「ふきげんな過去」スタンダード・エディション [DVD]

監督 : 前田司郎 
出演 : 小泉今日子  二階堂ふみ  高良健吾  山田望叶  兵藤公美  山田裕貴  大竹まこと  きたろう 
  • キングレコード
2.70
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988003842048

感想・レビュー・書評

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  • 「見えるものなんて見てもしょうがないでしょ」
    ひたすら不機嫌な果子が感情を爆発させる所も、最後の嬉しそうな所も好きでした。不機嫌なのに魅力的って不思議。
    会話が面白かったです。ひたすら気怠く適当に喋ってるのが現実的でした。でもある程度の年齢の人から「なんで」を連発されるのって責められてる感じがちょっとするな。。
    姪っ子がめっちゃ可愛かったです。

    ひたすら不機嫌な二階堂ふみさんいい。不機嫌なところと好奇心が混ざってるところ、ただ拗ねてるところ…改めて演技力高いと思いました。
    胡散臭さ満点でも格好良い高良健吾さんや、孤独で気怠いけど傘で刺されても包容力…と思った小泉今日子さんも良かったです。
    子役の山田望叶さんも、「つまんない」が広がっていましたがキラキラさせてるところもあって可愛かったです。周囲の大人がああだったらこうなるよな…な子どもでした。

    姉妹の男女関係の確執はドロドロしてるな…と思いましたが、勝ち負けにこだわってる方が負けている気がします。

    「爆弾は手段じゃなくて目的。崇高なのは爆発だわ」

    豆料理美味しそうでした。
    映像も綺麗。スタイリングも好きだと思っていたら伊賀大介さんでさすが。

  • 久々に邦画でおもしろいの観た

    ものすごくありきたりな日常を描いているんだけど、実はものすごくヘンテコなことが起きてて、
    でもそれをとりたてて騒ぎ立てなければ日常は続いてるようにみえる
    そんな感じの映画

    あらゆる出来事は、捉える人の受け取り方で、それが些細なことになったり大事件になったりする

    不思議なことを言う人に限って、実際はそんなに大したことなかったりするもの

    本当に数奇な人生を送ってる人は、カコのようにいろんなこと普通になる
    ただし自分の母ちゃんに関しては別



    退屈な毎日を送ってたり、このまま先も退屈なんだろうって思ってたとしても、
    結局、現実は予測もしない方向にころがるもの

    先を見通す目があるように思ってたって、自分で思ってたような未来にはならない

    思ってもなかったようなことが起こるのが人間界

    いい映画だった


    そういえば本編では触れられなかったけど、何人か亡霊がうつってたよね

    異常に真っ白い顔の人

    カコにはそういうものを見る能力があったのかも

  • どうということもないのが現実。
    結構複雑で面倒なのが現実。
    良くも悪くもみんなバカ。
    最終的には、それらのことがスッと入ってきた感じだった。
    イラつくことなく自然にフツーに受け止められる感じ。

    未来子は過去を捨てたしカコも捨てた。けどカコを見捨てたわけじゃない。
    先が見えてるように見える未来は過去のデータから判断したものだから、それは過去であって未来じゃない。
    本当の意味で未来を見ることが私らにとってもカコにとっても爆弾になるんだろう。


    おしゃれクソ帽子をかぶったおしゃれクソ部屋に住む高良健吾はきっと「ニセ・おもしろい現実」の象徴で、そいつを突き飛ばして「こんなのあんたより知ってる!」ってところと、その後「運命は数奇だけど中身は薄っぺら!」みたいなこと言い放つところ最高。
    偽物はいらん!私は本物のおもしろい現実がほしいんだー!!!という瑞々しいパワー。
    つまらない現実にイラつくのは、楽しく過ごしたいわくわくしたいって願いがあるからだよね。
    自分は悪くないと思ったら謝らないし、そういうカコの生き方はけっこう好きだ。気持ちがいい。
    あとメガネの女の子も好き。かっこいいじゃないか。女優としてもとても上手だった!

    爆弾のことはちょっと???だったけど、
    普通なようで普通じゃない会話、
    おもしろそうなことが起きてるのに絶妙につまらない世界、
    傘を片手にイラつく二階堂ふみ
    どれも素晴らしくて、邦画らしい良い映画だった。
    割と低評価だけどもっと評価されてもいいんじゃないかなーわたしは好き。(★3.7くらいの気持ちだけどテコ入れで4にしとく。)

著者プロフィール

1977年生まれ。劇作家、演出家、俳優、小説家。和光大学人文学部文学科在学中に劇団「五反田団」を旗揚げ。2005年『愛でもない青春でもない旅立たない』(講談社)で小説家デビュー。同作が野間文芸新人賞候補となる。2006年、『恋愛の解体と北区の滅亡』(講談社)が野間文芸新人賞、三島由紀夫賞候補、2007年、『グレート生活アドベンチャー』(新潮社)が芥川賞候補に。2008年には、戯曲「生きてるものはいないのか」で岸田國士戯曲賞受賞。同年、『誰かが手を、握っているような気がしてならない』(講談社)で三島由紀夫賞候補。『夏の水の半魚人』(扶桑社)で第22回三島賞。その他の著書に、『逆に14歳』(新潮社)などがある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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