プロテスタンティズム 宗教改革から現代政治まで (中公新書) [Kindle]

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  • 中央公論新社
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感想・レビュー・書評

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  • マルティン・ルターを筆頭に、プロテスタントの歴史を解説した本。一口にプロテスタントと言っても、その実態は結構違うことがわかる。

    この本によってプロテスタントは古プロテスタントと新プロテスタントの2つに大別できることを初めて知った。一番の違いは宗教を自分で選択するか否かである。前者はカトリックと同様に、生まれた地区によってプロテスタントであることが決まる。後者は成長してから自分の意志でその宗派に入る。

    近年話題の「宗教でLGBTを認めない」問題だが、認めない人に対して「自分の子供がLGBTだったらどうするのか」という人達がいる。これは宗教の決め方が古プロテスタント系か新プロテスタント系かで話は大きく変わる。新だったら信仰は自分で選ぶため、LGBTを認めないのならそこから離れればよい。しかし古の場合は、生まれながらにして神に反する存在であり続けることになる。いまだに宗教を信じている人は大変だ。

  • ルターの宗教改革から始まったプロテスタンティズムの歴史について書かれています。あの宗教改革で何があったのか。その背景と経過をまず学び、彼らが何をしようとしたのかを知ることができます。そしてその後、主として2つの流れに別れ、それぞれドイツとアメリカにて独自の発展をするところがあります。最後に今日の多様化したプロテスタンティズムの現状と課題について考えることができる内容になっています。プロテスタンティズムは、私たちの背景に無視できない影響を与えているものですので、それを知ることで私たちとその社会を知ることができると思います。本書ではその歴史的な経緯を知ることで、それを学べると思います。

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著者プロフィール

1964年生まれ。アウクスブルク大学哲学・社会学部博士課程修了。Dr. Phil.(アウクスブルク大学)、博士(文学)(京都大学)。現在、金城学院大学人間科学部教授。著書『超越と認識』(創文社)、『十九世紀のドイツ・プロテスタンティズム』(教文館)、『ヴァイマールの聖なる政治的精神』(岩波書店)、『思想としての編集者』『神学の起源──社会における機能』(新教出版社)、Paul Tillich: Journey to Japan in 1960(Tillich Research 4、 de Gruyter: Berlin 2013)ほか、訳書にシュライアマハー『宗教について』(春秋社)、『アーレントとティリッヒ』(法政大学出版局)ほか多数。

「2014年 『ティリッヒとフランクフルト学派』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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