方、ロシアが経済大国になれないのは「ギリシアからロシアに広まった正教会 (東方教会 )は 、もともと原罪の意識が希薄なのです 。そういう意味で 、 『何かを一生懸命やらなければ 』という切迫感が乏しい 。だから 、カトリックとは違う理由で 、勤労意欲も希薄なのです」と説く。
    経済問題に宗教を絡めるのは、こじ付けぽさがないでもないが、国と国民の成り立ちを考える上では必要だ。
    要は、それぞれの国が直面する問題には、その国独特の理由があるのだ。
    また、ウクライナ紛争を例に取り、「これまでの世界を振り返ってみると 、主な紛争は 、異なる文明圏の 『境目 』で起きてきた 」とハンティントンの 『文明の衝突 』の一節を紹介する。
    極論を言ってしまえば、世界中のどんな事件も文明と宗教の違いに端を見いだすことができると、本書から理解できる。

    本書の楽しみ方は、1度通読してから目次にある100のポイントの答えを再考すること。例えば、イスラム国はなぜ世界的遺跡を破壊するのか?誰でも納得できる答えを本書は準備している。

    若干無理っぽい議論もあるが、面白い本。新聞を読むのが楽しくなる★4つ。

著者プロフィール

茂木 誠(もぎ・まこと)
ノンフィクション作家、予備校講師、歴史系 YouTuber。 駿台予備学校、ネット配信のN予備校で世界史を担当する。著書に、『経済は世界史から 学べ!』(ダイヤモンド社)、『世界史で学べ! 地政学』(祥伝社)、『超日本史』 (KADOKAWA) 、『「戦争と平和」の世界史』(TAC)、『米中激突の地政学』(WAC 出版)、『テレ ビが伝えない国際ニュースの真相』(SB 新書)、『政治思想マトリックス』(PHP)、『「保守」 って何?』(祥伝社)、『グローバリストの近現代史』(ビジネス社・共著)、『バトルマンガ で歴史が超わかる本』(飛鳥新書)、『「リベラル」の正体』(WAC 出版・共著)など。 YouTube もぎせかチャンネルで発信中。

「2022年 『ジオ・ヒストリア 世界史上の偶然は、地球規模の必然だった!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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