サイコパス (文春新書) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 自分にはまったく理解できない知人について、
    もしやサイコパスでは?と仮定して読み始めた。

    自分が悪いとは決して思わない、
    次はもっとうまくやろうと巧妙になる。
    大きな損失に対するストレスを感じない。
    学習できない。ストレスに強いのは自律神経反応が悪いから。など、特徴が一致しすぎ怖くなった。

    脳の構造が普通の人と違う。
    遺伝なのか、環境によるものなのか、など
    興味深かった。

    人間が愛着、良心、モラルを持つのは、集団でいるほうが種の保存に有利だからにすぎない。
    人間の脳は「信じる方が気持ちいい」
    一度信じたら、そのまま信じ、意思決定しないほうが脳に負担がかからないから。

    普段あたりまえと思っていたことも
    別の視点から見ると違うものに見える

    人間の脳について
    興味深く、なるほど、、と思いながら読んだ。

    サイコパスは「信じたい」という人間の弱点を巧みについてくる。
    自己犠牲を美徳としている人ほどサイコパスに目をつけられやすい。

    ひとつの試練として
    冷静に対処したいが
    なかなかなす術がない相手である。

  • 圧倒的違和感を感じる人がいたら、一度読んでみてもいいかも知れません。

    ・サイコパスの特徴
    良心の欠如
    自分に関係ないことは無関心

    ・サイコパスが重視しない道徳心
    他人に危害を加えないようにする
    フェアな関係を重視する

    ・重視する道徳心
    共同体への帰属・忠誠心
    権威を尊重する

    • shiokongさん
      価値観に、びっくり。
      価値観に、びっくり。
      2023/01/26
  • 炎上系女性ブロガーはもしかしてサイコパスなのではと思った。

    以下、メモ。
    ・共感はしないけど、相手の心情を読むのは得意
    ・扁桃体の活動が低い、眼窩前頭皮質や内側前頭前皮質の活動が低い、扁桃体と眼窩前頭皮質や内側前頭前皮質の結びつきが弱い
    ・勝ち組サイコパスは前頭前皮質の機能が発達しているか、あるいは扁桃体との結びつきが比較的強い

  • なぜ淘汰されなかったか。
    それなりに必要とされていたから。
    偉人や人の上にたってひっぱっていくにはサイコパス的な要素をもっている人が多い。
    職場にサイコパスチックな人がいるのでどのように対処したらよいかを知りたくてよんでみた。

  • サイコパスについて、現状の科学で分かっていることをまとめている。
    サイコパスにもいくつか種類があり、それぞれの特徴なども記述されている。社会において必要なのか、どう共存していくのかなどの考察もアリ。
    特に解決策のようなものは無い内容だが、日頃何となく使われる「サイコパス」という言葉の理解度を一段階上げてくれるという感じ。

  • サイコパス
    おどろおどろしいテーマの本
    中野信子先生得意の「うける本」
    よくある週刊誌のネタ ワイドショーか

  • ちょっと科学読み物としては厳しかった。
    小話的なネタは多く聞けるので、とても興味深いです。

  • 自分の中にもそういう残酷な感情があるかもしれないと思った。少し当てはまる部分があったので・・。怖い。

  • サイコパスとはなんぞやから、サイコパスの事例、なぜサイコパスになるのかという考察(完全には解明されていない)、最後には自分や身近な人がサイコパスかもと思った時の判断基準やおすすめ職業まで、サイコパスについて様々な角度から検証した本。著者の専門分野である脳科学的な見地からの考察などはかなり専門用語も多いが、素人にもなるべくわかりやすいように気をつけていると感じる。かつてMENSA会員だったらしいが、「たかだか50人に一人の高IQごときで天才とかない」「ハクをつけたいがためにだけ入会している人もいる」「入会テストもちょっと勉強すれば通るレベル」となかなかにカッコいいなと思った。

  • サイコパスの脳内を覗けた(°▽°)
    中野さんの冷静な分析と考察が完璧(°▽°)

  • 平気でウソをつき、不正がバレると、自分が被害者であるかのように振る舞う。そんな「サイコパス」の謎に、脳科学者が迫った書籍。

    もともとサイコパスとは、連続殺人犯などの反社会的な人格を指した。だが近年、脳科学の進歩により、必ずしも冷酷な殺人犯ばかりではないことが明らかになった。大企業のCEOや弁護士などにサイコパスが多いという研究結果もある。

    ある研究によると、顔の横幅の比率が大きい男性ほど、サイコパスである可能性が高い。顔は、男性ホルモン(テストステロン)濃度が高いほど横に広くなる。そして、テストステロンの分泌が多いと、競争心や攻撃性が高まるという。

    サイコパスの身体的特徴の1つは、心拍数の低さである。モラルに反する行動を取ろうとする時、心拍数が上がると、不安感情が喚起され、行動に抑制がかかる。これに対し、心拍数が低く、しかも上がりにくいと、反社会的行動を取りやすい。

    合理性を重視するサイコパスは、感情を伴う「熱い共感」を持たない。それは、彼らの脳の「扁桃体」(喜び、恐怖など情動の働きを司る部分)の活動が、一般の人より低いから。

    出世した人間にはサイコパスが多い。彼らは高いプレゼンテーション能力を有し、巧みに人の心理を操る。一方、経営管理やチームでの作業といった地道な仕事は苦手である。

    シリコンバレーの起業家に求められる気質は、サイコパスの性質と合致している。それは、次の3つの特性。
    ①常にスリルを求め、次々に変化が起こる状況に惹かれる
    ②ルールを重視せず、ラフな意思決定が許される状況を好む
    ③他人を利用し、仕事をさせることが得意である

  • 一口にサイコパスと言うが、複数の独立な特性をひとまとめにしてしまっているのだと思った。

  • サイコパスは、一般人だと痛みや不安を感じるところを感じにくいというのがある。
    が、人間の場合は複合的なものが組み合わさりすぎているので、判別がしにくい。
    100人に1人くらいの割合で存在するらしいサイコパス、別に病気でもないしそれだけで犯罪者というわけではない。企業のCEOはだいたいサイコパスらしいし、危険が関わる仕事で毎回不安になってると仕事にならないので、そういうのが天職というのがあったりもする。
    ただ、犯罪者になりやすいというのもあってしまうし、治せないので厄介。

    また、病気…みたいなものではあるが、「良心」という人間特有の機能が関わってくるため、なんと”動物実験”ができないという特徴がある。
    昔のゆるかった頃はやりたい放題していたようだが、今はもう確実に無理。

    など、色々と面白い事実?というか知識が入っている本。
    ただし、外で読んでいると本のタイトルが直接的すぎて、すこぶる人の目が気になる。
    サイコパスの犯罪者には特に興味がなくて、普通の生活を送っているけど頭がおかしい人について知りたいので、半分くらいは役に立った。

    後半にある「サイコパスの多い・少ない職業トップ10」は、その職業に就いてる人に見せたらブチギレされそうなリストで大変興味深かった。CEOはたぶん自分でも認めそうだが、警官、外科医、聖職者など、マジで怒られそう。でも確かにそんな感じする。でもサイコパスは神を信じなさそうだが…

    昔は人死にが普通だったし、今だと考えられないルールが色々あった、また、国や文化によって信じられないようなものもあると、良心や正義などは社会性によるということは理解していたと思うが、「そもそも社会性が良心の定義に関わる。その社会性に反することを不安に感じる」という機能自体が人間に特殊なものだということはわかってなかった。しかもこのシステムは脳にとって後付けとのこと。猿が良心を得て、脳がそれを活用するために進化したということ。おもしろい。

  • 2020.7.05

  • サイコパスという単語は、かなり市民権を得たと思います(アニメの影響もあるかもしれません)。あり得ないようなウソをつき、常人には考えられないような不正を働いても、平然としている。一歩井手外見は魅力的で社交的。トークはプレゼンも面白い。そんなイメージでしょうか。

    話は少し飛びますが、なぜ人は他人と協力できるのか?これは難しいテーマですね。ぼくは大学は経済学部ですが、経済学で最初に教わるのは「人は合理的であり、自分の効用(幸せや欲求などの総称)を最大化するように行動すると仮定する」ことです。そして、その効用のなかには通常他人の幸せは含まれません(間違っちゃいけないのは、経済学がそれを主張しているわけではありません。あくまでも分析を行うための仮定です)。そうすると、経済学のなかに出てくる人は基本的に協力しません。長期的な関係がある場合は、「もし相手を裏切ったらそのあと相手から罰せられるかもしれない」と考えて協力を選ぶ、という説明はできますが、もうこの先会わないとわかっている人にはこの理屈は使えません(経済学では繰り返しゲームといいます)。

    実際の人間は、経済学の分析結果からすると驚くほど協力的です。見ず知らずの人が困っていたら手を差し伸べるし、嘘をついたり騙したりするのは本能的にイヤな感覚がどこかあるものです。これは、遺伝的にヒトは協力的な行動をよいものとして捉えているからだそうです。そしてなぜそのようになったかというと、嘘をついたり騙したりせず協力的であるほうが、ヒトという種にとっては有利だったからです。ヒトは一個体としては弱い生き物ですから、協力しなければ他の種に生命を脅かされてしまいます。そこに他人を顧みない自分勝手なヒト(=サイコパス)がいたらどうでしょうか。集団としてはそれを許すわけにはいきませんから制裁を加えるようになります。不倫バッシングなんてその典型。反社会的行動をした人に対して罰を与えることに対して、ヒトは遺伝的に「快」を覚えるような脳の構造になっており、それが人類の社会性を保っているわけです。

    したがってサイコパスにとって、人間社会は生きにくいわけですが、一定割合(ある調査によれば100人に1人程度)は存在しているといいます。一見社会にとって害悪でしかないようなサイコパスですが、彼/彼女らがいたからこそ人類が反映してきた、という側面もあります。サイコパスはリスクを過小評価しますから、どんどん新しい挑戦ができる。また非常に緊迫してストレスがかかる状態でも冷静に判断ができる。そういう資質が求められる仕事って結構ありますよね。お互いを知ってうまく共存していく、という関係が良いのではないかと思いました。

  • 文献と事件を多数例に挙げながら「サイコパス」という気質を脳科学の視点で解明してくれる。
    推論の範囲ではあるが、この一冊を手掛かりに人格理解が一気に府に落ちるものとなるかもしれない。
    この本に書かれている知識は常識としてすべての人が知っておくべきではないかと思うほど。
    サイコパスには罰がほとんどまるで有効ではない。
    幼少期までの教育において「正しく」導くしかない。
    人類史上において彼らに何らかの存在意義はあるということ。

  • ジェーン・スーさんの対談本よりここに来ました。

    読みやすくわかりやすい。もっと著書を読んでみたいと思いました。

  • 身近にサイコパスと思われる人間がいると、ほんとうに頷くことばかり....

    ******************************
    ありえないようなウソをつき、常人には考えられない不正を働いても、平然としている。ウソが完全に暴かれ、衆目に晒されても、全く恥じるそぶりさえ見せず、堂々としている。それどころか、「自分は不当に非難されている被害者」「悲劇の渦中にあるヒロイン」であるかのように振る舞いさえする。

  • この本を読んで思ったのは、ソニーにはサイコパシーの高い人がたくさんいたということ。ホント、しれっと嘘をつけるヤツ、多かったなー。

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著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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