失敗の科学 [Kindle]

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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感想・レビュー・書評

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  • 非常に実践的に書かれた本だと思う。(一番簡単なものは即日実行できるレベルのものだ)
    人はなぜミスを犯すのか、ミスを非難する環境が生み出すものは何か、自らの過ちに対してどう向き合っていくべきなのか…過去の重大事故の実例を通して、要旨を欠落させる事なく非常に単純なレベルに落とし込んで説明するのがとても上手い。
    自分のミスに正面から向き合って分析・対策を行い、他人のミスに対してその原因を単純なものに求めない。それが良い人間関係や組織を生み出す源泉となるのだろう。

  • 失敗の大切さがわかる本。とても良き本だった。また読み直したい。

  • 様々な業界や時代の事例を元に失敗から学べる事が体系的にまとめられている。まさに失敗を科学してどのように活かすべきかマインドや手法についても語られていたので参考になる部分がとても多い。

  • 全人類の人に読んでほしい本。

    失敗について
    ・失敗を恥/悪いものと考えてしまう(批判されたりするのも一因)
    →結果、隠蔽や失敗がなかったものとして考える
     
    失敗は最高の学習機会と考えるべき
    ・人類は失敗から学んでこれまでを実現してきた
     →早く失敗することで悪い部分を無くせるし完璧なものなどないから早く失敗するべき

    めちゃくちゃ納得感があるし自分自身もそれでありたいと思うが、ただそのマインドが在る(発生する)のはやはり自分自身が得意なことだったり興味があるもの、使命感なのかなと感じる。

  • とても心に響いた1冊でした。
    失敗を恐れてはいけないって、みんな知ってるのに恐れてしまうのはなんでなのか、よくわかった。
    ひとことで言えば世間や組織が失敗を許さないからなんだけど、そこにどう向き合うべきなのか、大切なことがぎっしりと書かれていた。

    成功するために、何度も失敗しなきゃいけない。
    これは自分の人生哲学にしたいなぁ

    第1章
    航空業界からミスの再発防止を学ぶ
    医療業界にはミスを言い逃れる文化がある。私も医療業界にいてこれは同感。
    航空業界にあって、医療業界にないものから見てえ来る。ミスに対する考え方の違いやシステムが根本的に違った。
    これすごく思い当たる。
    医療業界の風土としてインシデントレポートが共有された時、「なんでこんな有り得ないことが起こるの?」という感情が表に出やすい。それにみんな同調する。
    でもこれはある意味思考停止。「私たちはこんな馬鹿なことしないよね」という思い込みを強くするだけ。
    人のバイアスの恐ろしさに論点を持っていくべき。
    個人への非難ではなく分析と対策が大事。

    第2章
    自分の信念と実際の結果が違うものになったら人はどうするか。
    自分の非を認められる人は少ない。失敗から学べないことは成長できないこと。
    記憶はバイアスのもとにある。
    人のバイアスの恐ろしさを痛感した。自分もこのバイアスに陥る可能性があるという認識を持って、クリティカルシンキングの姿勢を大事にしたい。

    3章から最終章もとても興味深かった。

    問題に直面した時、失敗から学ぼうとするか、自分には能力や才能がないのだと思うかで結果は変わる。
    試行錯誤がテクノロジーを生み、そこから科学理論が誕生する。
    RCTという精度の高い検証方法がある。(もちろん万能ではない)
    社会は複雑なのに人間の脳は単純化したがる。
    絶対的な思想に支配されていた原始社会に、それが誤りであるという批判が許容されたのは古代ギリシアが最初。

    失敗に対する意識が変わったので、あとは実践あるのみ。
    とにかく行動していきたい。

  • 本文抜粋メモ

    「クローズド・ループ」とは、失敗や欠陥にかかわる情報が放置されたり曲解されたりして、進歩につながらない現象や状態を指す。逆に「オープン・ループ」では、失敗は適切に対処され、学習の機会や進化がもたらされる

    失敗から学ぶためには、目の前に見えていないデータも含めたすべてのデータを考慮に入れなければいけない。次に、失敗から学ぶのはいつも簡単というわけではない。そんなときはこのケースのように、注意深く考える力と、物事の奥底にある真実を見抜いてやろうという意志が不可欠だ。これは爆撃機や軍の問題だけでなく、ビジネス、政治、その他さまざまな分野に当てはまる。

    経済学者、そのほか誰にでも起こり得る。 事実をありのままに受け入れることは難しい。大きな決断であれ、小さな判断であれ、当人の自尊心を脅かすものなら何でも認知的不協和の引き金になる。いや、むしろ問題の規模が大きければ大きいほど、自尊心への脅威も大きくなっていく。だから手術中の事故は「よくあること」と処理され、DNA鑑定の結果は「未起訴の射精者」を生み、教祖の予言が外れると「自分たちが信じたから、神様が世界を救ってくれた」と感激する。

    生物学者チームはまず、目詰まりするノズルの複製を 10 個用意し、ひとつずつわずかな変更を加えて、どんな違いが出るかテストしてみた。つまり、あえて「失敗」した。「ノズルを伸ばしたり、短くしたり、大きな穴や小さな穴を開けたりしました。内側に溝を掘ったこともあったかもしれません」とジョーンズは当時を振り返る。「しかし、そのうちひとつが小さな結果を出したんです。ほんの1、2%なんですが、オリジナルのノズルより生産性が向上しました」 そこで今度はその「成功」モデルを基準にして、また少しずつ違う変更を加えた型を 10 種類作ってテストした。その後、チームは同様のプロセスを何度も何度も繰り返した。こうして 45 世代のモデルと、449回の失敗を経て、チームは「これだ!」というノズルにたどり着いた。それまでよりはるかに効率のいいノズルの誕生だ。

    マージナル・ゲイン(小さな改善)を思い出してほしい。問題が大きくて大変なら、小さく分解すればいい

    ビジネス、政治、航空、医療の分野のミスは、単に注意を怠ったせいではなく、複雑な要因から生まれることが多い。その場合、罰則を強化したところでミスそのものは減らない。 ミスの報告を減らしてしまう だけだ。不当に非難すればするほど、あるいは重い罰則を科せば科すほど、ミスは深く埋もれていく。すると失敗から学ぶ機会がなくなって、同じミスが繰り返し起こる。その結果、さらに非難が強まり、隠蔽体質は強化される。

    個人でも組織でも、失敗に真正面から取り組めば成長できるが、逃げれば何も学べない。考え方の違いは脳波に如実に表れるのだ。 失敗から学べる人と学べない人の違いは、突き詰めて言えば、 失敗の受け止め方 の違いだ。成長型マインドセットの人は、失敗を自分の力を伸ばす上で欠かせないものとしてごく自然に受け止めている。

    自分の考えや行動が間違っていると指摘されるほどありがたいものはない。そのおかげで、間違いが大きければ大きいほど、大きな進歩を遂げられるのだから。批判を歓迎し、それに対して行動を起こす者は、友情よりもそうした指摘を尊ぶと言っていい。己の地位に固執して批判を拒絶する者に成長は訪れない。我々の社会に大きな転換が起こり、ポパー的な反証主義で批判をとらえる姿勢が広く浸透すれば、私生活にも、社会生活にも革命が起こり得る。もちろん、仕事をする上でも例外ではない

    らかじめプロジェクトが失敗した状態を想定し、「なぜうまくいかなかったのか?」をチームで事前検証していくのだ。失敗していないうちからすでに失敗を想定し学ぼうとする、まさに究極の「フェイルファスト」手法と言える。チームのメンバーは、プロジェクトに対して否定的だと受け止められることを恐れず、懸念事項をオープンに話し合うことができる。

  • 実例を挙げて書かれているので、最後まで興味深く読めた。

    全体的にダメな例として挙げられていた人たちの行動や考え方は、某問題で保身をはかる企業や自分たちの発言やふるまいを棚に上げて追い込んでいく人たちにぴったり当てはまっていて納得だった。

  •  

  • 電子ブック(LibrariE)
    https://web.d-library.jp/shobi_u/g0102/libcontentsinfo/?cid=JD202105000258
    ※ログインの利用者IDは学籍番号、教職員はFから始まる8桁の番号です。
    PWはメディアセンターからのメールをご覧ください。

  • 1,
    読む前、この本は組織的に大きなもの、会社などについて説明した本かと思われたがそうでなかった。失敗と科学という

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著者プロフィール

作家、英『タイムズ』紙コラムニスト。オックスフォード大学哲学政治経済学部を首席で卒業。卓球選手として活躍しオリンピックにも2度出場。著書に世界的ベストセラー『失敗の科学』『多様性の科学』他。

「2022年 『才能の科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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