芸能人はなぜ干されるのか?: 芸能界独占禁止法違反 [Kindle]

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  • 鹿砦社
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感想・レビュー・書評

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  • 本書は、北野誠という、かつてそこそこテレビで見たタレントが芸能界から葬り去られる顛末から始まる。芸能界を牛耳っているとも言われるバーニングの実情をラジオ番組で面白おかしく茶化した事で、謝罪会見に追い込まれ、その後露出は著しく減少し、芸能界から去った話である。

    他にも鈴木亜美やセインカミュ、沢尻エリカなどの例が上げられており、理由としてほぼ共通しているのが、所属事務所の待遇に不満を抱き独立や移籍を画策し、そしてそれが阻止されるという流れである。本書は、どちらかというと社会正義的な視点から書かれており、芸能人、タレントと呼ばれる人たちの過酷な労働や事務所による収奪の実態を告発するよう形となっている。華やかな世界に見えて実態は金と権力に支配された魑魅魍魎なドロドロとした世界であることが伺いしれる。

    特にいわゆるバーニング系と呼ばれる系列の芸能事務所は、ドンと呼ばれる周防郁夫が裏の世界とのつながりを背景とした支配構造を構築し、楯突けば報復的に様々な嫌がらせや排除活動が展開されることとなる。よしもと興行やジャニーズも、同じように圧倒的な優位な立場を利用した、支配と搾取を行っているという。

    確かに、そうした側面は否定できるものではないものの、前述の独立や移籍が成功した例もいくつもあることは本書では取り扱われていない。芸能界が一部の権力者によって支配されているような論調は、一つの側面ではあるものの、すべてを言い表せているわけではないであろう。やはり、競争原理も働いており、芸能事務所はTV局などのメディアとのパワーバランスにおいても圧倒的な地位にあるわけではないであろう。

  • 本書は、北野誠という、かつてそこそこテレビで見たタレントが芸能界から葬り去られる顛末から始まる。芸能界を牛耳っているとも言われるバーニングの実情をラジオ番組で面白おかしく茶化した事で、謝罪会見に追い込まれ、その後露出は著しく減少し、芸能界から去った話である。

    他にも鈴木亜美やセインカミュ、沢尻エリカなどの例が上げられており、理由としてほぼ共通しているのが、所属事務所の待遇に不満を抱き独立や移籍を画策し、そしてそれが阻止されるという流れである。本書は、どちらかというと社会正義的な視点から書かれており、芸能人、タレントと呼ばれる人たちの過酷な労働や事務所による収奪の実態を告発するよう形となっている。華やかな世界に見えて実態は金と権力に支配された魑魅魍魎なドロドロとした世界であることが伺いしれる。

    特にいわゆるバーニング系と呼ばれる系列の芸能事務所は、ドンと呼ばれる周防郁夫が裏の世界とのつながりを背景とした支配構造を構築し、楯突けば報復的に様々な嫌がらせや排除活動が展開されることとなる。よしもと興行やジャニーズも、同じように圧倒的な優位な立場を利用した、支配と搾取を行っているという。

    確かに、そうした側面は否定できるものではないものの、前述の独立や移籍が成功した例もいくつもあることは本書では取り扱われていない。芸能界が一部の権力者によって支配されているような論調は、一つの側面ではあるものの、すべてを言い表せているわけではないであろう。やはり、競争原理も働いており、芸能事務所はTV局などのメディアとのパワーバランスにおいても圧倒的な地位にあるわけではないであろう。

  • SMAP騒動の前に書かれた本ではあるが、あれだけの事態に至った経緯についてもしっかり押さえられており、それだけでも評価に値すると思う。(それにしても本書で描かれる中居くんとキムタクの関係が本当であれば、鳥肌が立つほどの物語だ)。
    一般世間と芸能界・マスコミの間の価値観の違いが明らかになったが、本書は世間側の視点で基本的な「なぜ」という疑問を丁寧に追っている。

  • 圧力に負けずよく書けたと思う。雑学としては面白いが、それ以上でも以下でもない。

  • ほら、最近は流行ってんじゃん、干される話。その流れに乗っておこうと思って。発売されたのは2年近く前ですけどね。

    正直、昔の頃の話は、あまり興味持てなかった。知らない芸能人の話だったり、今とは状況が異なってたりするので、評価もしづらい。なので、古い話は半分くらい飛ばしてます。石原裕次郎とか、分かる人のところを斜め読みした感じですかね。

    まあ芸事の世界は、ほぼ必ず裏の世界とつながっているし、中に書かれている通り、芸人なんて被差別層の仕事だったりしたので、色事とも切っては切れない関係性でもある。

    なので、ヤクザや枕営業の話は「ふーん」という感じでしたけど、モーニング娘。の行は少し生々しかったなぁ。誰か、とかちょっと気になってしまうねwww

    つい最近のSMAPの例を見ても分かるように、日本の芸能界が腐ってる、恐喝と恫喝と締め付けで成り立っているのは周知の事実だと思う。後は下世話な欲望と。良いか悪いかではなくて、それが現実というものなのだろうな、と。それを改めて再確認出来た。

    一方で、アメリカはすごいな、と思った。個人の人権、権利を守るためにちゃんと仕組みが出来上がっている。もちろん全員が全員その恩恵を受けられるわけではないだろうし、またそれだけの権利を主張する一方で成果も求められるだろうし、決して楽な道ではないだろう。でも、仕組み化されているところは、現在の日本が逆立ちしても敵わないところだし、羨ましいとさえ思う。

    日本って、やはり家族や家、組織ってものを重要視しすぎたがゆえに、個人に対する意識が弱くなっているんだろうなぁ。恐らくそうしないと生き残れない歴史的背景があり、それが面々と受け継がれてきた、、、、のか?それって本当か?ちゃんと調べてみたいところではある。

    少なくとも現在のメンタリティは、戦後にある程度は築かれたものではあろう。それはやはり高度成長期の団結ってのが・・・っという話は置いとこう。専門家でもないし。

    ただ、今後はこのような状況は徐々にだがなくなっていくと思う。だって、間違いなく個人の時代に移ってきているのだから。どこかに所属することが偉いのではなく、個人として何が出来るのかが偉くなる時代に変わってきているはず。

    いや、言い方を変えよう。「そういう時代に変わっていって欲しい、変わっていくと信じている」だな。

    そうなれば、会社が用意したマネージャーという制度ではなく、エージェントと契約する、という形態が出てくるはずだ。それが一般的に広がった時、タレントは事務所から解き放たれ、本当に自分の力で稼げるようになるのだろう。

    いつそうなるか分からないけど、インターネットとスマホが真の意味でのエンタテインメントの中心になったら、そういう時代が来るのだと思う。その時代を期待したい。

    当然ながらビジネスパーソンたる僕も、個人で成果を問われることの意識を持っていかないといけないんだけどね。

  • 私もたまたまセールで購入しましたがまさに芸能界でひと騒動あり、なるほどなーと思いながら読みました。

    技術者なので逆に人間本位の芸能界の世界ってどうなんだろう?と興味が湧いて読みましたが、まさに思った通りの世界だったようで驚きました。なんとなく伝え聞いていたようなことも現実味あったんですね。

    芸能人の方って大変ですね。応援したくなります。

  • セールだったので買ったのだが、えらくタイムリーな時期に読むことになった。芸能界の構造を歴史とあわせて書いている。アメリカにおける制度なども詳しく描かれていた。

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