シャープ崩壊--名門企業を壊したのは誰か (日本経済新聞出版) [Kindle]

制作 : 日本経済新聞社 
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感想・レビュー・書評

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  • 2016年に刊行された本であるが、シャープに関しては事実が集まっていて変革がわかりやすい。

    著者は新聞社であるが、シャープの分析についてはこれでいいと思う。ソニーは平井さんと言う誰が見てもわかりやすい立役者がいるからその人の著書を読めば良い。シャープは経営権がさまざまな人についてたことが原因候補でもあるので、他社からの分析本でよかった。

    この本の結末は、台湾の鴻海精密工業の子会社になることで落ち着いている。日経平均株価の構成銘柄にも復帰している。

    正直、2章まで読めば良いと感じる。事実や証言をまとめた本なので、問題点や改善提案などの観点は明確には書かれておらず、グダグダした展開が続く。

    平井さんの『ソニー再生』と比べると、業績の悪化の原因、立て直しに対する方針と体制はまったく違うので面白い。マスメディアやブランドイメージ、キャッチコピーなどの印象と実態は違うのだなと強く感じる。

    液晶事業と体制を主に、企業の体質が悪い方向に行き続けていた。

    AQUOSは確かにすごい、ただ液晶でこの製品を選ぶかは疑問だ。他の事業含めて先進的な日本企業らしい製品やサービスがでることを願う。

  • 企業としての機能不全が一概に凋落を招いた要因であると断罪するには、そも日本経済のあり方・構造自体に起因する部分もあるだろうと思うが
    創業者イズムや他社の成功例を念頭に置いてビジネスを推し進めたところで、巨大化する集団内部での諍いを御することが出来ずには、と思わないではいられなかった。

  • 事細かにシャープが崩壊へと進む裏話が書かれてた。部分的には報道で知った話も多かったけど

  • かつてシャープの「総合開発センター」(奈良県天理市にあったらしい)の玄関には『造物主の声を聞け』という文言が飾られていたそうだ。創業者の早川は『まねされる商品をつくらなあかん』とよく語ったそうだ。「先発メーカーは常に後から追いかけられているわけだから、更によりすぐれたものを研究することになるわけで、模倣されることも、結局は自分のところの発展に役立つ」と。
    シャープ5代社長片山の有名な言葉は「液晶の次も液晶です」だ。
    『創業者の経営は「狂気」であり、「語り継げても受け継げない」』(佐藤正明 著 「ホンダ神話教祖のなき後で」)
    経営というのは難しい。

  • 一時期エクセレントカンパニーとしてもてはやされたシャープがなぜ身売りしなくてはならない状況に追い込まれたのか?取材を背景に社内政治抗争がその大きな要因であったと分析した書籍。人間の信頼関係が崩れることで組織が文字通り崩壊していくプロセスをあぶりだしている。また成功体験をもった人が長く君臨することの弊害も改めて実感できた。

  • 今日(2016/3/22)時点でもホンハイと調印できていないことからすると、この本自体も「前編」となりかねない状況である。
    ただシャープが無くなっても、早川イズムはなくならないでほしいな。

  • つい先日もホンハイとの交渉が話題にあがっていたシャープの今日に至るまでの経緯に関するノンフィクション。主に直近の経営陣にスポットをあて、社内の権力闘争や方針の迷走について、時に取締役と思われる方の証言 そもそも幹部層から赤裸々な話がいること自体が社としての危機的状況を表しているかと思うが、下記引用部は未だに人任せ-誰かがやってくれるだろう-ということを表しているようで、問題の大きさを表している気がす

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著者プロフィール

執筆は編集委員、コメンテーター。

「2022年 『これからの日本の論点2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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