コーヒーが冷めないうちに [Kindle]

著者 :
  • サンマーク出版
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感想 : 81
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感想・レビュー・書評

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  • 映画になっていて、録画していた(観てません)こともあって、読んでみよう、と思いました。
    ご本人は脚本家なのですね。
    小説というより、脚本に近い印象を受けました。

    ルールがあって、それに沿ってプレイする仕組みです。
    「教室が、ひとりになるまで 」が苦手だったのですが、さらに好みではありませんでした。どうしてそのルールが必要なのか、そのルールによって何が変わるのか。
    過去に戻ってその人の何が変化するのか。
    ツナグのような、人生とは? というものを期待していたので、期待しすぎていましたね。すみません。

    お店に入りました、コーヒーを入れました、ルールを説明しました・・・

    私には趣が感じられませんでした。
    「FLOWER」を読んだときと同じような印象を受けました。

    最後まで読めていません。断念です。
    録画した映画も、きっとみないとおもいます。

  • 不思議な喫茶店が舞台となる、全4話からなる連作短編集。身近なテーマが描かれているため、主人公たちの心情に共感しやすかったです。深い人間ドラマが展開され、感情を揺さぶるストーリーが多く、読んでいるうちに涙があふれ出てきました。さらに、彼らの経験から、自身の過去の扱い方について改めて考えさせられました。
    この作品はシリーズ本ですので、まだまだ楽しむことができるなんて贅沢ですね!
    一気に読み終えたくなる魅力があるので、今から読むことが楽しみでワクワクしています!

  • 映画を見たことがあり、本でも読んでみたいと思って本作を手に取った。
    内容は映画とほぼ同じで、四つの話が入っていて、連作短編となっている。
    どの話も切なくて、最後には少し涙する温かい物語だ。喫茶店が舞台なのだが、ある席に座ると過去に戻ることができ、訪れた人達はそれぞれ後悔したことをやり直そうと過去にもどろうとする、、、

    私が一番好きなのは、平井の話だ。最後の方で、平井が喫茶店のメンバーに宛てたメールでのセリフ「、、、だから、生きている私のこれからの生き方が、あの子の『生まれてきた意味』を創るんじゃないかな?、、」が心に残っている。平井の話を通して、自分が生きている意味について、ただ生きているのではなく、他人によって生かされている部分も少なからずあるんだよなと気づかされたし、人間いつ死ぬか分からないから、生きていることって素晴らしいなと思えた。

  • 正直にいうと、お涙頂戴的な小説は(読者を泣かせよう泣かせようとする小説は)どうも苦手で、この本もずっと先延ばしにしてきました。

    ただ、実際に読んでみると、タイムトラベルというSF的な要素と特殊なタイムトラベルのルールによって、とても軽くなっていることに驚いたし、とても読みやすく思えました。

    感動がじんわり心に染み渡る感じがとても心地よかったです。

  • ずっと気になっていた本。不思議な喫茶店で繰り広げられる人間模様が描かれている。人と人とがゆるく繋がり、何となく支え合っている。
    現実は変わらなくても心が変わる。心が変われば、行動できる。しみじみとほんわか温まる物語。喫茶店でコーヒーが飲みたくなります。

  • 愛する人との過酷なまでの様々な別れといったテーマを、短時間・条件付きの「貴重な時間をとりもどすタイムトラベル」で綴っていく。軽妙なタッチで語られていて救われるが私は第2話と3話が身につまされた。感謝の気持ちを伝えていくことはその人の人生を認めてあげることにもつながるのだろうなということと、これからの選択で「未来は変えられる」こともテーマなのかなと思いました。

  • どの話もとても感動しました。過去に行ったところで、過去は変わらない。でも今の自分を変えることはできる、人間の素敵なところだなと感じました。

  • いい話の集まり

    評価3.8
    kindle 286ページ
    audible 7時間7分

     過去に戻れても結論は変わらないこと、会える人も場所も限定されていることなど需要があるのかなと思わせる立ち上がり。最初の方は繰り返しこれらのルールが述べられる。
     一見きついルールと思われるが、短時間であったことと結果が変わらないというルールがいい方に働く。なるほどこういうこともあるのか。ただし、最後に振り返れば病人や死者がからまない話はこれだけ。普通の日常生活でのいい話は限界があるということかも。
     次は夫婦の話し。最初はアルツハイマーの夫が過去に行くのかと思ってドキドキしたけど、そうではなかった。どちらの思いも非常によく分かるし共感できる。いい話を聞いた。一つ疑問なのは読み書きが苦手という設定が気になる。普通のエリートサラリーマンでもこの話の良さは十分に伝わるような気がする。
     上の話の途中で旅館の姉妹の話も気になったが、これは次の話。どうやら少しづつ登場人物が重なる。若くして不幸な死別の話は感動ではあるが耐え難い。いつ何があっても悔いのないように生きていこうと前向きになるが、若い妹との死別は胸がいたい。
     次の親子の話も心配でしかない。話の流れ的にはにどう見ても亡くなった母親に会いに来ている。そうであればなくなったのは、、、最後は合図が鳴るという伏線まで見えてしまう。と思ったが子供はすでに帰った後で母親がなくなるのは既定路線のように話が進んでいく。できれば母親が生きていると嘘をついてほしかったがどうやら母親が死ぬことはあっさりと受け入れている様子。未来で娘が父親と離れている理由も不明だし、その後会いに来ている話とのつながりも今ひとつ。
     いい話の短編集であったがだんだんとツッコミどころが出てくるのが少し残念。そうは言っても続編は素直に楽しみ。

  • 旅先の空き時間にふと手に取って、そのまま買ってしまった。メモ帳と筆記具も。そうやって買ってしまったA5サイズのノートとペンが、我が家には一抱えもある。

    「泣ける」ことを売りにするっていうのはいかがなものか。
    ちょっとご都合主義の設定なんじゃないの?
    つい、意地悪なことを言いたくなってしまう。
    せせら笑うような気持ちを持ちながら、それでもつい、立ち読みの続きが欲しくて買ってしまって、そしてシッカリ泣かされてしまった。
    心地よい敗北感!

    心の少しだけ奥をキュッと押してくれる。
    超深いところ、ではないのがいい。

    旅先で出た腰痛をなだめたくて駆け込んだ手軽なほぐし処みたいに、
    深く悩まずグングン読んで、ここぞというところでじわっと泣いて、明るい読了感で閉じることができるのがイイ。

    泣くことで元気になれる一冊。
    泣けることに気付けるだけでも、身体に良いような気がする。

  • 英訳版を先に読み終えてから、比較する為に日本語版のこちらを読んだ。英訳版を読んだ時にいまひとつ私の好みと合わない感覚があったが、日本語版を読んでもその感覚は同じだった。もちろん細かい言葉のニュアンスはこちらの方が伝わってきた。タイムトラベルのルール説明の描写がちょっとくどい気もした。4つの話の中なら夫婦の話が良いなと思った。最後まで夫婦であろうとする夫からの手紙が良かった。

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著者プロフィール

大阪府茨木市出身。1971年生まれ。小説家・脚本家・演出家。舞台『コーヒーが冷めないうちに』第10回杉並演劇祭大賞受賞。同作小説は、本屋大賞2017にノミネートされ、2018年に映画化。川口プロヂュース代表として、舞台、YouTubeで活躍中。47都道府県で舞台『コーヒーが冷めないうちに』を上演するのが目下の夢。趣味は筋トレ、サウナ、シーシャ。モットーは「自分らしく生きる」。

「2023年 『やさしさを忘れぬうちに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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