バウルの歌を探しに バングラデシュの喧噪に紛れ込んだ彷徨の記録 (幻冬舎文庫) [Kindle]
- 幻冬舎 (2015年7月3日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (282ページ)
感想・レビュー・書評
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解説で高野秀行さんがほめている、というのをこちらのレビューで読んで(たまもひさん、ありがとう)、それはぜひ読まねば!と。いつもいうようにわたしは旅、それもバックパッカー的な旅はまったくしないし、するつもりもない(たぶん無理なのでー)し、とくにこういう「歌」に興味もないんだけれど、おもしろかった。すごい旅をしてるんだというようなこれ見よがしなところがなく、自然に淡々と、でもそのときどきの興奮や感動がちゃんと伝わってくるところがいいな、と。
おりにふれて語られる、国連につとめていたのをやめた経緯や思いも興味深く読んだ。(……わたし自身が、海外に旅するとか海外で暮らすとか働くってことに興味はあるけれども、到底できないと思っているので、実際にそうしている人の話が好きなのかも……)もっとこの著者の本を読んでみようと思う。 -
衒いのない文章を書く川内さん。どの本も良いがこのバウルの本は最高でした。
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一緒にバングラデシュを旅しているような気持ちになって面白かった。個人的に知人を訪ねてダッカに行ったことがあるが、その時のことも思い出した。
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川内さんとともにバングラデシュ バウルの旅をさせていただいた気持ちになりました。
ヒンドゥーとイスラム、イギリスの植民地支配をされた背景をもつバングラデシュだからこそ、バウルがうまれたのかなぁ。
富山でバングラデシュの方といえば、射水のゴメスさん。とても気さくで優しい方で、この中で出てくる人懐こいバングラデシュ人たちと重なる。 -
タイトルからバングラデシュの旅行記のようなものを想像していたが、ガチで「バウル」と呼ばれる修行者のような人たちを訪ね、その哲学や歌に込められたものを探る旅の顛末だった。バングラデシュが親日国だということもあるだろうが、ベンガル人達の優しさにも溢れ、期待以上の内容。ダッカにしか行ったことがないが、一度訪れただけでは全く感じることのできなかったバングラデシュ、ベンガル人の様子が知れて大変よかった。僕は毎日カレーでもいいし、ビリヤニも大好きだ(一時期毎日ランチはビリヤニだった)。
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国連に勤めていた著者が、国連を辞め日本に戻り、バングラデシュにバウルという歌を探しに行く。探しに行く旅とバウルの思想が絡み合う。さすが、新田次郎賞の受賞作。
わたしもバックパッカー的な旅は絶対ムリな口です。お布団で寝たいし、お風呂に毎...
わたしもバックパッカー的な旅は絶対ムリな口です。お布団で寝たいし、お風呂に毎日入りたいし。
でも、だからこそなのかもしれないけれど、自由な旅をする人が好きですねえ。
川内さんの「パリの国連で夢を食う」もとても良かったです。