ロシアン・スナイパー [DVD]

監督 : セルゲイ・モクリツキー 
出演 : ユリア・ペレシルド  ジョアン・ブラックハム  エフゲニー・ツィガノフ 
  • アルバトロス
3.48
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4532318410203

感想・レビュー・書評

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  • 原題は「セヴァストポリの戦い」らしい。
    作中終盤の戦いの名前。
    前年にクリント・イーストウッド監督「アメリカン・スナイパー」があったからつけられた邦題だが、生まれは帝政ロシア帝国ウクライナ地方で、ソ連軍の狙撃手として活躍したというから、邦題はやや誤解を生みそうだと感じた。

    2021年末に逢坂冬馬「同志少女よ、敵を撃て」で知り、興味を持っていた映画だが、2022年4月現在複雑な気持ちで見ざるを得ない。

    戦争映画というよりは、伝記映画。
    とはいえドラマチックに描かれていて、そのドラマチックという点が、作品の品位を下げているように感じた。

    序盤はいい。
    リュダがどんな人だったか、当時のウクライナ地方がどんな雰囲気だったか。
    オデッサで海水浴するシーンがあるが、この海って黒海なんだな、とか。
    中盤の戦闘シーンも、新しい映画だけあって、クッキリ戦場が描かれ、凄みを感じた。
    特に大砲が塹壕にずり落ちてくることで生じる混乱とか、新鮮に感じた。
    思い返せば序盤、色が鮮やかで、モノクロで思い描きがちな世界大戦直前を、カラーでビビッドに映像化した上で、戦場は明度を落として灰色と茶色と血の赤、というカラーコーディネートがよかったのだと思う。

    が、中盤から終盤にかけて、悪い意味でまんまプロモーションビデオっぽい音楽と映像が急に差し挟まれてから、「まるで戦場ラブワゴン」と悪意的に言ってしまいたくなるような「ラブラブ」と「乗り換え」が行われる。
    ここ、伝記映画というには怪しい、過度な脚色が行われていると思うのだが……。
    もちろん「同志少女よ、敵を撃て」で主張された「生き甲斐」に関わる事柄、さらにスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ「戦争は女の顔をしていない」でも多分に出てくる「戦地の恋」は、極限下での人の営為としてあることなので無碍にはしないが、
    それにしてはPVっぽすぎるので、任務の過酷さを抜いてラブラブしているなーしかも友人の不幸もタネにしてラブラブするんだなーという、嫌な感じすら覚えてしまった。
    ハリウッド式プロパガンダという嫌なフレーズすら浮かんでしまった。
    そのあたりが惜しい。

    考えてみれば前半がいいなと感じたのは、主演女優の表情が好きということに尽きるのかもしれない。
    ユリア・ペレシルドというお名前。
    キャリー・マリガン、エミリー・ワトソンに少し似ている顔。

    パヴリチェンコの興味掻き立て度合いというなら、教官になった上で重要な場面で重要なことを言う「同志少女よ、敵を撃て」のほうが、本作を包含して、上かもしれない。

  •  実在するソ連の女スナイパーを描く。

     主演の女性は難しい役どころをうまく演じていると思う。美して強くて儚い。
     戦場では突然人は死んでいく。一流のスナイパーになってしまうと、軍部の色んな思惑で思うように生きれないのは切ない。
     ただ、話としては少し単調に感じたかな。話としては反戦色のはずなのにその色を出しきれない感じがいかにもロシアっぽいか。
     しかし、彼女本当にホワイトハウスに招かれてるんだねぇ。すごい。

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