- Amazon.co.jp ・電子書籍 (42ページ)
感想・レビュー・書評
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こちらはインタビュー中心の構成。
本編で書き忘れていたが、販売員を使い捨てにしていたと言う話。これはアパレル業界に限った話ではなく、商業界全てに言えると思う。常に流行にアンテナを貼り、自己をマネキン化してやってきたにも関わらず使い捨てられたらなりたい人間はいなくなるだろう。商品を大量生産し、人も使い捨て、過去の栄光にこだわってきた、まさにツケと言える。
結局どの業界も人をしっかり育てて、顧客のニーズに合ったものを作り出し、それを時代にあった販売方法で展開していく。これに集約されるのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
衣服の値段の大半がブランドのネームバリュー
この言葉は、何度も聞いた事があったし、それはしょうがない事なのかなと思ってた。だが、商品が売れ残る事を前提とした服の生産をしているために発生するコストも含まれるとは知らなかった。
それに、ファッションの多様化により生産される服は年々増えてきているのに市場は小さくなっていると言う興味深い現象も起きていた。
この現象は、単純に服1着当りの単価が安いもの(ファストファッション)ブランドの台頭の影響もあると思う。
その他に気になる点として、情報を最大限開示するエバーレーンの経営方針、Tokyo baseの徹底した数字での経営管理、
何より、この本を読んだお陰でこれから服を買う時には、その値段の価値を吟味したいと思う。
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Amazon unlimited
アパレル業界が斜陽化しているという報道はよく聞く。
これは一体なぜなのか?
ただ若者を中心に洋服を買わなくなっただけなのか?
そうだとしたらなぜ洋服を買わなくなったのか?ただ単にお金がないから?洋服書いたけれど高いから買えないから?
などなど理由は思いつくけれど一体何が本質なのか?
本書では、結論としてはアパレル業界が旧態依然の体質で自分の頭で消費者が何を欲しがっているのかを全く追おうとしなかったのが原因と指摘している。
ではなぜUNIQLOはZOZOTOWNはアパレル業界でもっとも
成功した企業と言われるのか?
それは各々の企業で消費者のニーズを満たしているから。
例えばUNIQLOの企業コンセプトはライフウェアというコンセプトの元、徹底した「あったらいいな」を提供している。
しかも生産体制もしっかりしていて高品質を安く、しかも生活に必要な洋服。
例えば三陽商会にこのような明確なコンセプトがあるだろうか?
一方でZOZOTOWNは、消費者の洋服探しの提供をITを駆使していち早く導入した。
その結果、たくさんの商品をまとめて比較できるし、店舗で必要なコストを抑えれるので安く提供できる。
今でこそなんてこと無い発想だけれど、2000年前半に着目した前澤さんははやりすごい人なのだろう。
また、今後のトレンドとして陳腐化の対局となるお店が流行るだろうという示唆もある。
例えば、一点物のオーダーメイドを依頼する際に、ITを駆使してマッチングさせるお店や流通コストを抜本的に見直し、必要なものを必要なだけ製造してコストを下げつつ品質が高い製品を提供する会社。
いずれもキーワードはやはりITと技術である。
思うに、我が国は技術が高い技術者は他の国に比べると圧倒的にいると思う。
海外で働いていて裁縫を15年やっています、という人をあまり見たことがない。そんなのは中国人にやらせればいいでしょ?的な。
この人たちをITを通じて消費者に提供することができればまだまだ可能性はあると思う。
今後のアパレル業界に期待です。
ちなみに本書でインタビューされている人たち(百貨店の社長さん)の平均年齢が高い!
もっと若くて創造性のある人が必要な業界なのだと思う。 -
日本に帰国したら、どの書店でも平積みされていて思わず手に取った本。
アパレル業界に興味はなかったのだけど、興味深く面白く、一気に読みました。 -
社会の流れを読み切れなかった業界の姿が書かれた本。
社員育成、低価格化、ITとの連携などさまざまな問題を抱えているアパレル業界。
しかし、アパレルだけの問題ではなく、多くの日本の企業がこの穴にハマっている気がする。
ゾゾタウンはIT×アパレルという組み合わせを生み出したパイオニアなのだとわかった。
これからさらにどのような分野と組み合わせていくのかが課題。