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感想・レビュー・書評
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ヒューゴー/ネビュラ両受賞中編(ナノテクノロジーを扱った最初のSF小説)の長編化▲自分の白血球をもとに、コンピュータ業界が切望する生体素子を完成させた。人類の存在そのものを脅かすことに…▼『Hellsing』を読み、こちらを再読したくなり手に取る。個人的には人類補完計画の元ネタだと思ってきた。オリジナルは、いまで言うバイオホラーから厨二病展開の前半部か?このオマージュ作も多々ある。が、一見冗長に感じる後半が、色々なジャンルにおいて、お約束として昇華されたネタ。さすがオールタイムベストの一冊だ(1985年)
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基本的にはウラムという生物工学者が知的細胞《ヌーサイト》をつくり、それがパンデミックになり、群知性を発揮してアメリカ大陸に粘菌コンピュウータのようにはびこり、消えていくという話である。そこに、ヨーロッパに脱出した神経科学者バーナード、ニューヨークで生き残ったスージー、そしてウラムの母、エイプリルなどの人生がからんでくるという話。
人類がヌーサイトの群体に記憶されて情報存在となるから、これが人類の新たな段階で、《幼年期の終わり》との類似点が指摘されるのだけれど、はたして〝ブラッド・ミュージック〟に同化していくという段階こそが、何か現実を受け入れたくない〝幼年期〟のような気がしてならない。
脳は内と外とのずれによって「現実」を認識していく。内側の観測視点だけで宇宙が変化するとは思えない。人類が生まれる以前にも物理法則はあったであろうから。
訳はよみにくい。 -
おりしも、本作を読んだ2020年2月は、新型コロナウィルスが猛威をふるっている。。。このウィルスに知性があったらと思うとぞっとします。ストーリーはわかりやすく、現代で考えればありえそうな話です。ウィルスの知性の数(人間よりけた違いに多い)が問題なるとは。現代は人間の知性による観測によって事実が収束しているが、それを上回る数の知性が現れたらどうなる。。。想像できません。所詮この世は、幻想ですものね。