Newton 統計の威力: 情勢判断・意思決定の数学 データマイニングからビッグデータまで [Kindle]

制作 : 科学雑誌Newton 
  • 株式会社ニュートンプレス
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  • kindleだと字が小さすぎた。

  • 1. 総論
    Kindle Voyageで問題なく読める。非常に分かりやすい内容が30ページに纏まっており、1時間ほどで概要を掴める。統計に関して多少知識はあるが、ポイントを絞っており復習になるのと、統計を用いた具体的な事例が多く掲載されており、単純に楽しめる。

    2. 引用

    「標準偏差は、「大多数のデータが、平均の周囲のどれくらいの範囲に集まっているか」をあらわす。正規分布では、平均から標準偏差1個分の範囲には、すべてのデータのうちの約68%が含まれる。2個分の範囲は95%、3個分より外側の範囲には99.7%が含まれる。」
    常識かもしれないが、感覚として自分が標準偏差のどの位置にあって、上位何%に入っているかは意識したい。

    「グーグル社は、自社の検索サービスに入力さえた膨大な検索ワードから、インフルエンザの広がり方を地域ごとにリアルタイムで予測することを試みた。そして、インフルエンザ関連のトピックスを検索するユーザー数と、実際にインフルエンザの症状を示す患者数との間に関連性があることがわかったとして、科学誌natureに発表した。現在グーグルは、検索ワードによる毎年のインフルエンザの流行予測を、ホームページ上で公開している」
    事業会社が単純な営利を目的とせずに、統計学を用いて、社会に大きく役立つ研究結果を発表し、しかもそれを毎年一般公開している、というエピソードで、グーグル社員のインテリジェンスの高さと社会貢献の意識に感動した。

    「ロスリング博士が大学の講義で用いたグラフの上を動くソフトウェアは、息子とその仲間たちが作成したもの。TEDで講演したあと、グーグル社の創設者の一人に感銘を与え、グーグル社はソフトウェアを取得し、息子たちをプログラマーとして招いた」
    ロスリング博士の話自体も面白かったが、父親の研究発表のためのプログラムを作り、しかもその出来が素晴らしく、一流企業の創設者に認められた、という内容の息子のエピソードがサラッと書いていたが感動した。息子は父親がアフリカの病気を統計学を用いて解決したのを見て、自分も支援したいと考えたのだろうか。

    「大規模な調査から得られるわずかな差より、規模の小さい調査で発見された大きな差が重要」
    統計学的に有意義な結果が欲しいなら、調査の規模を大きくすれば必ず意味のある結果を導けるが、現実社会で意味のある結果とは限らない。逆に言えば母数だけみれば見るに値する調査なのかどうかがすぐに分かってしまう。

    「数字がなければ世界は理解できません。でも、数字だけでは、世界は理解できないのです。数字や尺度、そして文化や宗教にもとづくものの見方の両方が必要なのです。」
    これはとても汎用性の高い文章で、計数関連の仕事をしている私にとって、まさにその通りだと思った。世界=経営に読み替えてもいいと思う。

    その他、世論調査、回答のランダム化、仮説検定(ランダム化比較実験)などが興味深かった。

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