冒険歌手 珍・世界最悪の旅 [Kindle]

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  • 山と溪谷社
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感想・レビュー・書評

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  •  椎名誠が絶賛、していたように思う。角幡唯介がまだ大学の探検部に所属していた頃の話で、著者とユースケ(角幡のこと)と隊長の藤原一孝の3人で日本からヨットでニューギニアへ、そして現地での大冒険・・のはずが。

     著者は本屋でふと目にした雑誌「山と渓谷」にあった「日本ニューギニア探検隊 隊員募集」の広告に反応。ヨットも登攀も全くのど素人、何しろ彼女はプロのミュージシャン・・・にも関わらず採用されてしまうのは、ユースケと彼女以外に応募者がほぼいなかったからか? 少しの訓練を経ていざ大海原へ・・・・。
     いきなりの嵐から始まる「探検」。未踏の山に登るはずが登れず。いつの間にか目的が幻の犬・タスマニアンタイガー探しになり、愛想を尽かしたユースケは途中で帰国し、1年以上続いた探検は、結局公には大した成果も果たせず、隊長と二人でヨットで日本へ戻る。

     現地の人々に裏切られ、あるいは友情を喜ぶ。技術は未熟なのに、岸壁に取り付き、ジャングルを歩く。

     女性が探検するって、そうだよな、それあたりは特に大変だなという話も。「その辺り」については是非読んでいただきたい。

     後日談も面白い。とにかく破茶滅茶な人だなー。

     決して大昔の探検ではなく、2000年代の話なんだからすごい。

  • 「事実は小説よりも奇なり」というフレーズが思いつく、ノンフィクションを読む醍醐味が味わえる作品。

    「クレイジージャニー」が好きな人なら絶対に読んで損はしないと思う。

    あんな過酷日々の中でよく日記を書き、その日記が無事に残っていたもんだなぁと感心するばかりです。

  • 歌手としての峠恵子氏をまったく知らなかったが、本書を読み終えて非常に興味が湧いてきた。
    世の中大変な人がいたもんだ。

    ヨットでのクルージングはいつかはしてみたいと思うが、こんなにゲロゲロ吐かないといけ無いのはちょっとやだな。

  • 友達に面白い本があると言われて、積読してあったがこのGWに読んでみた。
    なんだろう、この破茶滅茶な冒険… そして、こんな体験って、自分ではでき無いよなというワクワク感。
    カッコつける感じが全くない文章。文章から得られる大事な事は少なそうなのだが、生々しい文体から得られる充実感のような物は素晴らしい。 自然との戦い、生き死に、現地人との協力と詐欺、危険と病気、借金と賄賂、不満と感動などなどが織り交ぜられていて、歴史物を読んでいるような錯覚も。

    後日談も面白い。着岸手前の定置網に引っかかる話なんて、油壺でボート釣りした事ある自分に取ってはイメージつきやすかったし、隊長の隠し子?が迎えに来てたなんて隠し玉もあったなんて。更に、波動療法医師の妻に出会ってすぐになっちゃうあたりの破天荒さもいい感じ。
    個人的に、西洋の医療だけではない物【代替医療的な物】を調べてみたいと思っていただけに個人的にはタイムリー

  • 『冒険歌手 珍・世界最悪の旅(山と渓谷社/峠恵子)』を読んだ。2004年発行の『ニューギニア水平垂直航海記』(小学館文庫)を加筆修正したものだが、今改めて読んでもかなり面白い。
    主題となる旅は四人で始まるが、早々に元自衛隊のコーちゃんが脱落する。屈強な男も船酔いには勝てないらしい。また隊員の一人に当時大学生だった角幡唯介(探検家/ノンフィクション作家)氏がいるのも興味深い。
    旅は最悪のハプニングが続出するが、これはある意味、変人と評される隊長と著者恵子さんの愛憎劇である。衝突を繰り返す二人が、長い旅を終えて交わす言葉は何とも感動的であり、清々しさと共に一抹の寂しさを覚えた。

  • 現代のこの日本に、こんな破天荒な生き方をする女性がいるのか!という本。しかも職業は歌手。 湯壺からヨットで赤道を越えインドネシアへ、マンボメラ川をゴムボートで遡上、そしてカルステンツ山登頂を目指す!という海・川・山の三拍子が揃った冒険もさることながら、登場人物の個性が強烈。よく探検隊が成り立ったものだ。しかも再刊時の加筆部分を読むと実は冒険は始まっただった。。。 信じられないような出来事の数々に諦めずに取り組んでいく姿勢には元気をもらえるけれど、本当にこんな人がいるとは未だに信じられない。

  • 「「人間のどこがおいしかったですか」と聞くと「くちびるだ」との答え」

    波乱万丈の冒険日記。面白いが好きではない。こんな危ない冒険したのすごいでしょ感が嫌だ。犯罪を行為をさも武勇伝のように書いているのはおかしい。さらに、海や山をなめている。この本を読んで同じような無茶をする人間がでないとも限らない。無事に帰って来れたのだからいいではないか、というのは結果論だ。

  • 久しぶりに、この本が終わらないでほしい、著者のこの旅が終わらないでほしいと思った。そのくらいおもしろい。素人がヨットでニューギニアまで行き、誰も登ったことのないルートでの4000mを超える山の登山、また、日本にヨットで帰ってくるという1年にもわたる冒険を、面白おかしく書いている。日本に帰ってからも、この冒険がそうさせてしまったのか、平凡な人生に戻らなかった。平凡な毎日を送っている全ての人におすすめ。

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峠恵子の作品

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