サイの季節 [DVD]

監督 : バフマン・ゴバディ 
出演 : ベヘルーズ・ヴォスギー  モニカ・ベルッチ  ユルマズ・エルドガン  べレン・サート 
  • ポニーキャニオン
3.20
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本棚登録 : 23
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013534186

感想・レビュー・書評

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  • サイの季節
    Amazon prime

    この作品はずっと前から観ておきたい作品の一つでした。モニカべルッキは「イタリアの宝石」だったかな…本当に綺麗な人。彼女の出演作だと「マレーナ」「ドーベルマン」「アパート」が好きだな、特に「アパート」は好きな作品。嗚呼、歳はとったけどやっぱり綺麗な人だなぁ〜化粧っけがない感じなのにすごく綺麗だ。
    波打ち際、プール、雨、雪…水が印象的に使われているなぁ〜馬にしてもサイにしても変わった演出、カメラワークの監督だな。すごく印象的だ。
    イラン革命で追い詰められた体制側の夫婦に起こった苦難の日々…投獄され引き離されて、顔に袋を被された上での邂逅…凄いシーンだった…愛し合う二人と思い続ける男…
    30年に及んだ牢獄から出てきた男。
    妻の元へ帰りたいが自分は死んだことになっている。あまりに長過ぎた隔たり…すぐに会いに行きたいのに、その姿を遠くから眺めて逡巡する。重たすぎて…しんどいですねぇ〜
    苦しい環境に身をやつすのは「マレーナ」と少し似ていますね。
    この娼婦の片割れが実は娘なんじゃないのかな…そんな気がする。
    知らないまま自分の娘と関係を持ってしまうのは「オールドボーイ」なんかもそうだよなぁ〜神の悪戯としては悪辣な気がする。
    何故、彼は妻に会わなかったんだろうな…確かに30年余りにも渡って離れ離れだったんだから彼女自身にもたくさんの事情もあって然るべきだし、子供の事だってある…だから軽率に彼女に会う選択肢はなかったと言う事なのか?それにしても哀しい話過ぎる…
    それでも観て良かったと思える良い作品だった。なんだか色々考えさせられる。国が変わるような動乱や戦争…そんな国難に翻弄された二人に起こった物語…過酷な人生だったです。僕らはそんな人生を送る事はできなけど、こうやって映画とか活字で追体験出来るって凄い事だよなぁ〜ってしみじみと感じる作品だったです。

  • 「サイの季節」FASLE KARGADAN
    2012年 イラク+トルコ 93分
    監督:バフマン・ゴバディ
    出演:ベヘルーズ・ヴォスギー/モニカ・ベルッチ/ユルマズ・エルドガン
    実話がベースの様だが、独裁国の人権蹂躙のおぞましさが描かれる。できれば、入れ墨するときに愛する人だと気づいてほしかった。現実の厳しさが最後まで突きつけられる哀しい映画です。

  • どこまでが実話でしょうか?ずいぶん、人の人生を弄ぶ脚本ですね。そういえば、中国映画でもありそうな話です。社会が混乱すると、こんな悲劇が待っているんですね。印象に残る巨木ですが、日本でみる巨木と違って、溢れる生命力を感じません。なんか怪しい気配で、私なら、こんなところに愛する人を連れて来ません。

  • FASLE KARGADAN
    2012年 イラク+トルコ 93分
    監督:バフマン・ゴバディ
    出演:ベヘルーズ・ヴォスギー/モニカ・ベルッチ/ユルマズ・エルドガン
    http://rhinoseason-espacesarou.com/

    『ペルシャ猫を誰も知らない』が大好きだったバフマン・ゴバディの新作。しかしペルシャ猫~をイラン政府の許可を取らずに撮影したせいで現在監督は亡命中。この映画はトルコで撮影されました。ペルシャ猫~は出演者のほとんどが実際に活動中のバンドでドキュメンタリー仕立てになっていたので、映像美、という視点ではあまり注目しなかったのだけれど、今作はとにかく映像が美しい。寄りすぎ!ってくらいのクローズアップと遠景との対比、明度も彩度もいじりすぎなんじゃないかと思うような独特の色彩美はマケドニアのミルチョ・マンチェフスキーを、遠景の空気の澄みきった透明感はテオ・アンゲロプロスを彷彿とさせられる。眺めているだけで心がしんとする。加えて、カメが雨のように降ってきたり、車の窓に馬が首を突っ込んできたり、荒野にサイが群れていたり、やたらと動物が出てくる幻想的なイメージも独特。(ちなみに監督の代表作は「酔っぱらった馬の時間」「亀も空を飛ぶ」「ペルシャ猫を誰も知らない」そして本作と、タイトルになった動物はすべてこの映画にも登場します)

    ストーリーは実在するクルド系イラン人の詩人サデッグ・キャマンガールの実話をベースにしている(という触れ込みだけれど実はちょっと謎が多いらしい)。1979年イラン・イスラム革命で、政治的な詩を書いたという言いがかりのような罪で投獄された詩人サヘルとその妻ミナ。サヘルは30年、ミナは10年の禁固刑を受ける。ミナの父親は革命で倒された側の軍人だったとはいえ、実はミナに一方的な思慕を寄せていたお抱え運転手のアクバルという男が、ミナを手に入れるためにサヘルを陥れたのだった。

    このアクバルっていう男がホント気持ち悪い粘着ストーカー男で、その後もしつこくミナにつきまとい、獄中でミナを凌辱、ミナは双子を出産、10年の禁固なのでミナのほうが先に出所するけれど、その後アクバルはサハルが獄中死したと偽装、夫の墓の前で泣き崩れるミナにまだ言い寄る気持ち悪さ。一途っちゃ一途、健気っちゃ健気なのかもしれないけれど、好きなら何をしてもいいのか。相手の気持ちを思いやらず自分の気持ちだけ押し付けてくるこの粘着男のエゴに吐き気がしてくる。しかしそれでもミナは死んだ(と思ってる)サヘルを想い続ける。しかしモニカ・ベルッチは年齢を重ねてもずっと美しい!そしてもれなくポロリもあるよ(笑)

    30年後出所したサヘルもまたミナを探し、イスタンブールで子供たちと暮らす彼女までたどり着く。しかし名乗り出ることはできずに見守るだけ。もどかしくて切ない。ラブストーリーとしてはハッピーエンドを祈らずにはいられないけど、もちろんそう簡単には行かないのが世の常で。ラストの水中のシーンも美しかった。映像だけでも一見の価値あり。

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