ACCA13区監察課 6巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックスSUPER) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「裏切り者」テーマで勧められて読んだ本。

    著者独特の世界観は心地よいものの、社会描写や人間描写がどうにも女性的すぎてリアリティを感じず3巻でリタイアしようとしたものの、Wikipediaで結末を観たら面白そうだったので読破した。最後まで読めてよかった。面白かった。


    ■微妙だった点。

    先にNGポイントをあげておく。

    「スイーツだけで満足する男性社会」というか、いちいち乙女すぎるというか、ちょっと空想的すぎる人物像系(AV女優のそれに似ている)がきつかった。スイーツで満足自体はいいんだけど、それ「だけ」で完結してしまうのはどうにも…。

    妹のロッタちゃんの造詣もずいぶんとカマトト的。

    また、社会造形もいかにも作り物的で、王族・王家も登場しつつ軍事描写がほとんどなく、少女漫画の世界というか、血生臭さを一切排除した「小奇麗」な感じ。ただこれは、人間関係を描くのがメインなので、むしろフィクションであることを前提にはしているだろう。

    象徴的なのがドーワー王国の鳥状の地図で、これはつまり「おとぎ話ですよ」ときっちりリアリティラインをコントロールする役割を果たしていたことになる。

    五長官がだらだらコーヒー飲んでるだけだったり、仕事も「監視してデータを送る」とは書かれつつも暇そうだったり、仕事や組織運営に関する解像度もとにかく低い。

    ただ、フラワウの動機が資源の国土への収奪といってたけど、だったら一番最初からクーデターの候補として挙げられていなければおかしい。ここを最後まで隠すのはずるいが、よく考えなければ気にならないのは手品的でもある。

    というか、13か国の外側はどうなっているんだろう。とか、真面目に社会のことを考えると無粋になっていく。そんな作品。


    ■面白かった点

    渡されるタバコの意味や、クーデターの噂が、物語としてもどこまでシリアスなのかよくわからないまま、日常モノの空気感で進行していく。

    やはりハイライトは5-6巻で、主人公ジーン・オータスの出自が明らかになり、たばこの意味なども明らかになってい、いよいよクーデターが真実味を帯び、物語がどう収束するのかは緊張感があった。

    逆にそれまでの面白さはというと、監視役「クロウ」の正体が早々に明かされ(1巻ラスト)、ジーンとクロウの「友情と監視」という関係性がBL的空気感の中で提示されて、この「人間関係」がひとつの軸となる。

    もちろんこれに加えて、各地を巡っての食べ物事情だったり、周辺の登場人物の人間模様や、そして5長官のひとりグロッシュラーがクーデターの首謀者ではないか、といったサスペンスもヒキとなる。

    でもまあやはり物語の面白さは人間模様と、世界の日常描写であり、つまりは著者の「文体」がモノを言っている作品と言える。

  • 鳥型の国、ピースとなる13区は細部までつくりこまれ、そのディテールに悶絶。国土、地域性、制服、風俗…だけでも読む価値ありだけれど、全6巻を通してすすむ高齢の国王を背景に計画されたクーデターの静かなる決着がまたいい。

  • ACCAのクーデターははてさてどうなることやら。ジーンの出生が知られたことから何かが転がるかと思いきや、当の本人はどこ吹く風。淡々と監察をすすめるジーン。「予算を制服に回さないのは、我々区民の選択なのだから。そこに後ろめたさはない。ただやはり、指導者として恥じることはある」13の区は文化も風習も肌の色も考え方も異なる。区長の思いは複雑だ。「人に国に関心を持たれたほうがよろしいのでは」バカボン扱いされていた王子も悪い人ではないし、その考え方も悪くはないが。側近の言葉にはもう少し耳を傾けたがよいよ。

  • ACCA13区監察課、最終巻。

    読み終わったけど、なんだかいろいろなところが腑に落ちない。読み返したらわかるのか。読み返してもわからないような気がする部分もあって、うーむ。1月からアニメが放映されるようなので、それを見ながらもう一度考えてみるか…。

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著者プロフィール

2003年『LA QUINTA CAMERA』 でデビュー。『さらい屋五葉』(全8巻/小学館)『リストランテ・パラディーゾ』(全4巻/太田出版)『ACCA13区監察課』(全6巻/スクウェア・エニックス)など映像化作品も多数。
「モーニング・ツー」では『Danza』(全1巻)『COPPERS』(全2巻)『つらつらわらじ』(全5巻)『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』(全4巻)を連載。

「2023年 『ザ・ゲームスターズ(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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