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- / ISBN・EAN: 4988013054493
感想・レビュー・書評
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岩井俊二にしか撮れない映画。というものが、確実にあって、それがずっとずっとぶれていない。少なくとも2本分くらいのアイデアが1作になってしまっていて、そりゃあ、約3時間にも及ぶ大作になるわ。綾野剛に救われた。きっと、数年後に、あー、また見たい、と思うだろうな。今、日本で映画を作ろうと思ったら、こういうギリギリの絶望と希望の間を描くしかないのだろうな、と思ったりしながら、見ていた。
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現代社会における人間関係の希薄さと、それとは反比例してどうしようもなく人のぬくもりを感じたい人々の欲求。
理由もわからない閉塞感や、残酷さ。
そして少しの笑いとささやかな幸せの瞬間を切り取り、3時間という長さをまったく感じさせないのは岩井俊二監督のなさる技。 もう、脱帽。
3時間という長さの映画になると、どうでもいいシーンとか必ずでてくるはずですが、何てことないシーンが岩井監督的な芸術としてかけがえのないシーンとなり、息吹を吹き込んでくれる。
女優さんの一番キラキラした瞬間を映しだすことに長けた岩井俊二監督、今回主役の黒木華さんもものすごく可愛かった。
この方は写真じゃなくて演技をしてちる映画で最高の可愛さを発揮できる不思議な女優さん。
そして歌手のcoccoの演技が上手すぎて、どんどん引き込まれていく。歌手としてファンだったけど、女優のcoccoの大ファンになりました。
タッグを組んで様々な岩井作品を作り上げてきたカメラマンの篠田さんを失い、ブランクを経た岩井俊二監督が色々な悲しみを経て、美しいだけではない、人間や現代社会のやるせないものを魂を込めて映像化したような作品でした。
岩井俊二監督の作品は殆ど観ていますが、今まで観てきた中で、自分では1位2位に入る作品だと思います。