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- / ISBN・EAN: 4988021144827
感想・レビュー・書評
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天才写真家が発見された経緯と謎めいたその生涯を綴ったドキュメンタリー
見どころ
ミステリアスな天才という好奇心をくすぐる人物が生み出した作品の秘密と、その人間性を探っていく。写真のことがわからなくても魅力を感じられる作品群は一見の価値あり。
ストーリー
2007年、シカゴ在住の青年がオークションで大量の古い写真のネガを手に入れた。撮影者はすでに故人で、生前は乳母をしていたヴィヴィアン・マイヤー。彼女が撮影した写真は落札者がブログで公開したことで、世界中から賛辞が寄せられることとなり…
被写体が人であるときその写真は人生のかけらのようなものを切り出していると思う。
ヴィヴィアン・マイヤーが切り出しているかけらは誰が見ても宝石の原石のようなものだと思う。
ノーマンロックウェルの絵と世界観が好きで、よく見ていましたが彼の切り出すかけらにすごく似たような、美しいものを切り出していると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実在したカメラ趣味の女性が、
死後、有名アーティストに。
凄い人は、どんな分野でも
やっぱり物量が凄い。
センスも確かに必要だけど、
経験の量が他を圧倒するから、天才になる。
ドキュメンタリーとはちょっと違うが、
見入ってしまった。 -
本人の写真はすごくいいと思うけど、映画は全然面白くない。
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この映画を観て写真集を買おうと決めた
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写真集、買おう。
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彼女の写真は、他の写真家に劣らないと素人目で見ても、そう思う。写された名もない人々の人生も垣間見えるような写真。これが、気づかれないまま灰になってしまっていたかもしれないと思うと、マルーフという人物に感謝したくなる。
しかし映画を見ていて考えずにいられなかったのは、写真家ではなかった彼女の人生。
多分、家族に恵まれなかった。母の故郷へは行っているのだから、父親に問題があったのかもしれないし、成長した子どもたちが語っているように性的虐待や暴行があったのかもしれない。固く心を閉ざし、生活のため住み込みのナニーをする。しかし、生活は不安定で孤独。若い頃はそれでもよかった。家族や仕事に縛られるのは嫌だった。何より自由が欲しかった。しかし年を取るにつれ不安と孤独が心を蝕んでゆく。多分晩年は殆ど狂気に近かったのではないか。他人事ではないなあ。
若い頃接した子どもたちやその母親は彼女を評価して、晩年の世話までしているのに、年取ってから面倒をみてもらった子供たちは虐待されたという。
彼女の心が少しずつ蝕まれ、ちょっと変わっている人から、変人、付き合えないほどおかしい人に変わっていった様子がわかる。それだけに、晩年に再会した女性が、ヴィヴィアンが助けを求めたのに応じてあげられなかったと後悔する様は胸に刺さった。
彼女にやダーガーは死後ではあるがたまたま見つかって、才能を認められたが、誰にも知られず作品を廃棄、償却された天才はもっといたのではないかと思う。
今はデジカメだから現像もいらず、パソコンかスマホがあればだれでも作品を発表できる幸せな時代だなと思う。
不幸せだからこそ才能が花開いたのかもしれないが。 -
俺もα7の液晶チルトしてローライフレックスみたいにヘソで構えて撮ろうかな。
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人も作品も出会いなんだな、と思った。
膨大なネガを整理し、調査したことに敬意。 -
出てくる写真は素晴らしいです。
どこにでもいる市井の人々の生き生きとしたドラマが伝わってきて、一目で「いいなあ」と感じます。
ただ「なぜ生前作品を世に送り出さなかったのか」の答えを作り手自身が焦って出しすぎなような気もします。「こう見られたい」という部分が濃くですぎてしまったというか。もう少し冷静な脚色の方が好みでした。 -
マルーフがオークションで落札した段ボール箱には大量のネガが入っていた。
ヴィヴィアン・マイヤーが撮ったその写真は世界中で大きな反響をもってむかえられる。
マルーフは無名の乳母として働き 生前は一切 写真を公表しなかったマイヤーの足跡をたどっていく。
15万点以上という作品を公表せずに亡くなったヴィヴィアン・マイヤーのドキュメンタリー。
ヴィヴィアン・マイヤーは写真家らしい変わった性格の持ち主だという事が観ているとわかるが、だからこそ違う視点を持て魅力的なストリート写真を撮れたのだろうね♪ -
心の闇と狂気とアート。彼女の特化した収集癖の延長線上に写真があったのでしょう。そのキャラクター、きっとアスペルガーですよねぇ。ということは、作品を収集することに意味があって、人に見せるということとは違っていたのかも。
オークションでそのネガを落札したジョン・マルーフ。オタクがオタクに共感したのでしょうか。写真から人物掘り起こし、物語としてドキュメンタリーまで作ってしまうのだから、この執着心たるや凄い。彼は、ゼロからスターを生み出したわけです。生前に出会っていたら、いいマネージャーですよねぇ。
今の時代でしかできえなかったでしょうし、メディアを使い、マスを巧みに動かしていったのも事実でしょう。権威主義的な美術館へのチクリはなかなか面白かったですが、彼がプロのギャラリストなら状況もまた変わっていたのでしょうか。
もちろん、ヴィヴィアンマイヤーの写真の面白さはあると思います。しかし、もし、生前に中途半端な形で作品を発表していたとしたら、全米で写真集が売れまくるといったここまでのスター作家になっていたかなぁ。と思ってみたりして。いろいろ考えさせられる映画でした。