- Amazon.co.jp ・電子書籍 (177ページ)
感想・レビュー・書評
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タイトルは多分、映画化もされたマンガ『風俗行ったら人生変わったwww』のパロディであろう。本書を知ったきっかけは、2015年3月に観劇したアマヤドリ「悪い冗談」のアフタートークゲストとして著者が招かれていたこと。トーク内容の大半は失念したが2020年五輪開催を前に東京の風俗店が排除されることへの危惧(これは芝居のテーマにもなっていた)を語っていた覚えがある。あと、「www」は「ウェイウェイウェイ」と読むらしい。
序章 不幸物語の終焉
第一章 風俗で働いたら人生変わった
第二章 だから風俗嬢は面白い
第三章 風俗嬢とは一体何者なのか
第四章 風俗を巡る誤解と偏見
第五章 誰が風俗嬢を殺すのか
第六章 これから風俗で働く人のために
女性が風俗で働くことは「金のために行き着く最後の手段」というイメージがある。以前読んだ『最貧困女子』もそういう認識だった。多くのセックスワーカーがそういう背景を持っているのは事実だろう。著者が風俗で働くようになるまでの経緯もやはり不幸な環境によるのだが、しかし著者はこの仕事に対して誇りを持ち、肯定的に捉えている。
風俗嬢や風俗業界を取り巻く環境は偏見や誤解が多く、差別的な扱いもされる。風俗嬢自身にも色々な問題があることは認めつつ、それを克服し、よりよい業界にしていこうとする姿勢は感心する。特に、風俗嬢として働く人々に様々なアドバイスをする第六章は他に例を見ない指南書ではないだろうか。
読者として想定されているのは客となる人々と風俗嬢として働く女性達の両方で、特に後者に対して様々な知恵やアドバイスを伝える部分は責任感のある先輩の言葉として温かみを感じる。私自身はどちらにも該当しないのだが、しかし世の中には間違いなくそういう世界があることを真摯に受け止めたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示