海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~ [DVD]

監督 : ジャンフランコ・ロージ 
  • ポニーキャニオン
3.70
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本棚登録 : 28
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013339590

感想・レビュー・書評

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  • ナレーションの無いドキュメンタリー。

    イタリアの島の素朴な少年の日常風景と、その島にたどり着こうとする各国の難民たちの姿を交互に描く。

    遠い国の遠い出来事だと思ってしまいがちなわたしには目に痛い、耳に痛い、心に痛い映画でした。

    特に印象的なのが難民の方が避難所のようなところで歌うラップ。魂の叫び、ってわたしが言うと軽く聞こえるけど、そうとしか表現しようのない。無表情なままで涙を流す方も、たどり着く途中で命を落とされる方も大勢いる。

    一方、その島に住む少年は家族に愛され、よく食べ、よく遊び、スクスクと育っている模様。木の枝でパチンコを作って鳥を狩るのがブームらしい。

    そのふたつの世界を繋ぐのは少年の祖母が聴くラジオのみ。
    たぶん、わたしがニュースを見るのと同じ感覚で聞いているのではないか。

    ラスト、海の桟橋に座った少年の繰り返すしぐさが、わたしたちにこの問題とどう向き合うのかを問いかけてきているような気がしました。

  • これまたすごいドキュメンタリー。
    昨今、難民を描いたヨーロッパ映画は多いけれど、ドキュメンタリーで観せられるとガツンと衝撃を受けます。
    イタリア最南端の島での日常、難民達の過酷な状況。
    島の子供を撮っている意味(残酷さと優しさ)もラストにわかり、私たちがどうすべきか考えさせられます。

  • 穏やかな島の暮らしと、海を渡ってやってくる移民たちの過酷さとがコントラストをなす。
    本作では、その両者を縫い合わせていくような存在として、少年がいる。アキ・カウリスマキの映画を観ていると錯覚させられるような場面がいくつもあった。
    「それでもユーモアはかろうじて死なない」。本作はその主題の変奏曲のような作品だった。
    後半、桟橋の両脇で波に揺れる船が、島民と移民という区別を超えて、この世界に存在する人々の魂のゆらぎように思えてならなかった。

  • 非常にレビューや評価が難しい作品。
    これを機内で観たのが失敗で、画質が悪く暗いので途中何してるのか全く分からないシーンが何箇所かあり、そこを含めて正当に評価できる立場ではないけれど、1つ言えるのはかなりドキュメンタリー映画を特化して観ているような人向けかもしれません。

    イタリアの最南端にあるランペドゥーザ島にあるごく当たり前の長閑な日常を見せながらも、アフリカに最も近いヨーロッパということでこの島に次々に押し寄せる、アフリカや中東出身の難民たちの命の叫びを映し出します。
    まずナレーションが全くないので、多少の難民の現実に対する知識や、想像力を要するつくりかた。
    勿論ストーリーがある訳ではないので。何も考えずに観ていると当たり前の日常の一コマ一コマでしかないけれど、そうなってしまいがちな事がある意味恐ろしい。

    小さな島で繰り広げられる子供達の穏やかな日常と、生きることに必死な難民たちの姿。
    両者は交わることなく、同じ島に存在する人間だけども、与えられた運命は全く違うという現実。

    この小さな島の出来事は地球の出来事そのものであり、私たちは何も知らずに穏やかな日常を過ごすこの島の子供たちのようなものなのだろうか。

    こうして映画を観ている私もこの難民たちの姿を、一体いつまで遠い国の全く関係ない出来事として認識し続けるのだろうか。

    そういうぞわぞわ感が観てしばらく経ってから湧き出ていまもシコリのように残っているし、これを観てそう感じた以上、ニュースで難民の映像出た時の感情は多分、今までのものとは違うものになるかもしれない。
    そう思うとやはりこのドキュメンタリー映画はある意味とても考えられて作られているんだろうなと数日経った今になって思う作品でした。

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