その悩み、哲学者がすでに答えを出しています [Kindle]

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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (297ページ)

感想・レビュー・書評

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  • ・「時間は誰にとっても1日24時間で平等」と言うけど、実際には時間には濃淡があって(楽しい時間は濃く短く、苦しい時間は平板で長い)、時間は使い方次第で価値を変えられる

    ・瞑想することとは、「悩む人」から「悩みを観察する人」になること(客観視してしまえば悩みは受け入れられる)

    ・道徳教育では「人に迷惑をかけてはならない」「嘘をついてはならない」と教えるが、そこには「(人に恨まれたくなければ)人に迷惑をかけてはならない」「(人から信頼されたければ)嘘をついてはならない」という利己的な動機が隠されている

    ・大切なものを失った悲しみから立ち直るプロセスを、フロイトは「喪の仕事」と呼んでおり、これは長い時間をかけて一歩ずつ実現されるものと説いている(結局、フロイトほどの人でも「時間が解決する」という答えしか持ち合わせていなかったということ)

    ・「100%の確率で3000ドルもらえる or 80%の確率で4000ドルもらえる」という実験ではほとんどの人が前者を選び、「100%の確率で3000ドル損する or 80%の確率で4000ドル損する」という実験ではほとんどの人が後者を選ぶそう。つまり人間は合理的には行動しておらず(ここでは期待値を無視している)、「利益についてはより確実な選択肢を選び、損失についてはリスクをとってギャンブル的な選択肢を選ぶ傾向がある」とのこと(カーネマン)

    ・自分で物事を決めてしまうと、その決断を引きずってしまい、その決断にその後の人生がとらわれてしまう傾向がある。重い脳障害を持って生まれ、生命を維持できても高確率で植物状態になってしまう新生児に対し、延命治療を続けるか中止するかの選択を迫られるケースにおいて、アメリカでは親が治療中止の決定を下さなければならないのに対し、フランスでは親が異議を申し立てない限り医師が決定を下すことになっている。その後を追跡すると、フランスの親は「こうするしかなかった」と確信を口にするのに対し、アメリカの親は自分で決定したがために、時を経ても後悔や罪悪感に執拗に悩まされる傾向にあるそう

    • corpusさん
      人はみな1日24時間で平等だとか言ってる人もいますが、ベルグソン的には必ずしも当てはまりませんよね。でも、他人と比較可能かというと、そうでも...
      人はみな1日24時間で平等だとか言ってる人もいますが、ベルグソン的には必ずしも当てはまりませんよね。でも、他人と比較可能かというと、そうでもないですよね。
      2020/05/03
  • 人類不変の各種悩みに対して、過去の哲学者たちがどのように答えているか、について書いてある本。哲学書入門としての側面もあるし、単純に今、自分が抱えている悩みに対する回答が書いてあって、読むことで頭や気持ちがすっきりする、といった構成の本。
    何のために哲学という学問があるのか、が体系的に分かって面白いし、ある哲学者が出した回答が実は後世においてひっくり返されている、という事も分かったりして、哲学という学問の不安定さと奥深さが分かって非常に興味深い本だな、と感じた。 

  • この本を読んでもう一度山川の倫理政経の教科書を読もうと思いました(笑)
    哲学というか倫理学を高校の時もう少し勉強ちゃんとしとけばと思います。

    「動かなくても、動くことはできる」
    「資本主義からの逃走」(ドゥルーズ)で会社を辞めなくてもやりたいことはできると説かれています。
    「居場所はどこだっていい」辞められないなら辞めずに会社の中で穴を見つけて好きなことをする。
    その中で同志を集めてプロジェクトを立ち上げる。
    これは役所でも言えることやと思います。
    僕の大望を成就するために今は頑張る時です。

  • 嫌いな上司がいる。上司とうまくいっていない
    のところで出てきた下記が印象に残った。

    >起こることすべては必然であり 、最初から決まってしまっている 。ふたたび 、あの上司は嫌なことを言うだろう 。言わなくてもいいことを言うだろう 〔 ※ 2 〕 。でもそう考えると実は 、楽になれる 。安らぎと幸福が与えられる 、とスピノザはいいます 。
    >「理解 」することによって 、彼のことをあきらめて 、ゆるす気持ちがわいてくるのです 。

    あとはまあ読む人によるかな。昔読んだニーチェのなんとかを思い出した。

  • いつの時代も結局人の悩みは一緒ってことなんだよね。
    でもそれが今でも悩んでる人がいるってことは、
    その哲学者の回答じゃ悩みが無くならないってことよね?(笑)
    ただ、今度から生徒が緊張するタイプなんですって言ってきたら、
    それ、ブッタがもう解決してるから!って言ってやろうかと。
    え?ってなるわな、きっと。

  • 長い人類の歴史で哲学者が書き遺した書物を紐解いてみることで、悩みを乗り越えるヒントが得られる。人生で悩んだときはこの本を読んで哲学を活用したい。
    ■3つの気づき
    ①自分に向いている仕事(天職)でたゆまぬ努力をし、人々の生活のためになれ
    ②生活すべてが禅である。掃除、炊事、トイレ、歯磨きなどの日常茶飯事を無心に、徹底的に、丁寧にやってみる
    ③人間は合理的な判断をするのが難しい。できるだけ自分で選択しないように心がける

  • 哲学者をたくさん紹介したいがあまり、問いに対する答えがあっていない残念本。
    というか、答えありきから無理やり質問を作り出している感じ。
    内容もだいぶ薄めているし、孫引きしているのもなんだかなぁと思わせる。
    哲学入門でなんとなく哲学を知った気になりたい人向け。

  • ブッダ 原因によって生じたものはいずれ消えてなくなる
    弁証法 アウフヘーベン 夫婦仲解消
    性欲を抑えられない親鸞
    無知の知 死

    内容は面白かったが問いに対する答えにはなっていない箇所が多い

  • 生きていけば誰もが悩むであろうことを、哲学者の言葉を引用してヒントをくれる作品。直接的な解決にはならないかもしれないが、心が少し軽くなると思う。

  • 酷い。この一言に尽きる。

    本の構成は一貫しており、以下の順に掲載されている。
    1.悩みの提起
    2.解説
    3.哲学者が出した答え

    例として、一つ引用してみる。
    1.悩み:忙しい。時間がない。
    3.答え:私たちの行為が私たちの人格全体から出てくるとき私たちは自由である

    ……答えになっていない。

    上述例については解説を読んでもわけが分からないのだが、他も大体似たり寄ったり。著者によるこじつけがあからさまな上に、だらだらと長い解説は着地点が見えない。

    どこかで見かけた文章に似ていると思ったら、ネットニュースと同じ手法で書かれているのだ。タイトルはキャッチーだが、肝心の記事は箸にも棒にもかからないたぐいのあれだ。
    この本を読むより、青空でも眺めていたほうが心の安寧に繋がると思われる。

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著者プロフィール

株式会社電通シニア・コンサルティングディレクター
1976年生まれ。専攻は哲学、美学。電通トランスフォーメーション・プロデュース局・シニアコンサルティングディレクター、ビジネスデザイナー、エヴァンジェリストとして活躍する傍ら、2019年まで事業構想大学院大学の客員フェローとして事業創造人材の育成に従事。テーマは哲学・人類学など人文科学の知見と戦略思考を統合し、包括的で越境的なアイデアを実行すること。大手食品メーカー、大手衣料メーカー、大手実用出版社、大手通信企業などでサービスや商品をヒットに導いてきた。ビジネス思想家として活動し、2018年に出版した著書『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』はわかりやすく深い哲学入門書として各界称賛のロングセラー(4万部)に。共著に『ウケる技術』『電通B チームのニューコンセプト大全』など。累計25万部以上。ヒットコンテンツ、アイデア発想、職場の人間関係といった身近なテーマを、哲学や認知科学、ビジネス思想も交えて文理産学を融合して考える「知の変態」。2019年より社会人向けオンライン学習動画サービス「Schoo」で哲学講義を担当。

「2801年 『したたかな知的生産術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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