- Amazon.co.jp ・電子書籍 (316ページ)
感想・レビュー・書評
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患者側が決められない、そもそも医療者に丸投げの人も多いので、医療者が誘導している部分は確実にある。
それが強要にならないように、しかし不慣れな状況で戸惑っている患者側が選択しやすい手助け(=本書でいう「ナッジ」)になるような言い方、予め検討を促すことが大事だと。
噛み砕いて説明するだけでは、患者側への説明に苦労することが多い。
必須事項は盛り込んだ上で、どこから、どこまで説明するか、伝えるタイミングを見計らうことを心がけたい。
一方で、行動経済学で人間の不合理な心理のクセを知ると、結局何が私達の本心なのか分からなくなってしまった。不特定多数相手の仕事で正直相手側にも問題を感じてしまうことはあるし、医療の限界もあり、本当に難しい。医療に関する高度な専門知識も求められるのに、コミュニケーションも大変すぎる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
audibleにて
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意図せずとも言動一つで患者の心象や行動を変えてしまう事ができてしまう医師には是非読んでほしい本。いつか患者になるであろう自身も、診察の結果が表現方法で大きく心象が変わる事は是非覚えておきたいと思った。行動経済学の事例は他の本と同じことを言っているものも多かった。
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2018年12月31日
医師を始めとした医療関係者にこそ読んでほしい本 -
医療現場に行動経済学を取り入れる話。患者と医師それぞれについて、なぜこのような判断をしてしまうのか、どうしたら改善できるのかといったことを、行動経済学の観点から考える。
医療現場への応用がメインとなるため、行動経済学の様々な理論は結論だけが紹介され、その根拠となる研究などはほとんど省略されている。なので本書は行動経済学の基本的な知識を持った人向けと言える。読んでおいてなんだが、行動経済学の基本的な知識を持ち、かつ医療現場に興味がある人向けとはずいぶんニッチな本だ。
俺は医療関係者ではないけど、それでも学びにはなる。特に医者のバイアスや特性について知ることは重要だ。例えば生命維持治療は「差し控え」をすることは簡単だが、「中止」するのは難しい。「差し控え」は最初からやらないので、それは死期を早めることにはならない。対して「中止」は、能動的に患者の死期を早める行為である。だから医者は中止を嫌がるのだ。これを知らないと、とりあえず生命維持治療を始めて、ダメそうなら途中で止めればいいと考えてしまうかもしれない。なのでそういった医者の特性は知っておいて損はないだろう。 -
同じ著者の、行動経済学の使い方、が分かりやすかったので購入。