サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 [Kindle]

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制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社 (2016年9月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (585ページ)

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福の感想・レビュー・書評

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  • 壮大なスケールの本だった。
    私のような不勉強な人間には感想が書けないほど背伸びをした読書体験だった。(理解せず、字を追う時間帯が多かった。。)

    ■勉強になった部分
    今日でさえ、人間の組織の規模には、一五〇人というこの魔法の数字がおおよその限度として当てはまる。この限界値以下であれば、コミュニティや企業、社会的ネットワーク、軍の部隊は、互いに親密に知り合い、噂話をするという関係に主に基づいて、組織を維持できる。秩序を保つために、正式な位や肩書、法律書は必要ない(3)。三〇人の兵から成る小隊、あるいは一〇〇人の兵から成る中隊でさえ、親密な関係を基に、うまく機能でき、正式な規律は最低限で事足りる。人望のある軍曹は、「中隊の王」となり、将校たちにさえ指図できる。小さな家族経営事業は、役員会やCEO(最高経営責任者)や経理部なしでも生き延びて、繁盛できる。  だが、いったん一五〇人という限界値を超えると、もう物事はそのようには進まなくなる。小隊を指揮するのと同じ方法で、一万を超える兵から成る師団を指揮することはできない。繁盛している家族経営の店も、規模が大きくなり、多くの人を雇い入れると、たいてい危機を迎える。根本から再編できなければ、倒産の憂き目に遭う。  では、ホモ・サピエンスはどうやってこの重大な限界を乗り越え、何万もの住民から成る都市や、何億もの民を支配する帝国を最終的に築いたのだろう? その秘密はおそらく、虚構の登場にある。厖大な数の見知らぬ人どうしも、共通の神話を信じることによって、首尾良く協力できるのだ。  近代国家にせよ、中世の教会組織にせよ、古代の都市にせよ、太古の部族にせよ、人間の大規模な協力体制は何であれ、人々の集合的想像の中にのみ存在する共通の神話に根差している。

  • 概要:
    認知革命: 言語と虚構->大人数の協力、社会行動の迅速な革新
    狩猟採集民: 乳幼児死亡率は高いが栄養・健康状態はよい、アニミズム、暴力が多い集団も少ない集団もある
    農耕牧畜: 人口が増えて戻れなくなった
    余剰と幻想による支配、"想像上の秩序"
    口語と同等の表現力を持つ完全な書記体系
    貨幣: 協力を促す/個人的信頼を置き換える
    帝国
    宗教
    科学革命、資本主義
    産業革命によるコミュニティの破壊

    感想:
    眺めるにはいいがメッセージには乏しい気がする。前半のほうが面白い?

  • 価値が振り回される、イデオロギーがへし折られる、感情が押しつぶされる。そんな本はなかなかない。それにしてもこの作者の徹底的な高踏のスタンスこそスーパーサピエンスだ。論じられているのは本当に多岐にわたる知見だが、すべてに対し偏ることを精密に排ししつつも、けっしてシニカルだったりニヒルだったりペシミスティックだったりせず、しらけた相対主義にも陥らない。ある種の情熱にあふれていること、愛にあふれていることがとにかく感動的だ。まごうかたなき学術書だが、この作者の姿勢こそは人生の指南書足りうる。この点において「ビジネス本大賞」は大いにうなずけると思うのだ。

  • 読み終わるまでにかなりの時間を要した…トマピケティは全部読まなくて良しとよく言われるが、この本もボリューム的にはサマリだけでいいんじゃないかと途中何度か思いつつも読み応えがあってなんだかんだ全部読めた(いや、正確には結構流し読みもした。いずれにせよ集中を要する本)

    135億年前にビッグバンとともに宇宙及び物理的化学的現象が始まり、45億年前に地球が形成され、38億年前に有機体が出現し生物学的現象が始まり、600万年前にヒトとチンパンジーの最後の共通祖先が存在し、(もうこの時点でロマン溢れすぎてヤバイのだが)20万年前にホモ・サピエンスが進化し、7万年前に認知革命が起きて歴史的現象が始まった。
    1.2万年前に農業革命が起こり、500年前に科学革命、200年前に産業革命、シンギュラリティ前夜の今日に至る。
    これだけで夜も眠れなくなるほど脳汁が出る壮大な物語である。

    ただの1つの種でしかなかった我々ホモ・サピエンスがこの惑星のいわば頂点に立つまでに起きたこと。
    まず言葉が生まれ、そこから国や神や法といった虚構を作り出し、狩猟の過程で他の種の絶滅や自然環境に多大な影響を与えたのち農耕を始め爆発的に数を増やした。
    農業は同時に定住の制約と人口増による飢えを凌ぐための労働という枷を敷いた一方、ヒトは家畜とともに大陸を渡り始めた。神話やヒエラルキー、貨幣という史上最大の発明を生み出しながら次第に帝国化、統一化に向かい、国家、資本主義経済によって未曾有の発展と争いを繰り広げたのち科学及び核の抑止力と多大な犠牲を払って平和を手に入れつつあるのが今。
    特に科学技術の進歩によりヒトは自然原理を変える、知的設計を出発とした神に等しい力を手に入れた。

    果たしてこれらの歴史の変遷は幸福を増幅させてきたのか?この点はまだ結論が出ない中この先も進歩のスピードはさらに加速する世界において私たちは何者で何を望むものなのか?

    という、全方位的な史実、論理、考察が展開される超大作。終盤は庵野監督も真っ青の「あなたは何を望むの?」という問いまで網羅するカバレッジぶり。

    読むとしばらく現実世界に戻れなくなります(現実世界の話なのに)

    こんなに知的好奇心を刺激される本もなかなか無いのでめちゃくちゃオススメ。

  • 流行っている本だけあって面白かった。で、でも流行るちょっと前から読んでたんだからね!
    もともとはこういう、「世界史をひとつの話でまとめてるような本読みたいなー」という欲求があり、たまたま最近出た本だったので読んでみたら、これがかなりどハマり。国や経済やお金は、すべて人間の想像力によって成り立っているという、当たり前のようで全く気づかなかったことを平易な文章かつたくさんの比喩で読ませてくれる本だった。

  • 第1部 認知革命

    第1章 唯一生き延びた人類種
    不面目な秘密/思考力の代償/調理をする動物/兄弟たちはどうなったか?

    第2章 虚構が協力を可能にした
    プジョー伝説/ゲノムを迂回する/歴史と生物学

    第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
    原初の豊かな社会/口を利く死者の霊/平和か戦争か?/沈黙の帳

    第4章 史上最も危険な種
    告発のとおり有罪/オオナマケモノの最期/ノアの方舟

    第2部 農業革命

    第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
    贅沢の罠/聖なる介入/革命の犠牲者たち

    第6章 神話による社会の拡大
    未来に関する懸念/想像上の秩序/真の信奉者たち/脱出不能の監獄

    第7章 書記体系の発明
    「クシム」という署名/官僚制の驚異/数の言語

    第8章 想像上のヒエラルキーと差別
    悪循環/アメリカ大陸における清浄/男女間の格差/生物学的な性別と社会的・文化的性別/
    男性のどこがそれほど優れているのか?/筋力/攻撃性/家父長制の遺伝子

    第3部 人類の統一

    第9章 統一へ向かう世界
    歴史は統一に向かって進み続ける/グローバルなビジョン

    第10章 最強の征服者、貨幣
    物々交換の限界/貝殻とタバコ/貨幣はどのように機能するのか?/金の福音/貨幣の代償

    第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
    帝国とは何か?/悪の帝国?/これはお前たちのためなのだ/「彼ら」が「私たち」になるとき/
    歴史の中の善人と悪人/新しいグローバル帝国

    第12章 宗教という超人間的秩序
    神々の台頭と人類の地位/偶像崇拝の恩恵/神は一つ/善と悪の戦い/自然の法則/人間の崇拝

    第13章 歴史の必然と謎めいた選択
    1 後知恵の誤謬/2 盲目のクレイオ

    第4部 科学革命

    第14章 無知の発見と近代科学の成立
    無知な人/科学界の教義/知は力/進歩の理想/ギルガメシュ・プロジェクト/
    科学を気前良く援助する人々

    第15章 科学と帝国の融合
    なぜヨーロッパなのか?/征服の精神構造/空白のある地図/宇宙からの侵略/
    帝国が支援した近代科学

    第16章 拡大するパイという資本主義のマジック
    拡大するパイ/コロンブス、投資家を探す/資本の名の下に/自由市場というカルト/
    資本主義の地獄

    第17章 産業の推進力
    熱を運動に変換する/エネルギーの大洋/ベルトコンベヤー上の命/ショッピングの時代

    第18章 国家と市場経済がもたらした世界平和
    近代の時間/家族とコミュニティの崩壊/想像上のコミュニティ/変化し続ける近代社会/
    現代の平和/帝国の撤退/原子の平和

    第19章 文明は人間を幸福にしたのか
    幸福度を測る/化学から見た幸福/人生の意義/汝自身を知れ

    第20章 超ホモ・サピエンスの時代へ
    マウスとヒトの合成/ネアンデルタール人の復活/バイオニック生命体/別の生命/特異点/
    フランケンシュタインの予言

    あとがき――神になった動物

  • よみやすあ

  • 人間とは何か。
    思想とは何か。
    科学とは何か。
    経済とは何か。
    幸福とは何か。
    私たちはどこから来てどこへ向かうのか。

  • 読みごたえあり。
    ホモサピエンスの歴史、文明ができるまで、人が他の生物と何が違ったか、今後どういう方向に進むか。

    膨大な教養に基づいた中身が非常に濃い書籍

  • 飛行機と電車のなかで読み進めていた『サピエンス全史』の上下合本をようやく読み終えた。
    ジャレド・ダイヤモンドの人類学的なアプローチというよりは進化論の眼差しを下敷きにマクロ人類史を鳥瞰する。筆者が丁寧に因果と相関を書き分けながら記述しているのがうかがえて読みやすい。アンダーソンの「想像の共同体」のような近代国家成立の要因に限定させれるのではなく、認知革命に端を発する"虚構"の発明が人類発展を駆動したというのが重厚な本著の要諦。

    サピエンスならではの能力を可能にしたのが、想像力だ。サピエンスだけが、約七年前の「認知革命(新しい思考と意思疎通の方法の登場)」を経て、虚構、すなわち架空の事物について語れるようになった。客観的な現実の世界だけではなく、主観的な世界、それも大勢の人が共有する「共同主観的」な想像の世界にも暮らせるようになった。伝説や神話、神々、宗教を生み出し、それを共有する者なら誰もが柔軟に協働する能力を獲得した。虚構を作り変えればすぐに行動パターンや社会構造も変えられるので、サピエンスは遺伝子や進化の束縛を脱し、変化を加速させ、他の生物を凌げたのだ。no.7976

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