あん DVD スタンダード・エディション

監督 : 河瀨直美 
出演 : 樹木希林  永瀬正敏  内田伽羅  市原悦子  水野美紀  太賀  兼松若人  浅田美代子 
  • ポニーキャニオン
4.09
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感想 : 131
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013509788

感想・レビュー・書評

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  • 『私達はこの世を見るために聞くために、生まれてきた。…だとすれば、何かになれなくても、私達には生きる意味があるのよ。』

    この言葉は、美しく、印象的。だが、そう理由づけをしないと生きられないようにしてしまう、どうにもならない人間の負の部分を突きつけられるようで、もやもやが残りました。

    社会の無知、誤解、無関心。そして偏見、差別。
    壁の内と外。

    最後に店長が前向きな感じになって終わったのが救いですが、生きる価値がなんなのか…わかりません。

  • まさかハンセン病の話だとは思わなかったけれど、とてもしんみりくる良い話。出てくる役者さん、みんな味わい深かったのと、映像が綺麗だったなぁ。特に印象に残ってるのが、店長さんが外でガラスの引き戸越しに中のトクエさんを見ているシーン。引き戸に店長さん自身の姿と外の景色が映り込んでとても幻想的だった。そして桜がとてもきれいだったあ。やっぱりどら焼きがとても食べたくなった。

  • 素晴らしい作品。
    樹木希林はやはり唯一無二のすごい役者だと思い知らされる。

    花鳥風月を愛でる日本的な美意識が随所に反映されており、映像と、そして音が、とても美しい。
    桜も、あんも、日本古来の美しさが大いに内包されたモチーフで、見ているだけで、聞いているだけで、無条件に心地良い気分になる一方、無理解ゆえの差別が実は未だに終わらずに放置されているところも、やはり日本的でもある。

    セリフだけでなく音や映像を駆使してストーリーが進むが、かといって抽象的にも難解にもならずに、丁寧な演出でしっかり伝わるものがあるところが、監督の力量だと思う。

  • 傑作。
    この監督、今まであまり相性が良くなかったがこんな一般受けする内容の映画もあるんだと・・・
    説明部分や無駄な語りを省いてシンプルにするのは海外受けする基本なのかな。北野映画と言い。
    もっくんの娘、なぜあんなナチュラルな演技なんでしょう。演技してないように見える演技。
    樹木希林もハナにつかない演技でやっぱり樹木希林の映画になってしまいました。
    現場では市原悦子と楽しくやってたんだろうなあと勝手に妄想。ドリアン助川・・・正義のラジオ、懐かしいわ。中学くらいだったっけな・・・

  • どら焼き屋で出会う3人の心を通じ合わせる物語。3人それぞれに人には言いづらい過去、背景を持っているのが徐々に明かされる。ただ物語全体を通して心温まる気持ちになれる。

  • 中高生の女の子たちでにぎわうどら焼き屋。
    無愛想で、自分の作るどら焼きに愛情なんか感じていないんだろうなあというような働きぶり。
    そこへひとりの老女・徳江がやってくる。

    「アルバイト募集してるって書いてますけど、誰でもいいんですか?」
    「じゃあ、雇ってください」

    無理ですよ。
    明らかに年寄りですし。
    見た目よりずっと体力使う仕事だし。

    「時給、400円でいいですから」(最終的には200円でもいいとまで言う)

    断り続けてゐたわりには、ひょんなことからできる範囲で働いてもらうことになり、徳江のあん作りに対する姿勢を見て徐々に変わり始める店長。
    小豆に感謝し、小豆を励まし、小豆と会話しながらあんを作る徳江。

    徳江は、鳥や花などをいつも心にとめている様子。
    多分店長は、周囲に目を向けないよう、深くかかわらないように生きてきたんだろう。(ひとりの女子中学生以外)
    そんなことが、徳江を見る眼差しからわかる。

    徳江の作るあんが評判二なり店は繁盛。
    少しずつ接客なども始めるようになった矢先、徳江がハンセン氏病であるという噂が流れ始める。

    徳江は女学生のころハンセン氏病と診断され、ずっと世の中から隔離されて生きてきた。
    だからだ。
    隔離された部屋の窓越しに季節を運んでくれる鳥や花や風だけが、世間と彼女を繋いでくれた。
    同じ施設に暮らす人々を除けば、人間じゃないものだけが彼女の世界だった。

    無知ゆえの偏見。
    怖さゆえの拒絶。
    悪意ではないだけに、怒りの持って行き場がない。

    静かに、ずっと静かに流れていく映画のなかの時間。
    つかのまの世間は、彼女にとって温かくもあり冷たくもあり。
    その全てを、やはり彼女は黙って受け入れて、そして…。

    「この世を見るため、聞くために生まれてきた、それが生きる意味」

    隔離された小さな世界で、どうやって大きな心をはぐくんでこられたのか。
    徳江の生き方が店長とワカナ(常連の中学生)の固く閉じていた心を開いていく。

    声高に主張しているわけではない。
    美味しいあんこを食べるとしみじみ身体に温かさが広がるように、じんわり心に温かさが広がる映画だった。

  • 素晴らしかった。

    みんな籠の鳥。

    月は、花は、脅かさない。
    耳をすませば、目を凝らせば。
    本当は感じることができるのに。
    生きる資格なんて、どうして考えてしまうんだろう。

    塩大福とか。
    少しだけしょっぱいから、甘さが引き立つ。

    樹木希林さんも、永瀬さんも本当に素晴らしかった。

    -----
    あんは、気持ちよ。

    世間の無理解に苦しむときも、知恵を使わなければいけないときもある。

    この世をみるために、きくために、生まれてきた
    だからたとえなにかになれなくても、生きる意味が、あるのよ、と

  • 美しい、嬉しい、楽しい、美味しい。
    耳を傾けなければ気付かずに過ぎ去ってしまうことの多いこと。
    もったいない生き方をしてはいないか、自分に問いかけてみた。

  • あずきをかわいがる樹木希林がかわいい。

  • BSで放送されていたのを、録画して見ました。素晴らしい映画だったなぁ。丁寧に生きていきたいとそう思わせてくれる作品でした。風の声も、お天道様の声も、全ての声に耳を傾けて生きている。徳子さん(樹木希林さん)が素晴らしかった、号泣でした。内田伽羅さん、希林さんのお孫さんもとてもかわいらしく力強くて良かったな。

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