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感想・レビュー・書評
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『儚い初恋の味』
アニメ映画公開の後に新海誠さんが自ら小説化した一冊。映画は未鑑賞ですが、著者の意図に反して映画のラストシーンが切ないという感想が多かったことから、小説版はラストが補完されているそうです。それでも切なかったのですが…。
ストーリーは主人公・遠野の小学生から大人までの成長を描く3話からなる連作短編。タイトルの「秒速5センチメートル」とは桜の花びらが舞い落ちるスピードのこと。題意からもわかるように、ひとことで言うと儚い。青春物語であるはずなのに暗い。
遠野のフィルターを通してみる世界は霞がかかっていて、常に"別れ"を意識させられ、胸のどこかに引っかかるような暗さがあります。でも不快ではなく、どこか物悲しくて懐かしくもある。これを初恋の味と呼ぶのかな…。男は引きずるので。
雪、海、桜。情景描写が美しいので劇場版も見てみくなりました。胸が締め付けられる初恋の思い出と懐かしさにより、センチメンタルな気分を味わいたい方におすすめです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
以前も一度読んだことのあるこの作品だったが、正直まだ中学生の私には少し難しく、君の名はのようなコミカルさを求めていた気がする。しかし、2度目を読み終えてみて、なんだかすごく、良いものに出会った感覚がある。先ず自身の成長を感じた。
映画版の評価には、「鬱になる」「2、3週間辛かった」などの意見があり、相当胸にくるものなのかと思っていたが、私は意外にすっきりとした気持ちだ。あまり陳腐な言葉で長々と語りたくはないので、短く終わるが、この本は数ヶ月後、もしくは数年後でもいい、また読み返してその時々の感情を噛みしめたいものだ。さて、次は何を読もう。 -
立て続けに2回観て,どうにも理解出来なかった映画が,少し分かったような気がする。というか,それなら映画はちょっと端折りすぎじゃないかと。