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- / ISBN・EAN: 4988111291196
感想・レビュー・書評
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高校生の芳山和子は、学校の実験室で白い煙とともに立ちのぼったラベンダーの香りをかいだ瞬間、意識を失い倒れてしまう。それ以来、時間を移動してしまうような不思議な現象に悩まされるようになった和子は、同級生の深町一夫に相談するが……。
初めて「時をかける少女」を観たのはテレビドラマでだった。タイトルは「タイム・トラベラ―」、胸をときめかせながらテレビの前に30分陣取ったのが思い出される。ラベンダーの香りを嗅いでタイムリープする和子や深町君(ケン・ソゴル)の世界に憧れた。
テレビでオンエアーされるのを知り録画。亡き大林監督が1984年に製作し尾道三部作といわれている。先日観た「wの悲劇」もそうだが、このころは育児に追われていて読書も映画も空白期間となっている。主題歌は良く耳にしていて懐かしく思い出された。
先ず画面に、36年前の若い原田知世、尾見としのり、岸部一徳、根岸季衣らが映っているのを観ただけで、タイムスリップしたように感じたのに思わず苦笑い。しかし撮影地となった尾道や竹原市のノスタルジックな風景にのせて青春時代の甘酸っぱさが甦った。
後半部に和子が過去をめぐる特撮ショットは、映画技術が発達した現代から比べると、一見ちゃちにも見えるがうるっとさせられた。
「タイムリープする能力なんかいらない普通の女の子に戻りたい」と願う和子に、深町はくれぐれも時の放浪者にならないようにと釘を刺す。和子は立ち止まるたびに深町から促されるのだが、自らの思春期を回顧する時に立ち寄ってもそこに長く佇んではいけないのだと諭された気がした。若い頃は美しいファンタジー作品と観ていたが、再見して人生の儚さも描いてあったと感じる。上原謙さんと入江たかこさん演じる老夫婦がしみじみと語り合うシーンに心寄せられた。
人の記憶を操作し、さも昔からいたかのように紛れ込み暮らし始め、再び彼らの記憶を消して未来へ去っていく深町、若い頃はクールで非情な奴に思えたが今は受け入れられる。もしかすると彼のような人物が現実の世界に潜み住んでいるのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
特典映像のインタビューで見た大林監督。
眼差しがとても優しくて温かい。
「尾道(映画の舞台)もどんどん開発されている」とほんの一瞬悲しい表情を見せた時なんて何だか泣けてきた。
15歳の原田さんもこんな陽だまりみたいな監督のもとでスクリーンデビューすることができてさぞかし幸せやったんやろなー。
登場人物の会話が小津安二郎作品のものと似通っている。
棒読みと言っちゃ棒読み。
でも監督自身敢えてそうしたって言っていたしまぁ評価とか考えたら勇気のいることだわな。
原田さんに関しては棒読みで良かったと思う。
公開当時(1983年)はStar Warsも封切られていたし劇中にもタイムリープやテレポートとSF要素が登場していたけど、最新技術が使われていないことにまずビックリ。
代わりに風景が細切れに展開されていたけどこれは今見ても新鮮というか自分の知らない世界に放り込まれたような気分になる。
古きよき尾道の景色に、未来を見通すような眼差しの原田さんとSFが合わさって不思議な時間の空間を一緒にさまよっている気分にもなる。
尾道、行きたい!
まずは尾道三部作、制覇したい! -
TVにて
初々しい恋心が素敵だ.映像も今見てもワクワクさせてくれる.