日本の思想 (岩波新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 高校の教科書で「であることとすること」を読み、興味を持って購入してから早10年笑
    久しぶりに読み返すと、当時はしっくりこなかったところも、新たな発見があり、再読して良かったなと思っています。
    まだまだ、理解できていない部分もありますが、少しずつ噛み締めながら、楽しみたいと思います。

  • kindle unlimited。
    論文が二本と講演が二本。論文はほとんど何を書いているのか理解できない。講演はまあ論文に比べれば読みやすいが、「ささら」と「たこつぼ」、「である」と「する」の対比などよくある日本論とどう違うのかわからない。一本目の論文の結論が「強靭な自己制御力を具した主体なしには生まれない。その主体を私達がうみだすことが、とりもなおさず私達の『革命』の課題である」。
    西欧的な強い自我の確立を日本人に求めるのは、知識人の常套句で昭和の時代から令和のいまも変わらない。そろそろ日本人には不可能と認めるべきではなかろうか。

  • 自分には丸山眞男は難しかった…
    でも、この警告は今も昔も変わらない法則なんだろうなと、まさに20年代令和大日本のことなんだろなと。
    「国民は今や主権者となった、しかし主権者であることに安住して、その権利の行使を怠っていると、ある朝目覚めてみると、もはや主権者でなくなっていると行ったら事態が起こるぞ。」と。
    まさに無投票5割越えの主権放棄国家のことですやん。

  • 名著です。

  • 15年以上前のお笑い番組や漫才がまったく笑えないことがよくある。でも会場はドッと笑い声で溢れている。その時代に生きている人たちで共有される文脈があるからだ。この行間に織り込まれた情報(受け手が連想できる情報)が乏しいほど笑えない。響かない。それどころか現代の価値観を通して観ると、怒りを覚えることさえある。

    思想や哲学、社会学でも同様だ。50年以上前の書籍ともなると共有できる情報があまりに乏しい。マルクス主義が経済学だけでなく文学をも根こそぎ変えてしまった、という強烈な時代背景があったんだろうと想像するが、当時の日本のアカデミズムのお熱の入れようを体験していないのでここに熱量込めて語られてもどうしても心が離れてしまう。この問題を「消費期限」というラベルでアッサリ片付けたくはないんだけども、1960年代の日本の論壇について詳しく知りたくなるタイミングまで本書を再び開くことはなさそうだ。

    そう言えば、ファッションや音楽などでは、尖ってた存在ほど逆に最悪に映ってしまうトホホな現象もあるね(あの現象は何ていうのかな?)。多くの人たちに真似される過程でカッコ悪い事例が蓄積され過ぎるからかなぁ。扱いが難しい。

  • 日本のアカデミアがこの時代から蛸壺になる構造的な問題を抱えていること、思いつきのような発表をしている問題について、変え難い事を改めて認識させられる。自分の領域では、講演会で稼ぐのがお仕事の方も多く、COIの問題も山積していると感じる。日本独自の、に始まる○○独自の、というのはアカデミアに限らない悪しき習慣であるとコロナ禍でも感じた。
    社会的な価値を出しづらい分野のアカデミア、実現しない理想を掲げる活動家は、ともすれば仲間同士の集まりになりやすく、閉鎖的になる事も難しい問題と感じる。理想と現実のギャップから生じるある種の認知的不協和が認識の歪みに繋がってしまい得ないかと心配になる。

  • ・明治以降、欧州から持ち込まれた思想・文化・制度などが、いかに日本で受容され、いかに日本のそれらに影響を与えたかについての考察の書と理解。
    ・「ササラの根っこ」を理解せずに「さきっぽ」のみを受容することが生む混乱や、そもそも「さきっぽ」を解釈し、対立からこれを昇華させることのできる”思想的伝統の不在”に対する問題認識を論調の基底としている。
    ・和魂洋才、タコツボ論は耳にすることがあったが、その本質的背景の考察はとても理解をすっきりさせてくれた。

  • 日本の思想
    (和書)2011年03月27日 23:38
    1961 岩波書店 丸山 真男


    佐藤優さん選書の一冊です。

    丸山真男さんはかなり難しい本を書く人だと思い込んでいたのですがこの本に関しては読み易く、興味深い内容だった。

    大杉栄さんを彷彿とさせるところがあり、アナーキストと知識人について感慨を覚えた。

  • 烏兎の庭 庭園案内板(さくいん)
    https://utomin.hatenadiary.jp/entry/2018/06/05/000000#maruyama

  • 今にして読みましたが、思考の奥深さ、透徹さに感銘を受けました。書かれた時代は今やはるか以前ですが、その思考内容は、全く古くなっておらず、現在の状況に通じるものがあります。History repeats itself. 勉強になりました。

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著者プロフィール

1914年大阪に生まれる。1937年東京大学法学部卒業。1940年助教授、1950年教授。1961-62年ハーバード大学特別客員教授。1962-63年オックスフォード・セント・アントニーズ・カレッジ客員教授。1971年退官。1975-76年プリンストン高等学術研究所員。1996年8月15日歿。主要著作『政治の世界』(1952)『日本政治思想史研究』(1952)共編『政治学事典』(1954)『日本の思想』(1961)『増補版 現代政治の思想と行動』(1964)『戦中と戦後の間』(1976)『「文明論之概略」を読む』(1986)『忠誠と反逆』(1992)『丸山眞男集』全16巻・別巻1(1995-97)『丸山眞男座談』全9冊(1998)『自己内対話』(1998)『丸山眞男講義録』全7冊(1998-2000)『丸山眞男書簡集』全5巻(2003-04)『丸山眞男回顧談』全2巻(2006)『丸山眞男話文集』全4巻(2008-09)『丸山眞男話文集 続』全4巻(2014-15)『丸山眞男集 別集』全5巻(2014-)『丸山眞男講義録 別冊』全2冊(2017)。

「2018年 『戦中と戦後の間[新装版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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