最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • Kindle Unlimitedで『感動小説』の売り出しが気になって読んでみました。うーん、何となく漂うキャラ小説感とご都合主義的キャラの配置がなんとも……。音山先生、絶対このためにいたじゃん的な……。「もし自分が遺された家族だったら、もしくは患者本人だったらどうするか」みたいな部分で考えさせられる物語ではあったし、まりえの両親の「生きていてくれるだけでいいのに」にはちょっとうるっときたので星は3にしておきます。でも再読&続編はいいかなって感じ。

  • 3人の医者、違う考え方を持っているけど本質は同じ。
    亡くなる側の気持ちと周りの気持ち。

  • ブクログ高評価作品ということで手に取る。
    死に至る病気を抱える患者に対して、2人の医師の対比。何としても治療をして病気に打ち勝つ医療をしたいと思う医師と、現代医学の限界を知り自分らしく死を選ぶことも選択肢に入れて患者の意思を尊重する医療を行う医師。
    私の心が弱っている時期だが、もっと大変な人は沢山いるよな、私はまだまだ頑張れるよなと思う。私が重い病気になったときにも再度読もうとも思う。
    3人の患者の病気を通し、患者も医師も成長する。医療・死とは、自分と向き合うこと。

  • 同じ病院働く3人の医者。同じ大学卒業の3人だが。
    余命宣告された患者への対応が異なり、
    白血病、ALS、末期がんの患者を通して死とはどういうことなのかを
    考えさせられ。抗がん剤治療や、どんどん弱くなる自分が生々しく
    描かれていた。

    【医者】
     福原:最後まで「生」を諦めない。
     桐原:「死」を受け入れて、どう生きるかを考える
     音山:2人に対して、患者に寄り添えてないと悩んでいる。

    私は、どれくらい生きるかも大切だが、死ぬ時は死と向き合いたいと思った。

  • 大事な人だからこそ、真剣にその死に向き合うべきだと思う。。
    桐子の言葉に賛同したい部分と抗いたいオレがいた。。
    マウスピースを噛ませて鼻孔にいれる医療は本当にあるのか??専門家に聞きたい。。

  • 「桜」をテーマにした小説を読みたいと思ったが、桜がほとんど出てこなかった。物語の終わりに、やっと桜が出てきた。生と死をテーマにした小説だった。3人の大学同期の医師。奇跡を最後まで信じる福原。延命治療は無駄だと思っている桐子。患者と一緒に悩もうとする音山。人間は必ず死ぬ。その死と向き合う3人の医師。それぞれは、死と医療に対して、全力をあげて格闘している。
    急性骨髄性白血病にかかった営業マン。妻は子供を身ごもっている。そんな中で、突然襲いかかる病気。医師の説明は、その施術の確率ばかりいう。何%は治り、何パーセントは死ぬ。確率で自分の死を決められたら、たまらないと思う。自分にとっては死と生しかない。嘔吐し、脱毛し、苦しみ、恐怖、絶望というどうにもならない追い詰められた状況。自分で決められなかった自分の生き方。妻に求愛したときに初めて自分で決断した。そして、白血病に対して立ち向かう選択肢に対して、二度目の自分の決断。妻は、なぜそうしたのかがわからなかったが、夫の手紙で初めてその意思を確認する。手紙の内容は優れていた。その手紙に久しぶりに涙が出た。
    筋萎縮性側索硬化症(ALS)にかかった女子医学生。確実に死に至る病。全くもって理不尽な病気が襲いかかる。なんのために、医者になろうとしたのか?両親は優れた医師だった。医師になるというと医師である母親は喜んだ。両親が喜ぶために医師になろうとしたのか?死を目前として、これまで努力したのは、無駄だったのかと悩むまりえ。それにつきそう音山医師。なぜまりえを見守りたいのか?医師として、福原や桐子の強い意思を持っていることとは、自分は何かが足りないことを自覚する。福原は、最後まで医学を目指せといい、桐子は医大をやめて残りすくない時間を自分の好きなことをしろという。音山は、判断できず一緒に悩むことにした。死を受け入れることの重みが、医師として目覚めていく。治療不能の難病に対して、医師はどこまで、何ができるかを問う。
    喉頭癌の発見が遅れ、転移までしていた音山医師。福原は、奇跡を信じて最善を尽くそうとする。桐子は、初めて友人が死ぬということに、死んで欲しくないと思う。音山は両親をなくし、祖母に育てられた。認知症にはいった祖母は、音山が電話すると記憶が戻り元気になる。音山は、声をなくさない治療方法を選択する。
    3つの死を見つめながら、生きるとは何か?医師のできることは何か?を問い続ける。
    桜の花びらが、散るときに、医師は何を思うのだろうか?いい作品だった。あざとさがあるが、それでも、久しぶりに泣いた。鮮やかな桜を見上げて、想う。やっぱり、死にたくはない。ジタバタして、生き抜くしかない。

  • すごかった。人の死をテーマに書いているのに重すぎず、どんどん引き込まれて読んだ。医者でないのに、ここまで臨場感あふれる描写ができるなんてすごい。医者の立場、患者の立場、それぞれ真に迫っている。
    続編も読みたい。

  • 自分が乳ガンになったときのことを思い出した。幸い超早期発見で、抗ガン剤すら使わずにすんだが、検査結果がでるまで死を意識した。この本を読んだことで、改めて自分の死に様について考えさせられた。読んで良かった。

  • 難病で亡くなる若者の最期を描いた3つの短編から成っている。最後まで完治を目指すとか死を受け入れるとか人によって様々なんだけど、自分ならどうするかなあと。それから皆が平均寿命付近まで生きられるわけではないのだなあと再認識して刹那主義が加速してしまったような…

  • 自分の時には判断できるだろうか。
    自分の大事な人だったらどうだろうか。

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著者プロフィール

1985年、東京生誕。一橋大学経済学部卒。著書は他に「!」「!!」「!!!」「!!!!」「暗黒学校」「最悪彼氏」(ここまですべてアルファポリス)、「占い処・陽仙堂の統計科学」(角川書店)、「一番線に謎が到着します 若き鉄道員・夏目壮太の日常」(幻冬舎)などがある。

「2016年 『殺人鬼狩り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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