- Amazon.co.jp ・電子書籍 (239ページ)
感想・レビュー・書評
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UMA(Unidentified Mysterious Animal未確認不思議動物)好きな著者が、トルコ東部にある巨大な湖(琵琶湖の5倍以上の大きさを誇り、塩分濃度が高く、アルカリ度も極度に高いため魚がほとんど棲めない湖)ワン湖で目撃されたという巨大未確認生物゛ジャナワール゛に挑んだ10日間を綴ったルポ。
果たして、ジャナワールはクルド人との「民族紛争収束のため、トルコ政府が仕掛けた壮大なヤラセだったのか」、或いはお金のため、話題作りのためのお粗末な詐欺行為だったのか。現地で取材を続けるうち、あからさまなヤラセ(トルコ語で゛アスパラガス゛)だったことが次々明らかとなり、「ワン湖のジャナワール、それは伝説だった。世界でも稀なこの特殊な湖が生み出した幻だった」と結論付けた著者だったが…。
何といっても本書の魅力は、著者達の現地の人々との面白くも心温まる交流の数々。民族問題を抱えながらも純朴で人懐っこい現地クルド人の姿がリアルに描かれているのがいい。眉唾物のネタに敢えて挑んだ著者の飽くなき探求心にも脱帽!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
UMAジャノワールを求めてトルコを周遊する冒険記。
登場人物が個性豊かで、インタビューで出会うトルコ人やクルド人も、信用ならないがどこか愛嬌があって憎めないキャラクター性を持っている。事実か妄想かわからないくらい非現実的だが、とにかく面白いから良し。著者一行がハチャメチャな無鉄砲を繰り返しているわけではなく、冒険心と冷静さを兼ね備えた大人だから安心して楽しめた。
文体は軽やかでアオリも秀逸だが、読後の爽快感は、ひとえに最後のまとめかたがよかったのだと思う。他の冒険記も読もうと思う。 -
高野秀行がトルコのワン湖に住むと言うジャナワール(ネス湖のネッシーのようなもの)を探しに行くノンフィクション。他の高野作品ではだいたい目的の未知生物は見つからないのが定番で、でもそこに至るプロセスとか同行する人々や現地で出会う人がとても面白いんですが、なんと今回は最後に実際に著者達が目撃者になってしまうという展開に。目撃者になってみて初めてそれまで自分たちがインタビューしてきた目撃者達の気持ちが分かったようです。本書ではシリア内戦なんかで最近話題のクルド人とトルコの関係なんかが新聞報道なんかでは分かりにくいリアルな姿として学べるのも興味深い。
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なんと怪獣らしきものを目撃してしまう
安定の面白さ -
2017/2/23