- Amazon.co.jp ・電子書籍 (205ページ)
感想・レビュー・書評
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公衆衛生系の話に興味があって手に取ったがおもしろかった。
・健康格差は「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つの背景があるとWHOはいっている。
・「地域性」としては「病気の罹患率」(食事の地域性などの影響)と「適切な医療へのアクセス性」という2点で、「罹患率」と「死亡率」が異なっている。
・ポピュレーションアプローチによる国策例。イギリスだと国全体で業界横断でパンに含まれる食塩量を毎週ごとに減らしていくことで、8年で塩分摂取量を15%も削減させ、高血圧起因の病気の罹患率を大きく下げることに成功した。
・ふるきよき日本にあったご近所付き合いに代表されるようなソーシャル・キャピタルは健康への寄与がかなり大きいものであると国際的に見直されてきている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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日本でもはっきりとしてきている格差の問題。それが貧富の差を中心とはしていますが、それ以外にも地域の差など、行政の不首尾のために多くの弊害が出ていることが見えてきます。このことは私たち自身がまず知らなければ前に進まない問題だと思います。本書では、テレビ番組の取材を通じて知ったことを、具体的に実際に起こっていることを書くことで、リアルに訴えられています。またその日本で起こっている健康格差の問題は、諸外国でも同様の事例があり、その解決策を知ることで、日本全体で取り組むべきことが見えてきます。
まず知ること。そこから始まるための一冊だと思います。 -
健康についてあらゆる角度から捉えられており、学術的にも重要な点をおさえてある。非情に勉強になりました。
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医療現場では貧乏人は早死にする、と言われている。何か統計取るときには社会経済的地位で補正するのは当たり前。
自尊感情の低さが原因かと思うが、そうさせない方策が必要。原因は幼少期に遡ることも多そうなので、自己責任と切って捨てるわけにはいかない。 -
・12/29 読了.新書の全内容をWebで無料公開するこの試み、こういった話題には持ってこいでおかげでとてもためになった.経済格差による医療格差だけが健康格差を引き起こしてるのではなく、様々な社会的要因がすべて格差につながってしまってるところに解決の難しさがあるのは、まさに少子高齢化のような社会問題と広範囲に渡る構造的問題という意味では同じで、よっぽどドラスティックな改革でもない限りそうそう簡単には解決しないだろうことがとても憂鬱に思えてくる.もうすでにまともに歯の治療もできない自分が健康弱者であることも実感した.