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- / ISBN・EAN: 4988102512187
感想・レビュー・書評
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ガーダ・ヴェーナ ファンの私としては、やっとついに願い叶ったりな想いで鑑賞しましたが、堪えきれず観ながら号泣してしまいました。
私もトランスジェンダーなので、その痛みや苦しみ、絶望、普段の馴染み深い感覚をトム・ヒドルストンのちょっとした表情から容易に察してしまい…トランスジェンダーではない彼が、これ程複雑な心的葛藤を演じられるとは、まさに非凡な才能を持った俳優だと驚愕。
ゲルダ(ガーダ)がリリーに献身的に尽くす姿も痛々しく、場面を追うごとに悲しく辛い気持ちがどんどん膨れ上がって行く…。
性的アイデンティティに関わる問題は自己の存在の根幹を混乱させ、生死にも関わることなだけにリリーには他にどうしようもない事だった。とはいえ、置いていかれて後に残されたゲルダが可哀想でならなかった。
現実のリリーは晴れて男性と結婚し、子宮の移植もした(が、成功せず術後の合併症で亡くなった)ようで、恐らくゲルダも絵の作風からレズビアン指向のある女性だったと思われます。実際の所はゲルダはリリーの女性化を喜んで応援していたのでは?と映画とは全く違った状況だったのではないかということは想像出来ますが…
もしそうだとしても、危険な手術を繰り返すリリーへの心配はどれ程のものだったのか、想像するに耐え難いなと。
果たして、ここまでの試練を乗り越えられるカップルは世の中にどれだけいるのか?彼女に愛されたリリーは本当に幸せ者だと羨ましく思いつつも、存在の核となる部分に大きな問題を抱えていると(特に性に関する問題は、恋愛関係のみならず生きること全体に大きな支障となる)他者との関係はなかなか上手く行かないものだよなとシンミリしてしまいました。
すべてが自分ごとに変換されてひどく観るのが辛い映画ではありましたが、トム・ヒドルストンの演じるリリーの憂いを帯びた繊細な美しさや、当時のアールデコ調のインテリアやファッション等、美しい映像の数々は視覚的に非常に楽しめました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いいから、観て。偏見に凝り固まった古典的な脳の持ち主これ観て浄化されたまえ。
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美しい映画。
全体にわたって、どこかメランコリックで、繊細で慎ましやかな美で埋め尽くされている。
リリーもゲルダも美しい。所作も衣装も、部屋も街も。
私が思うこの映画のすごいところは、リリーとゲルダの一般に理解し難いであろう関係性を、尊重しつつ紐解こうと試みているところである。トランスジェンダーへの理解は勿論のこととして、要は、この二人の愛について、理解まではいかずとも受け止めることができるかが、観客の分かれ目ではないかと思う -
ゲルダが怒りや戸惑いを抱えながら、それでもリリーに向ける惜しみない愛情に胸を打たれる。
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エディ・レッドメインはファンタスティック・ビーストから、物語の人物がうつる、と思ってから好きな役者さんの一人です。体つきなどの男性らしさを隠せない部分を、本人の女性像が仕草や表情を上回って、リリーという女性そのものになる。男性としても女性としても美しい。夫として求める人からでは、利己的に映るのかもしれない。けれども、分裂する苦しさ、葛藤は少数派にしか分からないことで、自らで手一杯になるのも必定だとも思う。だから本当に自分を手にできたという、瞬間は儚くも幸福そうで美しかった。
妻であるアリシア・ヴィキャンデルの葛藤もまた美しい。作品すべてを通して非現実的な美しさがある、幻想的な物語だった。 -
LGBTの原因について調べて見た。妊娠中の母親のストレスによって、脳と体の不一致が起こるらしい。誰にでもありうること。
世界初の性適合手術、成功して欲しかった。
エディ・レッドメインの演技が、素晴らしい。どんだけ研究したんでしょう。局部も見えており、ビックリ。役者根性ですねー。
マティアス・スーナールツがセクシーすぎて鼻血でそう。
007のQ役ベン・ウィショーも出ており、いろんなイケメンが堪能出来て満足。