歴史の授業で習う程度のことしか知らなかった武則天について学ぶことができた。
小説のような語り口で大変読みやすい。
日本も律令政治のお手本にし、唐三彩や漢詩などの文化も花開いた「唐」という王朝はこれまで漠然と安定した王朝だと思っていたが、非常に不安定で危うい緊張状態の上にあったのが面白い。貞観の治という今でもお手本にされるような太宗の治世のすぐ後に武韋の禍が起こっているのはなんとも皮肉だね。
武后の執念たるや恐ろしという感じ、民草を塗炭の苦しみに陥れておいて君主は何をか云わんやという感じ。武后は好きにはなれませんが本書は良書です。