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感想・レビュー・書評
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ものすごくおもしろかった!
デニス・ルヘインてこんなのも書くんだ、と。ちょっと「ゴーン・ガール」みたいな感じ。
心理学者で作家だけどいわゆる「毒母」に育てられた主人公レイチェルが成長してジャーナリストになり、結婚もし、ハイチに取材に行ってひどい経験をしたことでパニック障害になるってあたりまでが普通の小説みたいで、父親さがしをするあたりがミステリ、それからサスペンスとなり、クライムとなり、とどんどん変わっていくような感じ。
後半は、「どんでん返し」がすごくて、何度も、ええーーっ!、ひょえーっ!、とか変な声で心のなかで叫んでいた。わたしはこういうのあまりない。(いちばん驚いてひょえーっと叫んだのはパスポートのくだり)。
パニック障害で家から出られないほどだったレイチェルが、サスペンス、クライムと話が進むにつれて、自然に家を出て車を運転し、ちょっと普通じゃないアクション映画さながらの行動をとるのもおもしろい。そんなものなのかなと。(よく考えるとちょっとやりすぎ?)
でもそんなアクションドラマっぽい感じなのに、哲学的に深いような部分もすごく多くて、ところどころでいろいろ考えさせられた。野心をもつとか人生に選択肢があると自然に思うのはある意味特権、とか、他人にまったく気にかけられない人生、とかとか……。
ラストの着地のしかたも複雑というか、それでもやっぱり彼女は彼を愛するのか、っていうようなこととか、人を信じられるのか、とか、人の本当の姿とは、とかいったようなことを考えさせられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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