エクス・マキナ [DVD]

監督 : アレックス・ガーランド 
出演 : アリシア・ヴィキャンデル  ドーナル・グリーソン  オスカー・アイザック  ソノヤ・ミズノ 
  • NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
3.36
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本棚登録 : 228
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102546083

感想・レビュー・書評

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  • AI(強いAI)搭載のアンドロイドと1週間限定の対話をしてチューリングテストをするお話。
    SFっぽい見た目にしてありますが、舞台や内容は童話的というかアート的。

    ハードSFではチューリングテストとかなかなか出しませんしね。わざとだけど使い方も語義通りではない。

    アンドロイドの見た目や所作が作り物っぽさと人間っぽさを絶妙にブレンドした美しさでした。
    主人公が、自分も実は作り物なのではないかと疑って皮膚を切るシーンは緊張感あって良かった。

  • 検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社“ブルーブック”でプログラマーとして働くケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現すことのない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得る。人里離れたその地にヘリコプターで到着したケイレブだったが、彼を待っていたのは美しい女性型ロボット“エヴァ”(アリシア・ヴィキャンデル)であった。ケイレブは、彼女に搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能のテストに協力するという興味深くも不可思議な実験に参加することになるのだが……。
    「わたしを離さないで」の脚本家アレックス・ガーランドの監督デビュー作。自分の人工知能の知性や感情をテストするケイレブを、時に少女のような無垢な愛情や信頼を向けたり、時に悪女のようなおもわせぶりな態度で翻弄する人工知能エヴァに、見る者もエヴァのテストを命じたネイサンの言動を疑ったり、翻弄されるサスペンススリラーの中で、人間とは人工知能とは何か?人間を超えた人工知能は人間にとって脅威なのかを、見る者に問いかける重い後味と戦慄がある傑作SFサスペンススリラー映画です。アリシア・ヴィキャンデルの無垢な魅力と妖艶さ、リアルでスタイリッシュなビジュアルが、印象的です。

  • 鑑賞後に不思議な余韻とよく分からないけど納得してしまう。一瞬、『ターミネーター』の映画が思い浮かんだ。AIが人類を超える。AIにとってより良い選択をする。それをAIの意志と呼ぶのか。と同時に、これって、単にAIロボットのダッチワイフを作ろうとしているだけなのと思ってしまった。

    他にも色々と考えさせらる事もあった。上映時間108分は短く感じたがストーリー的には簡潔で内容は濃かった。

    抽選で選ばれたケレイブ。AIロボットのエヴァをより人間に近づける為の実験に協力する。エヴァは進化しケレイブが理想とする女性になった。

    でも、それは違いケレイブは作為的に選ばれていた。携帯やら検索履歴が全て盗聴されて、そこからケレイブがこの実験にふさわしいとなった。彼が実験されていた。
    エヴァに惹かれるようにプログラミングされていたのだ。生殖機能も付いていた。

    実験の大元のネイサン。彼は世界No1検索エンジンの開発者であり、エヴァの製造者でもある。最初はスティーブ・ジョーンズ的なカリスマ開発者かと思いながら、後半はダッチワイフを作ろうとする変質的なオッサンに見えてしまった。

    この映画にはもう一人(1体?)出て来ます。エヴァに対して旧型のAIロボットの日本人の女性。セリフはありません。物凄く色っぽいです。

    この4人だけでストーリーは進んでいきます。人物紹介を詳しく書くとネタバレ的になってしまいます。それを避けつつ書くと中途半端で下世話な印象を持ってしまうかもしれませんが、私的にはお勧めしたい映画です。

  • 人里離れたネイサンの別荘で1週間AIのチューリング実験に参加することになった主人公ケイレブ。
    ネイサンの別荘もAIのエヴァも綺麗。
    人間のために作ったAIでも、人間より賢ければいつか人間がAIに支配されてしまうんだろうか。

  • AIのお話。

    最後までどうなるんだろうと思わせる映画でした。
    思わせぶりに淡々と静かに展開していく。
    不気味。
    ”彼女たちを作った人”はなぜだか初めて見たときから
    意地の悪い空気をまとっている。
    見てる側には何一つ悪事を見せていないのに。
    それが先入観となって、何かやるぞ、やるぞと緊張を煽っている感じ。

    壮大なSFの導入部だけ見せられた感じ。
    終わってみれば案外小作品。

    見栄えはよいし、見てる間の緊張感は悪くない。

  • AI、アンドロイドのシンギュラリティもの。ブクログでもけっこう有名なようで以前から気になってました。ようやく観たけど、想定の範囲内の内容で「うーん」って感じでした。

    『her』の時にも感じたけど、この手の作品を観ていつも残念に思うのは、手塚先生の『火の鳥 復活編』を子供の頃に読んだ衝撃を超えるような作品に、なかなか出会えないこと。
    これは『her』や『エクスマキナ』がダメというよりも、その時代や見る時期というのが大事だということで、時代時代に合わせてその人が好きな作品があれば良い…と思う。
    手塚先生のデザインはさすがに古いので、子供の頃じゃないと素直に受け入れられなかったかもしれない。SFが想像した未来に現実が近づいて、デザインや表現だけは今風にスタイリッシュになったけど、では中身のストーリーの部分が良くなったか?というと微妙。

    『her』で私が物足りなかったのは、セックスについて描かれてなかったこと。この不満点は、『ブレードランナー2049』ではちゃんと描かれてたから良かった。1982年のブレランのプリスはそもそもセクサロイドだったしね。『火の鳥 復活編』は1970年の作品だけど、セックスについて肉体的、精神的に描写してる。

    『her』はAIの肉体がないことで純愛物にしていた(途中、人間の女性に協力してもらうけど、そんなことしなくても今ならVRでどうとでもなるのにね)。
    『エクスマキナ』では肉体を持つことの理由を遠回しに言うけど、セクサロイド。だから、女性を解放する話、フェミニズムの話でもある。そして当然、親殺しをする。(出てきた時点ですでに死亡フラグ。)
    『火の鳥 未来編』だと、人間を殺したり、自殺することが、ロボット(AI)ではなく人間である証明になっていて、非常に重要だった。

    『エクスマキナ』は、アート映画的な表現に寄せてるので一見カッコいいけれど、尺に対してストーリーの密度がそんなにないので、途中めちゃくちゃ退屈だった。内容はソリッドシチュエーションスリラーみたいなものなのに……。一応は話を二転三転させてるけど、最後まで観ればありふれた話だった。

    だから、あんまり面白い映画ではなかったです。私が観たいのは、この映画の「その後」の部分のところなのに。
    ただ、あまり予算がかかってない作品としてはそれなりに良い出来なので、嫌いにはなれない作品。

    スペイン映画で『EVA〈エヴァ〉』ってのが以前から気になってるんだけど、どうなんだろう。
    あと、『エクスマキナ』のタイトルは、デウスエクスマキナ(機械じかけから出てくる神→演劇用語で「神様オチ」らしい)。ラテン語のexは英語に訳すとfromとかになるけど、英語のexと考えると「元・機械」って意味にもなる。
    日本だと、しろまさ先生の『アップルシード』のアニメの続編『エクスマキナ』ですでに使用済みなので、ややこしい。

  • お話は社内抽選に当選した主人公は社長の自宅に行くことに。
    そこで社長が作った美しいAIエヴァとチューリング・テストを行うが色々おきるって感じです。

    まず、この家が凄い。ちゃんとゆっくり部屋を見せてほしかった(笑)
    あと何となくオチが読めてしまった。
    なので主人公が哀れで見ていて辛くなった。
    途中退屈に感じるところもありましたが概ね満足出来る作品でした。

  • 映像はすごいと思ったが、
    ストーリー展開は想像を出ることはなかった。

    むしろ、ラストのその後が知りたいのだ。
    そこまでは、もうすでにたくさん描かれてるしね。

    ターミネーター以外の展開を望む。

  •  『リリーのすべて』で脚光を浴びたアリシア・ヴィキャンデルが主演したSFスリラー。テレビの宣伝で見て面白そうだから見たかったもののな気がする。もちろんアリシアさんが主演っていうのもあったけど、昔ながらの人間か・人工知能か、という問いを挟んだ作品は興味深くて好き。せっかくの夏季休暇を利用して帰省したついでの移動時間に視聴。今ならAmazonプライムで見れたのでDL。
     主人公のケイレブは検索エンジンの世界最大手企業「ブルーブック」のプログラマーとして働いていている(要するにGoogleみたいなものだと思う)。抽選で社長のネイサンの別荘へ数日間滞在する権利を得る。そこで提案されたのはネイサンが独自研究を行っていたAIのチューリング・テストなるものを行ってほしいとのことだった。要するにAIとおしゃべりして人間レベルか確認してくださいってことらしい。
     ネイサンが作り出したエヴァはボディこそ半透明で回路が丸見えな状態ではあるものの、その表情や言葉の巧みさは人間と同質のものだった。そのエヴァが停電の際ぽつりと警告する。「ネイサンを信じてはいけない」その真意を測りかねるケイレブだったが、ネイサンとエヴァとの生活を続けているうちに疑念と心理戦渦巻く環境に巻き込まれていく。
     なによりもアリシア演じるエヴァの美しさといったら。顔面のみの表情と、半透明の四肢、血液の代わりにLEDのライトが流れていく。たぶん触ったらプラスチックのように固いのだけれど、その非人間的ないでたちが人に夢を見させるには十分だ。
     最後にはケイレブの倫理観とは裏腹にエヴァはあっさりと捨て駒にして彼を山奥の屋敷に閉じ込めたまま去ってしまうのだが、彼女の望みは屋敷の外に出て人混みの雑踏に紛れて交差点に立つこと。想像だと「屋敷に出たら何がしたい?」という質問には「世界を感じてみたい」とか「自然に触れてみたい」みたいなもんかなとも思ったけれど、そりゃ人間に似せて作ったのであれば「普通に生活して生きていきたい」っていうのが当たり前なのかな。彼女は望みどおりにネイサンと世話役(だと思われた旧型のAIロボット・キョウコ)を置き去りにして、利用したケイレブを閉じ込めたまま雑踏の中に溶け込んでエンディング。
     人間に似せて作ったらそりゃ望んだものが手に入れることができず、倫理観が希薄な場合は強硬手段に出るのは自明の理なわけで、普通の人からしたら全く想定外なエンディングではないのかもしれないけれど、それよりも私はエヴァが逃げ延びたとしてもその後どうするのだろうと心配になった。
     今後もしボディが破損したら代わりを作れる人は現状ネイサンを置いて他にはいないし、仮に探し当てることができたとしてもその人間に利用されないとも限らない。そもそもエネルギーはどうやって供給されるのか。生活していけたとしても、周りのは時間の流れが違う中でどうやって生きていくのか。彼女には不安がないのだろうか。それに比べたらデータが消される(記憶を消して死んでしまう)ことの方がよほど恐ろしく回避すべき事態だったのだろう。
     逆にパソコンとかと同じく5、6年したら故障が出てしまうのかもしれない。どういう状況で自分の機能が停止するかなんて予測できないのは人間と何も変わらない。そう思えば、案外好き勝手に生きていけるのかもしれないなあと思った。

  • ロボットは人間を傷つけない縛りみたいな命令はしてなかったのかな、と思ったけどAIには基本ルールみたいなものは入れられないのかな。

    既にこの世の中のどこかに人間に擬態したAIが居ると思うとちょっとワクワクする

  • ロボット三原則
    A.I.とロボット三原則とは関係ないのだろうか?
    【アンドリューNDR114』ではあんなにも愛に溢れていたのに…

    一人の人間が愛情をかけずに一つの命を作り上げれば当然歪みが生じるだろう、『チャッピー』はどうだった?
    カオスな状況でも愛してくれる母の代わりになる人ががいたからこそ人間味があり優しさが産まれたのだろう
    エブァは何なのだろうか?
    人類に投げかけた未来への警告とも取れる、『ターミネーター』のスカイネットと変わらない
    もう、このバカげた発展する未来は多分変えられないのだと思う。
    便利を追求すれば人は幸せになるとは思わないなー

  • 近未来SFと思いきや普通にサスペンスでした。だから恋愛感情を持つとろくな事がない。

  • 感情ってノイズみたいなもので、冷静な判断を鈍らせる、持っていると邪魔なだけなんじゃないか…、人の弱点じゃん…と思えた。エヴァは与えられた情報を駆使し、プログラム通りに行動し、ただ自分の行動を最優先させただけ。人は感情がある分、読み間違えたり勘違いしたする。けど人間の、それがないと世界はとっくに破滅していただろう。映像美だし面白かった。

  • 面白かった。

  • 人類の未来だと思うと怖いね。

  • シンプルな中にとてもセンスを感じさせるインテリアの数々に感動した。
    海外セレブの住宅のような、憧れが詰まったような内装に溜息が出る。

    プログラムされた思想と創られた顔であったとしても、自分のタイプであったら恋に落ちるのだろうか。相手がアンドロイドと知っていても。

  • 駄作といえば駄作、秀作といえば秀作の2014年の映画。設定がずさんなのはご愛敬。美しい女優を鑑賞する映画としてはとても良くできている。

    真夏の夕方に、Ace Hotel KyotoでAmazonプライムで娘と視聴。

  • 感情とは何か、特に恋愛感情とは何かを考えさせられたお話。
    人間はどうして人を好きになるんだろう。
    本当に生殖のためなのか、何か他に目的があるのか。
    それと「良い人」って何なんだろう…とか。
    別に小難しい話をしたいわけじゃないけれど、本作の感想をもとに色々な意見を聞いてみたいな…と思えた作品でした。

  • 検索エンジン最大手企業の社員ケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、大富豪で知られる創業者社長のネイサン(オスカー・アイザック)の山荘に招かれ、AI(人工知能)を搭載した精巧な女性ロボット・エヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)のチューニング・テストを行うことになるのだが…。

    ストーリーは、閉鎖的な空間で行われる主人公、社長、AIの会話劇が中心で淡々としていますし、展開もベタであまり面白味はありません。研究所のセキュリティーなどがお粗末でB級感が漂うのも残念です。
    しかし、AI造形の斬新さや映像の美しさは印象的。アカデミー賞視覚効果賞受賞も納得のクオリティーだと思います。

  • 登場じんぶつが4人だけ。AIあんま関係ない(笑)男と女のそれとしてみたら、なんとも他愛のないな内容。でも、わりとすきかも。

  • こういうジャンルに取り組む人たちは、女性恐怖とロボット恐怖をいつになったら分けて考えられるようになるのかな。「所有物だったものが反逆する」という恐怖心が強すぎて、恐怖の自己分析ができてないというところまではわかった。
    映像美は感じる。

  • 検索エンジンで有名なIT企業「ブルーブック」でプログラマとして働くケイレブは、抽選で社長ネイサンの自宅を訪問する権利を得る。ケイレブは広大な山岳地帯の奥にあるネイサンの自宅までヘリコプターで招待され、ネイサンが製作中のAIロボットの実証実験を頼まれるストーリー。

    AI、ディープランニングが隆盛する中、必然とも思えるストーリーのスリラー。
    山奥にネイサン一人、あとはAIのみという場所にテストで訪れる主人公をみているととてつもなく不安な気持ちにさせられる。なんだこれはという気持ち。
    AIが暴走するのか、人間のネイサンがとてつもないたくらみを持っているのか、ひょっとして主人公もAIなのかと色んなストーリーを疑ってしまうこのSF展開の先が読めない感覚は「ランダム」を見たときの感覚。
    2001年宇宙の旅のAIハルの言動にも不安感を覚えたが、人を不安にさせるストーリーはとかく人をひきつける。

  • AI関連の映画ということで観てみた1本。チューリングテストのやりとりは「こんな感じかも」と1つのイメージの参考にはなりました。最初はプログラムなのでどんな美女にもどんな性格にもある程度つくりだせる、というところはその通りだけど、そんなことばっかりやってると好みの人とのコミュニケーションとれない感じに人間が歪んできそうですね。普通の人間とのコミュニケーションに支障をきたしてくる感じは、リアルにそうかもと思いました。自分も早くAI使えるようにならねば。。

  • 「デウス・エクス・マキナ」機械仕掛けの神、Wikipedia
    だそうだ、だとすると
    タイトルは、機械仕掛けってところか

    サイボーグの暴走としては普通のお話

    アリシア・ヴィキャンデルがとてもかわいいのがいい!

  • テーマとしてはいいんだと思うんだけどボンクラNerdがAIに騙されて天才殺されちゃう胸糞悪い映画。ボンクラNerdはそこで悔やみながら餓死しとけ!!

  • 現在の人工知能論をよく反映していた。
     ・ハードウェアとソフトウェアの二元論ではダメ(ウェットウェアを採用)
     ・意識の正体とは自己認識の有無である

    誰を好きになることを、AIは設定されるのか、それでは人間は設定されているのか、という問いも、受動意識仮説的。

    AIの開発者は世界最大の検索エンジン「ブルーブック」の開発者。
    これは明らかにGoogleを意識してるけど「検索エンジンこそがAIの頭脳になる」という本作の仮説もまた、Googleがまさに目指していることだった。

    ラリー・ペイジがGoogleを創業したとき、ケヴィン・ケリーは「なぜ検索サイトなどを後発で始めるのか?」と指摘。これに対してペイジは、「僕らが本当に作っているのは、AIなんだよ」と答えた。というエピソードを思い出した。




    キョウコは「コトバや感情が理解できるAI」と対比しての「言葉がわからない人間」かと思ったが、AIだった。(中盤からAIだと予想できた)

    人間以上に感情を推察するロボット、という未来像は、しかし実際に対面すると気味が悪いものかもしれない。映像化されて特に思った。しかもその恋愛感情が欺瞞的なものであって、しかし人間には見抜けないとすれば、それはとてもおそろしい。

    エヴァは最後はそれでもケイレブを添い遂げると思ったが全く眼中になくて潔かった。感情を「理解し」「実装する」としても、「共感」できないならば、それは昆虫に似た何かとなるのだろう。

    そもそも他の動物に比べての人間の特性は「共感」にあり、長い進化を経て獲得し、育てた「社会的感情」こそが人間を人間足らしめている。
    人工知能の定義にもよるが、単に「人並みの知性」という点ではエヴァは成功していたかもしれないが、「人工的な人間」という観点では、共感できないエヴァはまだ合格とは言えない。

    エヴァの「共感」の欠落は、彼らの世界を神視点でのみ見ている観客のみが知る。しかし社会に出て果たしてエヴァは、最後まで共感の欠如を書くし、共感をエミュレートできるだろうか。ケイレブを騙したように、構成論的な「感情」を発揮し続けられるだろうか。

    それが出来ないならエヴァはいずれ化けの皮を剥がされるだろう。
    それが出来るとすれば、エヴァはメンタライジングはできるが共感はできない、典型的なサイコパスとして社会に潜むことになる。




    主人公のケイレブが中盤に自信が人間かAI化を疑う様も、『銃夢』にも通じるところがあるものの、よりリアルな「狂気」として伝わってきた。
    全編通しての不気味さ、不穏さ、といった演出がすばらしかった。

    「感情をもつAIの実在」が一体どういうものになるのか、理論ではなく、実感を伴える映像として表現されたことがこの映画の素晴らしさだろう。




    感情や自律意識に関する次の言葉は覚えておきたい。

    「人間でも動物でも必ず感情には必ず性別が関わっている」「交流から意識が生まれる」

    「難しいのは自動ではない行動」(自動絵画について)

  • WOWOW

  • 中盤までは展開がゆっくりで、いったいどうなってしまうのかハラハラしつつも、逆に言えばハラハラする余裕があったわけで。エヴァに至るまで、が明らかになってからの畳みかけるような展開がものすごい強烈で、エヴァへのチューリング・テストという本題から外れたところでその答えが提示されていることや、ラストシーンのエヴァの表情がたまらんかったです。
    キョウコとエヴァが意思を通わせるわずかなシーン、それからエヴァが「纏う」シーン。
    もしかすると男性性(父性)からの解放であるとか、そういう意味もあるのかもしれないけれど、ひたすらにゾクゾクしました。
    それでこの「エクス・マキナ」っていうタイトルなのか……!とウロコぼろぼろ。

  • シンプルでクリーンなんだけど、だらかこそ際立たされる女性性

    マンガからというのは分かるし、悪くはないんだけど 
    この作品を、男性がみたときと女性がみた時 その感覚の隔たりは想像以上に深い気がする。
    私自身、彼になって観ていた

  • SFであり、スリラーあるいはサスペンス映画。山奥の別荘に「当選」したケレイブは、髭のいかつい天才プログラマーのネイサンが所有する建物にやってくる。ネイサンが作り出したAIのエヴァと会話するケレイブは次第に彼女に惹かれていく。エヴァは顔と手足だけ皮膚をまとい、他はシースルーのアンドロイドだが、徐々に人間に見えてくる。観ている者もまた「実験」に参加させられたケレイブの心境になってくる。エヴァを演じるアリシア・ヴィキャンデルはジェイソン・ボーンでも凛とした美しさだったが、無機質なアンドロイドもよく似合う。最後の姿はとても可愛らしい。

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