WHITE NOTE PAD(2) (FEEL COMICS swing) [Kindle]

  • 祥伝社
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感想・レビュー・書評

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  • 買っていたんだけれどあらすじを見て、男性側がみじめな描かれ方をしているのではないかと思い込み、若干の敬遠をしたまま積読していた作品。
    結果そんなことなかった。むしろ逆でしたね。読後に想像していたような辛さはないです。

    身体を引き算した自分はイコール精神と単純には言えない。でも何かは残るはずで、何も残らなければ今ある「わたし」は何なのだろう。残った何かは本質的な「わたし」なのか。
    結論は「わからない」ということで、タイトルを回収していく。ヤマシタさんの突き放し方、分かり合えないものへのスタンスが出ているような気がします。

    シンプルなアイディアに入り組んだ挑戦が入っていて、一読だと飲み込みきれなかったかな、という感じ。そのうちまた読みます。

  • 2巻で完結。「君の名は。」的な定番入れ替わりものも設定と展開次第でここまでヒリヒリするんだという良いお手本。入れ替わりという状況を受け入れていくというのは、北村薫の「スキップ」と通じるところがある。
    109

  • 「違国日記」が良かったので、その作家さんの漫画をもう1つ読んでみました。
    これも良かった。

    38歳の自動車修理工のおっさんと、17歳の高校生の女の子の中身が入れ替わってしまう、という話。

    男女で中身が入れ替わっちゃう、というのはテンプレとしてすでにあるけれど、コミカルな描き方で、結局ラブコメになって最後は元に戻る、というのを想像してしまうけれど、この話は、もっとリアルに、心情を描いたもので、いろいろと考えさせられました。

    中身おっさんの女子高生は、人生再スタート!という感じで、冴えない高校生から、読者モデルに転身。

    中身女子高生のおっさんは、仕事もできないし、記憶喪失でなかなか仕事に雇ってもらえない、という状況で苦労している。

    1年後ぐらいにお互いに「再会」して、読者モデルをしている雑誌社で一緒に働くことになり、互いの記憶が溶け合ったり、生き方を模索したり、人間関係で悩んだり…。

    明るい展開の物語ではなかったけれど、自分の人生をこんなに真剣い深く掘り下げて考えたら、なんだか、怖いな、と思いながら読みました。


    一生懸命頑張っている2人ともが愛おしい作品でした。

  • 強くてニューゲーム。ちょろいと思った読モは「若さ」で売れる時間があっという間にすぎる。木根であることにこだわる葉菜。侵食もしくは融け合う。自分が自分でなくなる恐怖に不安。一方のかつての葉菜である木根はお寿司の差し入れを喜んだり、木根としての人生に順応している。現実を受け入れ、受け止め、進む。傍目に変わったのはなんなのか。忘れることが悪いことじゃなくて、脳が必要とした結果の結論で、忘れて変わって、その繰り返しの残ったものが「わたし」。余韻というか余白がありすぎて戸惑う終わり方が、面白い。

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