月と雷 (中公文庫) [Kindle]

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  • 中央公論新社
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感想・レビュー・書評

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  • 普通じゃない境遇と環境で育った男の子と女の子。大きくなってもどこかゆがんだ、何か欠けた・・・。だからといってしあわせになれないとは思えないんだけど。
    母直子の影響力が大きすぎる。この小説は直子がキーになっているとは思うんだけど、結局なんだったのかよくわからなかった。直子の流されているだけのような生き方にもそれなりの信念があったのか・・・?そうは思えなかったし、直子の生き方に共感もできず。

  • けっしておもしろくなかったわけじゃなく、けっこう引き込まれて読んだ(やっぱり角田さんて読ませると思う)んだけど、うーん、どういうわけか、ちょっとどう読んでいいかわからないという感じだった。あんまり共感とかできないし。
    親が出ていっちゃったとか、他人の家を転々として暮らしたとか、子どものころから普通の生活をしてこなかったっていう境遇だと、大人になっても普通の生活ができないような感じになっちゃうのかな。逆境にもめげず、いい出会いがあって人生いい方に進んだ、って話もよくあるけど。 現実はそうもいかないものなんだろうか。正直、なんだか読んでいて気が滅入ってきた。直子みたいな、一生、浮かばれないような人生ってどうなんだろう、とか思って。でも、なぜかラストは、さわやかですがすがしいような感じもした。これもまた人生、ってことなのかなあ。
    角田さんて、子どもが普通ではない暮らしをする話が多いような気がするんだけど。そうでもない?

  • どんどんと不思議な世界に連れて行かれ気づけば読み切っていた。
    全ての人物に嫌悪感を感じながら、自分は殻の中だけで生きてることも感じた。

  • 「普通」じゃない環境で過ごしてきた人達を小説を通してみて、「どこに向かっているのか」人生の選択の中で、いろんな人と出会って、影響受けて与えて、また選択して、人一人が生まれ生きるだけにどれだけの繋がりが影響があるんだろうとじんわり考えさせられた。角田光代はやっぱり面白い。

  • 「普通」になりたいはずなのに、「普通」ではない行動を選択し、あてどもなく漂流する大人達が描かれている。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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