ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム [Kindle]

制作 : タディ・ホール  カレン・ディロン  デイビッド・S・ダンカン 
  • ハーパーコリンズ・ジャパン
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感想・レビュー・書評

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  • 冗長的に感じる部分が正直あったが、多くの例題をベースに説明されている点、理解しやすかった。
    あくまでお客様への価値提供が根底にあって、競合とのパワーバランスなどの重要度は低いと解釈できた。

    確かに私の中でも、競合に対する意識は年々弱くなっている。競合に勝てない部分は認めつつ、フォロワーであり続ける気もない。
    自社がどうなりたい、お客様に何を提供したいが全てで、そのアプローチが結果的に競合戦略と違った角度でお客様に刺ささり、認めていただければいいとの、思いである。

  • 既存の事業、そして新規の事業と向き合う上でとても役に立つ本。

    元々、服や家具のサブスク、カーシェアリングといった世間を賑わせたベンチャーサービスについてはニーズはなさそうだな…と感じていた。

    アマゾンやFacebook、Googleなど、世界に名を轟かしている企業たちは、別に特別なサービスは提供していない。

    アマゾンであれば、元々本屋で購入していたユーザーをインターネットに、Facebookは昔からの人と人との繋がりをインターネットに、Googleは昔からの調べるという行為をインターネットに持ってきただけだ。

    もちろん、『だけだ』と一言では語り尽くせないくらいの努力や改善がその裏には隠されている訳だけど。

    それでも、昔から行われてきた事を、より便利にしただけに過ぎない。人の習性、本能は2000年前から何も変わってないのである。

    つまり、人は変わらない。変わっているのは手段だけ。

    だけど、人は奇を狙ったサービスを作る。そして展開しようとする。そして失敗する。もしくは、小さい規模で終わる。

    こんな事を考えていた自分が、これを理論化したものはないのか?と探していて出会った本がコレだった。

    ジョブ理論では、『人はどのようなジョブを解決するために、あるサービスを雇用するのか?』と考える。

    一見、ニーズの話のようにも思えるけれど、それよりも一階層深いところでの話なのだ。

    新しい服を買いたい!というニーズに対しては、街でショッピングしたり、ネットで服を買ったり、服のサブスクを申し込むなどが考えられるだろう。

    だけど、街を巡って店員さんと話しながら服を買いたい!というニーズに対しては、街でショッピングするという解決策以外は当てはまらない。

    ジョブ理論は、ニーズよりも深くユーザーを観察する事が求められるのだ。

    ここから分かる様に、服をサブスクするユーザーと、街でショッピングを楽しみながら服を買うユーザーはジョブが違う。サブスクは、楽にオシャレをしたい!というユーザーであるし、街でのショッピングは、店員さんとの会話や途中にあるデザートをしながらの買い物がしたい!というユーザーなわけである。

    そうなると市場規模がギュッと小さくなる。小さい規模を、自分に嘘ついて、投資家に嘘ついてやろうとするから無理をする。赤字のままになる。そういう構造だ。

    もちろん、人の習性や本能が時代によって変化する事もあるかもしれない。けれど、それには非常に時間がかかる。

    プログミング教育の様に、パッと市場が出てくるものもある。

    この本を読んで、改めて人は変わらないし、人を無視したサービスは小さく終わるか失敗するな、と感じた。

    新しい事をする事は最初は注目されて嬉しいけれど、失敗の魔の手はすぐ横にあることを理解しなければいけない。

  • 【南】
    「顧客は何を求めて商品を購入しているのか?」それを考えさせられました。何か商品やサービスを購入するときは人々は何らかの「ジョブ」を解決するために購入する。私が本を購入するのは「仕事を効率化させたい」「将来の夢を叶えたい」「人生について考えたい」など様々な悩みを解決させたり、知識を増やすためです。他の例でいうと、朝のミルクシェイクをドライブスルーで購入するお客様はどのようなジョブを解決するためにスムージーを購入するのか?スムージーが飲みたいから?ではなく、「朝の渋滞で退屈な時間を運転しながら気軽に昼までお腹を満たした」というジョブを解決するためだそう。ではロボ団に通う子供達や通わせている保護者の方はどのようなジョブを解決したいのか?ー子供達は「知的好奇心を満たしたい」などで将来の夢を叶えるため!と思っている子供達は少ないのかな?と考えたりー保護者の方は「未来社会で生きていけるようになって欲しい」「私たちのようになってほしくない(いろんな意味で)」「好きなことで生きて欲しい」などを思っているのかな?と思っています。入会時にはプログラミングを教えて欲しい!というより将来生きていくためにはプログラミングではないか?と思ってプログラミング教室ロボ団を選んでくれているのでは?など考えました。しかし、ロボ団ではペアワークやプレゼンもそうですし、指導方法も"答えを教えない"という非常に子供達を尊重している教育なので、プログラミングという枠組みを超えた部分を入会後は評価していただいているのかな?と思っています。ジョブ理論もっと勉強してみます。

  • 20201225
    イノベーションの成否を判断するには、特定のプロダクト/サービスが採用される理由を知る必要がある。
    特定のプロダクト/サービスが採用される理由は、「ジョブ=特定の状況で人が求める進歩」を満たせるかどうかだ。機能的側面だけでなく、それによってライフスタイルがどう変わり、どう感情が動くのかという社会的・感情的側面が必要
    例えばシェイクが雇用されるジョブは、運転中の口ざみしさ解消&暇つぶしと、子供へのご褒美で良い父親になることの2つがあり、それを理解せず味を良くしてもいみがない。また有名な例を引くと、人はドリルではなく穴を求めているのだ。
    顧客のストーリー、シナリオを描く、UXを設計するのが重要。現実には非常に難しい。顧客は往々にして自分の望みを言語化できないし、購入というビッグハイヤーはデータが取れるが、使用というリトルハイヤーはデータがとれない。雇用の裏にある解雇や、惰性など変化への抵抗にも留意すると良い☆デザイン思考、UXデザインの源流
    ジョブに最適化されたプロセス、組織は差別化要素になる。サービスは短期的に投資することで模倣できるが、プロセスとそれを生み出す組織は模倣できない。多くの企業では組織の中にジョブの達成を目的とした役割がなく、組織の目的が狭い範囲での効率向上や成果の達成などに限定されがちである。サービスの立上げ時はジョブにフォーカスされているが、事業がはじまると豊富なデータがたまるが、それはほとんどプロダクトや顧客属性に関するものですジョブとの関係は薄い。また見かけ上の成長のために顧客に売るプロダクト増やしたり、ジョブの種類を増やしたりしてフォーカスをブラしがち。また認知的にも政治的にも精緻だが重要でないデータを使った確証バイアスがはびこるようになる☆アマゾンのmarket place事業による商品ページの乱立はこの典型例
    ジョブの定義は組織の北極星となり、意思決定の分散、資源の最適化、意欲の向上、適切な測定能力をもたらす

  • ビジネスとしてのストーリーの成立性とジョブに関する話でした。本書を最初に読んだときに思い浮かんだのが、iPodを発表したときのSteve Jobsのエピソードでした。JobsはiPodに1000曲入れられるということの紹介と併せて,発表に参加した記者に「音楽を盗まない “Don’t steel music.”」を実現するために,20枚のCDをiPodと一緒に渡したというエピソードがあります。
    このときCD 20枚を持って帰らされた記者は,CD20枚分のデータをiPod 1台で持ち運べるということを身をもって体験させられています。
    人々が認識していないけれども,聞けば片付けたくなるジョブというのは,このiPodのときのCD 20枚の話と同じだと思って読んでいました。この延長線上にiPhoneやiPadの話があると思いますし,今の電子書籍にもつながっているのだと思います。

  • 顧客は何を求めて商品を購入しているのか?

    何か商品やサービスを購入するとき

    人々は何らかの「ジョブ」を解決するために購入する

    山岡家→ラーメンでお腹を満たし、シャワーを浴びることも出来る
    トラックドライバーの多い国道沿い

  • すこしむずかしめ

  • そう言えばイノベーションのジレンマ読みかけのままだった事を思い出した。本書では、顧客の購買行動をジョブと言うキーワードに結びつけて説明している。顧客の体験がイメージし易い物が選ばれ、選択肢が多すぎたり、余計な機能が多過ぎる物は敬遠される。企業のマーケティング部門に居る人には知識として実践的な部分もあるのでお勧めである。

  • ジョブ、顧客が片付けたい用事に注力することを唱える理論。ミルクシェイクを買う顧客はミルクシェイクが欲しいのではなく、長距離運転の暇つぶしや子供へのご褒美が欲しくてミルクシェイクを買うという逸話が秀逸。著者は大学教授であると同時に4社の共同創業者という顔も持つため、机上の空論ではなく説得力がある。商品企画、経営企画、経営者、起業家などに向けた内容ではあるが、それ以外の職種の人にとっても、顧客や目の前の人がなぜ商品やサービス、引いては自分自身を雇用するのかに着目する考え方は学んで損はない。また、年齢や年収、居住地域といった属性は消費の相関関係を分析することは出来ても因果関係を探ることは出来ないという記述も興味深かった。実際には属性情報から因果関係を導き出す統計手法も存在しているだろうが、本書ではインタビューやエスノグラフィといった顧客の声を直接聞く手法に重きが置かれていた。大学で質的研究を学んだ者として刺さった。確かにいくら人口動態的情報を分析しても、ミルクシェイクを買う理由には辿り着けない。

  • イノベーションのジレンマをかなり前に読んだので、本書も手に取ってみた。個人的に、抽象的でわかりにくく、話が長かったのでイメージしにくかった。

    経験や知識を積んでから読み直したい。

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