銀河鉄道の夜 [Kindle]

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  • 2016年4月19日発売
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感想・レビュー・書評

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  • なんとなく内容は知っていたが、きちんと読んだのはこれが初めて。
    銀河鉄道に乗ってからの描写はとても綺麗かつ幻想的でとても読んでいて心地よかった。誰かのために生きるという宮沢賢治らしさがとても感じられて読み終えた後の余韻は最高でした。ページ数も少ないからサクッと何か読みたいときにおすすめです。
    テスト期間中に読んでしまって反省しているが、後悔はしてない作品!

  • 雨上がりの夜空が妙に気になって、全く頭にもなかった『銀河鉄道の夜』を衝動的に読みました。
    子供の頃に読んだっきりで内容は覚えておらず。こんなに面白い表現が散りばめられているお話だったとは!と驚きました。さっき目が合った星たちが「今読んで」とこの本を薦めてくれたのは何か意味があったのかもしれないなぁと。読んだらとってもスッキリした風が心に通って疲れが吹き飛びました。悲しい河がずっと流れているのを確かに感じながらも、その愉快な発想と風変わりな擬音語に始終ニコニコしながらページを捲りました。

    最初は一時間で帰ると言ったけど、そのあと、一時間半で帰ってくるよと言い換えたのがかわいかったです。
    時々作業の指示を飛ばしながら熱心に話してくれる大学士さんのお話も、話し口調もすごく楽しくて。一緒にワクワクしながら聴いてました。文章が洗練されているなぁと。
    甲虫をわざわざ「黒い甲虫」と描いているのも面白くって。黒くない甲虫もいるような世界が展けてドキドキしました。
    鳥捕りさんのお話もよかったなぁ。奇妙すぎるけど「ぽくぽく」食べたりしてみたくなりました。

    そしてまさに今にピッタリな秋のお話だったんですね。ビックリしました。

  • 何度も読んでいる作品。幻想的な世界観が良い。

    今回は「ほんとうにどんなつらいことでも、それが正しい道を進む途中の出来事ならば、峠の上り下りもみんなほんとうの幸福に近づく一歩」という言葉が、胸に刺さった。

  • 映画 銀河鉄道の父を観た後、読んでみた。
    むむむ…難解です。
    途中、原稿が欠如してるし。
    しかし、幻想的ストーリーは解釈出来た。

    文章も現代風に手直ししてくれる人が居たら、小さい子でもわかるのになぁ。
    あ、原文だから良いのか?

    検索してみると、過去に実写化されたようだが、やはり難解の為か賛否両論のようだ。
    また、アニメとして映画化もされたようだ。

    宮沢賢治は、妹の為に執筆してたようだから、妹が喜んでくれれば良かったのかもしれない。
    ‘23.05.13読了

  • Amazon Audible にて。たまに知ってる物語の朗読をボーッと聴きたい時がある。
    聴き放題対象に、朗読者別の3パターン見つけて、それぞれ通して聞いて楽しんだ。高見侑里さんのが一番好き。軽いBGMもあり、優しい女性の声が物語に合っている。
    鳥捕りのお菓子のところと、タイタニック号のエピソードが好き。人を押しのけてまで子供たちを助けるべきか逡巡したとか、ジョバンニが女の子に嫉妬するところとか。

  • 宮沢賢治のみんなのためにみたいな気持ちの原動力ってどこからくるんだろう
    みんなって残酷なのに

  • なかなか理解するのか難しい話だ。情景の描写を想像してゆくと、色鮮やかな世界が浮かび上がる、少しジブリ的とも言うか。長い銀河鉄道の旅は結局は夢だったのだけど、天国への旅だったのか。色んな解釈ができる話。

  • 内容理解は結構難しいかも。キャッチボールの中で脈略の無いものが続く、近代あるあるというより賢治あるあるに触れた。てかなんで今までちゃんと読んでなかったんだ……。先輩の発表にて。

  • 定期的に読みたくなる宮沢賢治2

  •  とある本を読んでいたら『銀河鉄道の夜』について深い考察をしていて、その中で「ジョバンニのお母さんは死んでいる」ということが書かれていた。あれ?あれれ?といても立ってもいられなくなってKindleの青空文庫を読む。
     小学校4年生の時、放送委員だった。なにをするかというと、お昼の給食の時間に音楽をかけたり、長い休み時間の案内、BGMを流したり、下校の放送を流したり。
     そのなかのお昼の給食の時間は、リクエストが多いアイドルの歌とかをテープ持っている子が持ってきたり、先生が貸してくれたり(平和な時代だ)してかけてたんだけど、わたしと一個上の家の向かいのおねえちゃんと二人で朗読を企画したのだ。
     それが『銀河鉄道の夜』。なんでこれにしたかというと、おねえちゃんが先に読んでて自分にこれ読め!と貸してくれて読んだんだけど、「これ、哀しい話に思えるけどなんかわからんね。」と二人でもやもやしていたのだ。当時お互いの両親にこれどういう意味?って聞いたりしたけど、「あー、昔読んだけどなんだったっけ」ぐらいで躱された。そう、めんどくさい子ども二人だったのだ。
     それでとりあえずこれみんなにも読んで感想聞きたいけどそれなら昼に流そうということになり、お互いの家で一回15分で朗読を録音して学校の給食の時間に流したのだ。
     結果、数人が図書館で本を借りて読んでくれた。
     「ちょっとわからないなあ。」
     「カムパネルラは死んだんだよね。」
     「ジョバンニは子どもなのに病気のお母さんがいて牛乳持って帰りたいのわかるけど、カンパネルラが死んじゃったかもしれないのに気にならないのかな?」
     小学生の当時、つたない読解力しかない同志でわからんわからんと話をしたことを思い出す。なつかしいなあ。
     今日お昼から隙間時間で一気に読んだ。でもちゃんとあのときのわからんわからんを思い出しながら。
     でも結局わからんのかもしれない。いろんな推察、大人になった経験で「これはこういうことを隠喩しているのでは?」とかも言えてしまう。でも本当はなにかわからない。 
     今も昔も同じ気持ちがする。とても哀しいということ。今読むとジョバンニのお母さんが生きているのか死んでいるのか、どっちであってもジョバンニは哀しいんだ。温かい牛乳を抱きしめても哀しいんだ。今読むと、カムパネルラと別れてみんなの幸せのために新しい決意をしたジョバンニのようにも読めるけど、そんな風に変わるということが小学生の自分にも今の自分にもそれはあるかもしれないけど、それが自分に起こると思えない。だから哀しいが勝ってしまう。
     死の世界にいったカムパネルラと生と死の境界でカムパネルラと別れたジョバンニ。これを完全に理解できるときはくるのだろうか。

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著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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