蝶 (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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  • 皆川先生の幻想耽美の短編集。詩や俳句を引用して、より幻想的なイメージを醸し出すのが素晴らしい。引用されている誌も、月下の一群とか、横瀬夜雨、伊良子清白、薄田泣菫、ハイネやダンセイニの訳詞など、高難易度で内容に併せ味わいを深くしている。8篇では後半に行くほど素晴らしさが増した。前半は皆川ワールドの入口で慣れ、中盤から全開で輝く金色のとろとろの霧雨に濡れるような気分になる。後半の龍騎兵は近づけり、幻燈、遺し文は絶品。死の泉、開かせていただき光栄です、など長編は読んできたが短編集は初めて。濃密な味わいで妖し美しい文章。

  • 初めて読む皆川博子さんの小説。
    幻想小説という分類らしいが、面白い面白くないという従来の価値観から外れた強烈な印象を残す短編集。
    しばらくこの作者の小説を読み進めてみたい。

  • 【現代最高の幻視者がつむぎ出す戦慄の短篇集】祖母の家に幼い頃の自分を置いたままの私、死線から帰還しながら妻と情夫を銃で撃ち、長い虚無を生きる男……夢幻へと導く瞠目の8篇

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著者プロフィール

皆川博子(みながわ・ひろこ)
1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、『恋紅』で第95回直木賞を、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞を、『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』で第12回本格ミステリ大賞を受賞。2013年にはその功績を認められ、第16回日本ミステリー文学大賞に輝き、2015年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。

「2023年 『天涯図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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